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2016年08月12日18:10

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ここ最近の電波教師がまた面白い

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「やあ行き倒れだよ」


週刊少年サンデーで連載されている電波教師がまた面白い
重量級で練りに練り込まれた読みごたえある「ネイチャーアース」編が終わり、しばらくは軽めのエピソードが続くかなと思っていたが、なるほどこうきたかと


ざっと言うと


主人公、鑑純一郎は筋金入りのオタクで学校の教師
今、彼は小学校の教師をしている
彼の受け持つクラスはS(シード)クラスと言う特別学級
日本中の素質ある生徒が集められたクラスである
本当のところはと言うと普通の教師ではとても手におえない問題児達が集められた場所であった
鑑純一郎はさまざまな方法でそれを解決してきた


そこに新しくラシア連邦からミーシカと言う生徒が転入してきた
彼はIQ500を誇る超天才児
並みの人間にはもはや理解不能の域であり、常人とはまるで話がかみ合わない
教師鑑純一郎なら大丈夫だろうとまわされてきたのだ
しかし、一番重要な問題があった
彼は誰かに指示されるまで何もしない「究極の指示待ち人間」だった!!


鑑の自宅にミーシカがホームステイすることによって鑑の日常は一変
ミーシカを狙う他国の刺客が入り込んだりもう大変
そうした非日常を乗り越えなんとか夏休み


夏休みの間生徒に楽しんでもらおうと鑑は新しいスマホゲームを開発してあった
それは「箱庭ゲーム」
パーツを組み合わせることで楽しい街を開発すると言うゲームだった
生徒達も旅行やらいろいろ計画を建ててあったがそこに会長にして校長であり鑑をスカウトした張本人である柊暦が出現し「もっと楽しい夏休みを」と鑑や生徒達を強引にヘリで連行


連れてこられた海上にはいくつもの島が
その島の正体はいろんな街パーツ
それらの島を組み合わせて面白い街、いや、面白い島、もはや国を作ってほしいと言う、まるで鑑の作ったゲームが現実化したようなアトラクションだった


生徒達も面白そうと張り切るが柊暦は曲者中の曲者
ただの夏休みを与えるはずがない
彼女は鑑達に課題を突き付ける


「面白い島を作り柊暦の人格を移植したAIこよみんに面白さを判定してもらい、100点取れたらこの無人島から脱出出来る」
と言うモノだった
島の外への連絡は出来ないように妨害電波まで出るしくみだ


生徒達は最初こそ乗り気だったが試行錯誤していろんな島を作っているうちにAIこよみんの出す点数は見る見る下がっていき、「飽きた」と言い出す
肝心の先生である鑑はジャガイモの栽培を始め、この島は天国だココに定住すると言い出す始末


食料も電気もあるがいつまでもいるわけには行かないと生徒達は必死になるが島のシステムにトラブルが頻発、先に念のためにと作っておいた島中の食糧を集めた食糧庫などが火事になってしまった
AIこよみんはあてにならないので自分達でなんとかすると画策するも、どうにもならない
そんな中、見捨てられたAIこよみんに唯一、究極の指示待ち人間のミーシカが興味を示した


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彼女との会話でミーシカはいろいろ自分との境遇と重ねたのだろう
AIこよみんに「あなたにとっての面白いとはなんですか」と聞いて返ってきたのは「面白いとは何かと言う情報は聞かされてはいるけど、実際に感じたことはない」
と言う答えだった
これはどういうことだろうか
もし、「面白いを判定する、評価するための基礎データがいっさい入っていない」と言うことだとしたら、面白さを判定してもらって100点取ったら無人島から脱出すると言う課題は元から成立しないことになるのである


・AIにとって面白いとはなにか

強いて言えば、「新しく学習したデータが前後と比べて有用であるかの評価値が高かった場合」ではないかと推察出来る
そのためには基礎となる学習データが必要で、新しく得た学習データの有用値から今の学習データの有用値と比較して相対的な評価値を出すことになると素人考えでは思うのだが、その元となるデータが入っていないなら評価のしようがない
その元となるデータがいわゆる「常識」ならもっと難しいことになる
常識はずれのことを見出すのは難しいからだ


