ゲームにおけるいわゆる「世界観アピール」…すなわちそのゲームへとプレイヤーを招き入れるためのお膳立て…は商品の付加価値を高めるひとつの方法として積極的に支持されて久しいが、その「お膳立て」の体裁にかまけすぎて余計な枷を自分たちにはめてしまった間抜けな作例というのも世にはある。
要するに撃てばいいんでしょ。
だっていうのにあらすじが邪魔をする。
そこからマーチャンダイジングを広げていくつもりなど端からないにもかかわらず無軌道に押し出されたキャラ。それは単なる経営資源の浪費。プレイヤー置いてきぼりの制作者によるマスターベーション。
お客さんを楽しませようとしていない。
しかも、狂った軌道を修正するための方法は分かっている筈なのにそれができない。
ゲームセンターへ足を運ぶお客さんたちの生の反応を確かめようとしない。
なぜならば、彼らは店舗の営業現場を過剰に恐れているから。
一度そこへ足を踏み入れたら生きては帰れない世界、勤める者の誰も彼もが毎日血ヘドを吐きながら地獄絵図の中でのたうち回っている世界を勝手に想像しすくみ上がっている。
そんな世界などありはしないのに、ともかくも彼らは恐れ続けている。
だから制作物の仕上がりがあれほどまでに狂う。
挑戦できない腰抜けたち。
失笑。
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