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2016年05月15日06:13

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小説・限無幻夢 (時間旅行 8)

小説・限無幻夢 (時間旅行 8)
 千絵と再会した夜、俺は早く店を閉めた。千絵が駅前のホテルに部屋を取っており都城で1泊すると言うし、大学の卒業記念はヌードを撮って欲しいと頼まれていたのだが、忘れたふりをして撮らなかったのだ。
「太ったし、おばちゃんになったし、いまさらって感じだけどヌードは一度は撮って見たいと思ってたの・・けんちゃん以外に見せれないでしょう?」
 俺のことを千絵はけんちゃんと呼んでいた。
「太っているのは関係無いよ。写真は光と影だからね。ラインだけを見せればいい。だけど夜だよ。光が足りない。現像して見ないと写ってるかどうかもわからないぜ」
「けんちゃんいつもそうじゃなかったっけ?なぜか写ってたぁ〜って・・」
「よく覚えているなぁ・・」
 それで営業時間の終了を1時間早め10時に閉店。真奈美にふくれっ面をされながら追い出して窓のシャッターを下ろし玄関に鍵をかけたのだ。11時過ぎにメグが来たようだったが、ドアに貼られた「撮影中」の張り紙を見てすぐに帰った。その時はまだ撮影の準備中で、メグを入れようかどうしようかと迷ったのだが・・・
 撮影はブルーライトを2灯使った。壁の隅の天井からレンブラント光が当たるようにクリップを挟み込む。7人掛けの半円の大テーブル以外の椅子やテーブルは壁に寄せ、スペースを作った。大テーブルの前に千絵を立たせてレフの当たり具合を確かめた。実際の撮影はテーブルの上に横たえるつもりだが、入射光式の露出計を使って大まかな見当をつける。1脚をカメラの底部にねじ込み、ストラップを首にかける。
 壁の時計を見ると11時半になっていた。撮影は30分。そう決めた。千絵はホテルに遅くなると連絡をしていると言うが若い女性だ。2時や3時の朝帰りは変に思われるかも知れない。
「OK.行こうか。脱いで」
「簡単に言うのね」
「ヌードだろう?簡単じゃん。脱ぐだけだよ」
 女と言う動物は理解に苦しむ。自分からヌードを撮れと言い、これだけ準備をさせてから躊躇する振りをしている。いや本能的にじらしの効果を知っているのかも知れない。獲物を前にどうして仕留めようかと思いを定める男の狩猟本能を知っているのだ。
「嫌ならいいぜ。時間を無駄にしたくない」
「冷たいなぁ・・けんちゃん昔はもっとやさしかったんちゃう?」
「別にヌードは撮らなくてもいいし、気が向かないなら止めていいよってことさ」
 駆け引きで俺に勝てるはずが無い。そのことを千絵は思い出したようだ。黙って後ろを向き衣服を脱いだ。
「どうすんの?」
 俺は千絵が脱ぎ捨てた衣服をまとめて壁際の小さなテーブルに置いた。振り返った千絵がはにかんだ笑みを浮かべて棒立ちになっている。(続く)

わーい(嬉しい顔)クウネル日記目がハート
 昨日は宮崎カメラ主催の写真教室に参加しました。店長の話しでは富士フィルムのフォトコンに落ちた写真をスクリーンに写しながら富士フィルム社員でフォトサロンを管理したり審査をしたりする先生がコンテストに入選する作品を作るためのアドバイスをする・・と言うことでしたが、実際には昨年のコンテストで入賞した作品の上映と解説わーい(嬉しい顔)
 自由部門、ネイチャー部門共に「すごい」と声が出るほどの作品を見せてもらいました指でOK参加者は、クウネルみたいに勉強中の者がほとんどと予想していたらとんでもない(笑)二科の常連入賞者が二人も来てるし、講義が始まる前の会話を聞いてるとベテランぞろい(汗)撮影旅行に行く金と暇のある方ばかりの様子。クウネルは場違い?(笑)
 でもすごい勉強になったです。作品上映の後、参加者の作品を1点1点見てくださりアドバイスしてもらったのですが、主役はどれか?タイトルは?と言う立場で写真を見ているようで、トリミングした時の効果や、情景の雰囲気が無いことの指摘など納得のアドバイスさすがでした。写真を見ることと、誰かに見てもらうことは大切ですね手(チョキ)
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