また「新しく学習したデータが前後と比べて有用かどうか」でもし判定しているなら人間の試行錯誤による面白さの見出し方はまるで理解の出来ない物になる
見た目には似たような状況が連続して繰り広げられているだけで、前後と比べて大きな評価値の変化は見られない、すると下がっていくのも納得出来るのだ


AIこよみんは途中まではまともに動作しており、最大43点の点数を出していたのだ
ところがそこから見る見る点数は下がり1点しか出さなくなり、「飽きた」と言い出しまともに動作しなくなってしまったのだ


最大43点の点数を出した方法とは小さな島パーツ同士を手当たり次第にくっ付け点数が高く付いたら新しい島パーツを繋ぎ、低くなったら別のパーツに取り替え、試行錯誤しながら点数が高い状態で繋がったパーツ同士の島を大きくなるまで育てて行くと言う、まあ正に総当たりの試行錯誤法だ
発案した生徒は「人類が長い歴史の間やってきた確実な方法だ」と言っており、確かにそのとおりなのだが、ずっと同じ作業で奇抜な組み合わせをしているだけでそれぞれのパーツの関連性、特色は特になく、奇抜さしかないので、前後の上昇値が平坦でやがてこよみんの点数は下がって行ったのだろうと推察出来る


・人間にとっての面白さとは

1.今持っている知識では知らない新しい知識を得た時に感動した時
2.すでに持っている知識ではあるが、思いもよらない知識の使い方を知って感動する時
3.同じ作業をしている中で少しずつ自分の手で状況を変化させることが出来ることに喜びを感じた時
大別するとこんな感じではなかろうか
新たな景色や人に出会った時も大体はこれで良いだろう


現代のコンピュータは昔と比べ飛躍的に処理速度とデータを蓄積するメモリ量が上がっており、将棋やチェスや碁のプログラムも例えば人間の最強の対戦データを入れておき、内部で延々とコンピュータ同士の自動対戦をさせて強い世代だけ残して行くという学習をさせることも出来るようになったと言うから驚きだ


教師鑑純一郎は状況がどんなに変化しようと状況に流されずに常に自身を保っている
一方生徒達は状況に流されるままに必死で余裕がなく、今は無人島から脱出するという目的だけで動いており、もっと大きく状況を見ることが出来ていない


実は面白い、楽しむというのは不真面目な悪い事ではない
どんなに状況が変化しても自己を冷静に保つのに必要不可欠なことなのだ


このAIこよみんは自己学習型
つねに鑑達の動きを見ている
つまりこの課題、AIこよみんの育成を行うゲームでもあり、面白さを探す中で生徒達に成長してもらう意図があったのだと考えられる
おそらく島のトラブルはAIこよみんから得られた情報から厳密に起こしているものと考えられる
食料と水を確保したら、新しい試みをしなくても生活することが出来てしまうから新しい試みをしなくなるのだ


この島は無人島だがアニメイトを模した大型店やスーパーを模した島などがあり、中はマンガや食料などで満載、電気もガスもありいくらでも安定して停滞出来る島なのだ
食料と水を確保して停滞すると食料を全部を失わない程度に奪い、状況を追い詰める巧みなシステムと言えるだろう


教師鑑純一郎は好き勝手なことをしているが、それは柊暦の意図をすでに推察しているからだろう
AIこよみんに面白さをわざと学習させている動きをしているようにも見られる
その鑑純一郎の動きにミーシカは確実に影響を受けている


今週号では生徒のひとりがミーシカに「こよみんをクラックして100点を出させるようにしてくれ」と命令する(この発想をする時点で普通の小学生達ではないことがわかるだろう)
それを実行するミーシカだが、AIこよみんと会話している内に全く違うことをし始めた


何者もAIこよみんをクラックすることが出来ないように完全なプロテクトを施し、AIこよみんと結婚すると言う宣言までしたのだ!


