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2016年01月27日17:46

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愛の欠如、が最も罪深い。

先日「仮面ライダー555」全話鑑賞を完了。
色々と問い詰めたい箇所はあるが、
矢張り素晴らしい作品だった、という
印象。もう、こういう仮面ライダーは
決して見られないのだからね。

で、だ。

そうなると気になってくる作品がある。
「平成ライダー対昭和ライダー」であり、
「仮面ライダー3号」及び「4号」だ。
とりあえず、後者2作は手元にないので、
「平成対昭和」を鑑賞する事とする。

ま、本郷が顔出し出演する、という事で
劇場にも見に行ってたんだが。

「作品としては映画以前、ライダーとしては
最悪」という印象だった。
だが、当時「555」は途中までしか
観ておらず、そのネタバレを映画で
壮絶に食らう、というマイナスも
あった為もあったかなぁ、などとも
思っていた。
何より、「555」本編ラストからの
巧が観たかったから、というのが
最大の理由であったが。

で、観てみたらば。

やっぱダメダメ。

なんでこんなにゴチャつかせるかねぇ?

要らないキャラが多すぎて、誰が何やってる
かもよく分からんし、それだけでは
無い製作側の「ライダーに対する尊敬、
愛着の欠如」が、どうにも辛い。

主役は鎧武の筈だが、完全に場当たり的に
しか動いていない。ディケイド=士だけで
十分(唯でさえ昭和+平成でライダー過多
なのに、鎧武勢も加わる!)で、
バイプレイヤに左翔太郎のコンビしか
必要が無い(絵的にも、物語の進行上も)。
縦糸を鍵となる少年とバダンとの対決に
士と翔太郎を置き、横糸に巧と神敬介の
物語を絡めて、この四人のライダーで
話は十分(つうか、これくらいスッキリ
させないと物語が風通し悪過ぎ)。

怪人もバダン製のみに特化して、
「とりあえず出してみました」的な
テキトーな再生怪人(ジェネラルシャドウに
指示されるマシーン大元帥って何よ?)を
全カット。タイガーロイドというナイス
デザインの敵を主力にすればよろしい。

そう。

恐ろしい事に、この映画に。

鳴り物入りの宣伝がされた本郷猛も、
ネタバレになる為か、知名度の低さ故か、
殆どクローズアップされないZX=村雨良も
「要らない」のだ。

本郷猛の呆れる程の老害ぶりも、
何の役にも立たなかったバダン潜入&幹部
成り上がりの村雨良の無意味さも、
どちらも邪魔でしかない。
本郷の「許すまじ平成ライダー!」の
難癖と、全然作中に出てこない暗闇大使が
実はZXでした、と云われても、全くピンと
こない活動をオミットすれば、出ても良い
だろうが、そうなると「この映画」である
意味も喪われる。

そう、この映画は根本的に主題が
ダメなのだ。

東映伝統のVS物が対決を表しては
いなかったように(例「デビルマン対
マジンガーZ」)、スタトレが
新旧エンタープライズを戦わせようとして
挫折したように、「無理矢理戦わせる」事は
無いのだ。

良き先輩として登場するだけで、
本郷猛は十分なのだ。

「心の弱さ」や「情け」を責めるような
男では、本郷は無い。

後何度、変身ポーズを藤岡弘、が取って
くれるかは、分からない。だからこそ
この愚策に出る本郷猛を、自分は惜しみたい。
現に3人の昭和ライダーの変身は、
どれも鳥肌モノだった(Xは、矢張り
大変身が良かったが)。

だが、この映画に姿を現わすライダーは、
昭和より平成の方が、
余程ライダーらしかった。

ライダー達が、皆「らしくなかった」事が、
この作品の最大の汚点なのだ。

近作である「W」や、貫禄すら増した
「ディケイド」は、その「らしさ」故に
好印象を抱かせた事と正に対照に、だ。

乾巧にもそれは云えた。
「555」の頃より低いトーンになった声や、
少年的だった顔の輪郭はシャープな大人の物と
なっていたが、悩み、惑う姿は
「555」最初期のそれだった。
逆に死んだ事で時を止めた草加の熱演を
引き立たせた、とも云えるが、それでは
「555」のラストシーンは何だったのか?
と云う話になる。
ならば、草加の死霊と遭遇してから悩み癖が
再発、でも十分だった筈だし、自然だ
(ま、その草加も「死者を生き返らせる為に
生者を皆殺しにする」なんて作戦に加担
する奴ではないがね。そんな事したら、
最愛の真里が死んでしまう!)。

ドラマとして良く出来ていた筈のX555の
交流ですら、この体たらくは、キャラの
理解不足以外の何物でもない。

ライダー達への愛着、理解の欠如、ドラマの
構成の難、全てが矢張り初見の印象のまま
であった事は、極めて残念な事だ。

「引くを知る」事を知らなかった
無惨な仕事、だという事の証明でも
あるのだから。
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