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2016年04月30日11:17

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4月の保育室 「はじめのい〜〜ぽ・と〜んだ!」

4月も今日で終わります。
今月初日から勤め始めた保育園の中にある一時保育室(昨年4月の開設)で
パートのじいちゃんをしています。子どもたちは1歳から2歳の子どもたちです。

一時保育は、通ってくるお子さんの顔ぶれが毎日変わります。
保育者にとって大変といえば大変ですが、反対に一回一回が真剣勝負ですから、
あるしゅスリリングでもあり、その分独特の醍醐味もあり、
自分自身不断にスキルアップしていけるかという保育センスを磨く道場でもあります。

有り難いことに最近では家庭でお爺ちゃんっ子が昔より多くなっていますので『パートのじいちゃん』の私にとってはその分保育をやりやすいです。既に飛行場は下地ができているのですからあとは飛行機のソフトランディングの心くばりに努めればいいのです。

今年から入室したお子さんも、昨年に引き続きこの保育室に通っているお子さんの中にも、
毎朝泣くお子さんが何人かいます。
『ああ、日本中の保育園&保育室で泣いている子がいるのだろうな・・・』
大好きなお母さんと別れるのだから母恋しと泣く気持ちは痛いほどわかります。
とりあえずは泣かせてあげます。だってなんてったってお母さん大好きなんですもの。

泣く子をあやしつつも心掛けているのは、なるべく長泣きしないで遊びを見つけてほしいと
心に念じつつ一人一人の『泣き』の心情に向かい合います。

何故泣いているのだろうかの理由は『母恋しの悲しみ』で泣いているだけではありません。
ほかの理由として考えられるのは、その子が感じ取っている『不安』『心配』です。
不安を凌いで安心をつかむ過程で、その子が何に興味を魅かれるか、
何が好きで何が好みでないのか、保育士のセンサーは多極的に見取っていきます。

子どもたちは力士の如く、新しい環境という土俵の真ん中で『不安』や『心配』とがっぷり四つに
相撲を取っているのです。保育士は『安心』という軍配を構えて「ハッケヨイノコッタノコッタ」
子どもが遊びだして笑顔が出たら『勝負あったー。安心の勝ち〜〜』

安心は子供自身が心の内側から自らつかみ取って定着するものですから
大人が子供の心の外側から押し付けても本物には至りません。

子どもさんたちとの間で『安心』を見つけやすくするような「共通言語(共有言語)」や「動作」を作り出していくのはパズルを解いていくときのような醍醐味があります。

『安心』に立ち戻れるためのアイテムの言葉や言葉を伴ったアクションとしては、
背中をトントンしながら『だいじょうぶ(だよ)』と囁いたり、『お昼寝しておやつ食べたらママお迎え来るよ』、おもちゃをはいどうぞと手渡したり、さらにまた、はいどうぞとリプレイの繰り返しを多用します。子どもは繰り返しが大好きです。やりもらいの循環は喜びを活性化します。
子どもから差し出されたら「ありがとう」と一旦受け取って、またそのおもちゃを、『はいどうぞ』と手渡して循環させます。

保育者はなんかかんか用事のたびに保育室の出入り口を日に何度も開け閉めし出入りします。
せっかく安心を見つけかけて遊んでいたものの、ドアの開閉を見るたびに母恋いしを再燃させます。とりわけ部屋を出ていくときには事務的に出て行くのはご法度です。

悲しみを思い出しかけている子供さんからのオーラを背中越しに感じたら、そんなときは手のひらを大きく開いてパーを作りその子の手のひらを受け止め「たっち!」をし、「行ってきます」「すぐ帰るね」と言葉を添えます。タッチをすると子どもの哀しみの根雪は雪解けの陽だまりに換わります。

部屋に戻ってくるときにも事務的にドアは開けません。
必ず「ただいま〜」といいます。黙って凝視している子には「『おかえり〜』って・・・たぁ〜ち!」

「いっ・てき・まーす&いって・らっしゃい」「ただいまー&おかえり」のことばをやりもらいできる人間関係を大切に育んでいきたいです。食事場面では個別への言葉かけの他にテーブルを共にしている仲間全体に対して「たべ・てる・かーい」&「たべ・てる・よー」「おい・しー・かい」&「おい・しー・よ」が育ってほしいものです。会話のひな型は示しますが、押しつけはしません。
コミュニケーションが深まれば『安心』は増大します。

このひと月でかなり泣き声が激減しました。長泣きし続ける子はほとんどいなくなりました。
有り難いことです。毎日出勤するのが楽しい職場です。

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