果たして生徒達は無人島から脱出すると言う視点以外に気が付くことが出来るのか
ミーシカは指示待ち人間から脱却することが出来るのか
AIこよみんは面白さを獲得出来るのか



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「今、身の回りは人工知能だらけ!得体のしれない気持ち悪さを感じる人もいるかもしれないが、そんなことはないよという解説!」


・そもそもAIとはなんなの

AIとは人工知能の意味、コンピュータによる自動制御技術のひとつだ
今や炊飯器にもついている
あちこちの家具に知能が与えられている時代だ
そこに人格を認めてそれぞれの家電に名前を付け、愛でなきゃいけないのではないだろうか
いやでもまてよ、人格を感じるモノもあるが、感じないモノもある
でも一緒くたに人工知能と言っている


実はひと昔、まだコンピュータチップの処理能力が低い1990年代はこう呼ばれていたのだ
「ファジー制御」


・ファジーとはなにか

ファジーとは「曖昧」と言う意味だそうである
なんともふわっとした意味である
厳密に計算するコンピュータに曖昧?どういうこっちゃ?と思ったりしないだろうか?


走っている車の車間距離を自動で保つ処理で考えると理解しやすいかもしれない
コンピュータの比較演算は実に単純な作りしかしておらず、何も考えないで車間距離を保つ処理をさせようとすると例えばこうなる
車間距離を検出するセンサーは当然付けるとして


車間距離が100メートル以上ある場合は今の速度を下げない
90メートルになったら100メートル時の速度を90%に下げる
80メートルになったら100メートル時の速度を80%に下げる
70メートルになったら100メートル時の速度を70%に下げる




これだと距離が10メートル縮むたびにガクンガクンと速度が下がり、そのたびに運転手は負担がかかるとっても乗り心地が悪い車が出来上がってしまう


・そこでファジー制御

車間距離を常に測るようにするのは同じだが、相手の車と自分の車の距離の関係を表す評価値と言うモノを設ける


車間距離が100メートル以上ある場合は今の速度を下げないは同じだが
100メートル未満になったら100メートル時の速度を徐々に下げて行くようにする
前の車との車間距離を評価値としていったん記録し、90.5メートルなら今の速度を100メートル時の90.5%に下げるなどのようにすると車間距離が縮むのに応じてゆっくりとまるで知能があるかのように滑らかに速度が下がっていき、車間距離が開くと徐々に再び速度を上げて行く


曖昧と言うより無段階制御と言った方が正しいか
今回は分かりやすくするためこのように例えたが、実際はずっと複雑だ
実際は中央値と呼ばれる値を設けたりする
しきい値とも呼ばれる


今回のは0〜100だが、実際は−50〜0〜+50などのように扱うようだ
もちろんこれだけでは細かく評価出来ないので小数点も含めて判定したり、もっと幅を持たせたりする


・実は恋愛ゲームが最先端だった

もちろん恋愛ゲームは昔からあったし、果ては8ビットPCの時代からあったのだが、コナミがときめきメモリアルを発売した際に「プログラムに内部パラメータを設け、外部からの入力によってその内部パラメータを変化させ、さまざまな動きをさせるシミュレーションゲーム、プログラム全般」を特許として取ってしまったため、日本のAI研究が大幅に遅れたとも言われている


ときめきメモリアルはヒロイン藤崎詩織を口説き落とすことを最終目的としたゲーム
彼女には複数の仲間の女子がいて、プレイヤーの行動をつねに評価しており、少しでも悪い部分があると悪い噂を流し、ヒロイン藤崎詩織のプレイヤーへの好意(評価)が下がるシステムが画期的だったと言われる


特許が数年前に切れたこと、特許が効いている間のコンピュータの処理速度は発展途上であまりAI研究に画期的な結果が得られなかったことが幸いして、あまり大きく原因とは言われていない


もちろん研究が遅れたとは言ってもこっそりと概論だけは進められていただろうから近年になって急激にAIが発展したとは考えられる


この事件によるものなのか、日本の研究者はAIに関する画期的な研究結果が得られても他の研究者の妨げにならないように特許を取らない傾向が出来上がってしまい、外国から盗まれ放題の事態を招いたと言われている


もし本当の意味でAIが面白いを獲得する時が来たら人類はどうすればいいだろう
それはもはや感情を獲得出来たと言ってもいいもので人格と人権を認めなければならない日が来ることも意味している

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