豪騎が少し体調を崩したようで、微熱があったために保育園を休んで女房の実家で預かってもらった。
そのため昨晩から魁盛と二人暮らしになり、晩御飯を食べたり風呂に入ったり、時々トイレでお尻を拭きながら 『上手にできたねぇ〜』 と褒めたり、フェレットの 『チョコちゃん』 と遊んだりしながら過ごした。
年子の男児2名というのは世間で言われるが如く、それなりに騒がしく大変でもある。
普段は別段苦にもならないのだが、豪騎と女房が居ないというだけで、こんなにも魁盛が扱い易く静かになると、我が家の日常は意外にも異常と呼べるくらいの非日常空間なのではないかとすら思えてくる。
豪騎は兄貴というだけで常々我慢を強いられ、魁盛も舎弟というだけで我慢を強要される。
いずれも兄弟のみで解決しようとすると、結局力任せに奪い合う事が多く、随分と派手な喧嘩が繰り返されている。
実は自分、これが男兄弟の通るべき道だと考え、大いにやったらいいという思考が根本にある。
結構立派なパンチが炸裂し、相手の顔から鼻血が出ることもあるのだが、小さいうちはこれでいいんだと考えている。
別に乱暴な性格を助長したいわけではなく、自我が芽生えて日の浅い兄弟が、その主張として本能的に攻撃的になることは、男児として当然の行動だと思う。
殴って鼻血が出た相手を何度も目の当たりにしながら、その都度 『兄貴のクセに舎弟を殴ってどうすんだ!!』 とドン叱られ、『お前は弟の分際で兄貴に刃向うな!!』 と怒鳴られ、ヤンチャな倅たちはおっかない父ちゃんに治められていく。
別な場面では女房に分け合うことの美しさ、譲ることの尊さ、それから思いやりや気遣いを分かり易く教えられ、とうとう腕白兄弟もひとつしかない玩具を譲り合ったりできる場面が増えてきた。
最初から譲るという概念を持っている子供がいるのかどうか自分には分からないが、少なくとも我が家の倅らは兄弟喧嘩の果てに、分け合い或いは譲るという、より人間らしく美しいそして尊い行為を体得しつつあるようで、すなわちこれこそが成長そのものなのではないかと親として嬉しく感ずるのである。
そもそも倅たちは遠藤家の男たちで、最初から聞き分けなどが良い訳がない。
それでも親ばかりか、保育園で教えられたり、方々へ出掛けては多くの人々と触れ合い、少しずつ余分な角が取れてきたようにも見える。
何より豪騎は魁盛を大切に思っているし、魁盛は兄貴を追い掛け回すのに必死だ。
二人の性格にはまるで異なる部分が幾つもあり、豪騎は長男として真面目で慎重な傾向が強く、魁盛は次男だけあってデタラメでひょうきんな特徴がある。
物事を深く洞察し、言葉を大切にするのは豪騎の特徴でもある。
そのため真剣に思考する時間が多く、笑顔の時間が魁盛よりも格段に少ない。
対して魁盛は大概笑っていて、何かに拘るということはまるでない。
考えるというより感じるタイプで、そのために判断を誤って痛い思いをする事も多い。
やがてこのそれぞれの性格の違いを通し、兄弟同士で存分に刺激し合ってくれたらいいと思う。
親からすればどちらも愛おしい我が子。
できることならもう一人、今度は女の子を育ててみたいと思う。
魁盛が兄貴になった姿は想像し難いが、きっと益々楽しくなるに違いない。
こればかりは授かりものなので難しくもあるが、それまでは従兄妹と触れ合って元気に育ってもらいたい。
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