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2015年12月31日23:53

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ハロウィン企画特別小説 中編

Mr.&Ms contest


ミス&ミスターコン 当日。

小学生から一般の部まで開催されるその大会は大勢の人達が集まる。
 だがその中でも特に異様な集団が会場である体育館に向かい集団行動で歩いていた。
ザッザッザッザッと歩くその様はまるで軍隊にも見えるが、いかんせん姿が黒いローブで全身を隠している為に男か女かさえ分からない。
 そして、体育館入り口前で彼等は一列に並び、隊長と思われるローブの人が叫ぶ。

ローブ(隊長)「我等ーっ!『いちゃつく奴等をぶっ飛ばし隊』!
 この大会でいちゃつこうとする奴等、全くもってけしからーん!!
 よって、全員ぶっ飛ばーす!」
ローブ(部下)「リア充爆破!リア充爆破!リア充爆破!」
ローブ(隊長)「行くぞ皆の衆!!
 奴等を吹き飛ばすのは我等の宿命だ!
 我等の誇りだ!
 行くぞ豚共!!ご馳走は目の前だ!」
ローブ(部下)「ウオオオオオ!!」

いちゃつく奴等をぶっ飛ばし隊は叫びながら、体育館へ走り出していく。
 彼等の手には何時の間にか武器が握られていた。
 彼等が襲えば体育館など簡単に破壊されてしまうだろう・・・だが、彼等の武器が体育館に届く前に、
 突然現れた巨大な鏡の盾が彼等の行く手を遮り、勢いを殺していく。

ローブ(部下)「な、なんだこの盾は!?」
ローブ(部下)「おのれ、先へ進ませろ!」

ハハハハハハハハハハハハハハ!!
 鏡に映るお前達の姿、なんと滑稽な姿だな!!
 フハハハハハハハハハハハハハ!!

ローブ達の叫びに呼応するかのように、廊下に笑い声が響き渡る。
 そして体育館の屋上から、一人の男が飛び降り、華麗に着地する。

ローブ(部下)「誰だ貴様!この盾はお前の仕業か!」
ローブ(部下)「おのれ、名を名乗れ!」
「良いだろう・・・」

男は、ビシッと格好良くポーズを取り、その名を宣言する。

「我が真名は、スーパーハイパーマスターウルトラアームストロングネオパーフェクト暗黒大魔王!!
 暗黒大陸リトル・デビルズへイヴンを護る、門前不動の魔王!!
 この後ろでは我が親愛なる友と、我が惚れた女が聖戦を繰り広げている!
 不埒な侵略者に、その時間を邪魔させはせぬぞ!」
ローブ(隊長)「く、くくくくく・・・魔王め、我が道を阻むか!
 良いだろう、ならばアタシは!」

ローブ(隊長)はローブを脱ぎ捨て、その姿を表す。
 その正体は、カスキュアだった。黄色いドレスに、右手には巨大なハサミが握られている。

カスキュア「ジャンジャジャーン!
 アタシ、キュートな殺戮兵器、魔法美少女カスキュアちゃん参上!
 アタシの嫉妬道を邪魔する奴はぁ〜っ、
 擦り潰して轢き回して踏み潰して、
 突いて刺して焼いて苦しめて苦しめて苦しみ抜かせて、死こそ幸福と調教してあげる!!」
魔王「やはりお主か、嫉妬する魔女よ。
 随分下らぬ手を使ってきたな」
カスキュア「アハハハハハハ!
 アタシは魔女じゃない魔法美少女カスキュアちゃんだ!
 それに下らないのはあんたも一緒でしょ?
 果心とペアを組めなかった上に親友とあっさり組んじゃって・・・本当はその心がズタズタじゃない?」

カスキュアは左手だけで大きなハサミを持ち、右手を魔王に伸ばす。

カスキュア「あんたもアタシと一緒に来なよ。踏みにじられた誇り、千切られた想い、そんなの全部捨ててさ!
 アタシと一緒に手を繋いで全てを壊して、新しい自分を作ってみようよ!」

カスキュアは魔王に手を伸ばし、魔王はカスキュアに向けて拳を向ける。

カスキュア「お?」
魔王「失せよ、嫉妬の魔女。
 ここから先は選ばれし者達(カップル)の戦場だ。
 ・・・我等(はぐれもの)は入れない」

包帯とぼろ布をぐるぐる巻きにして
それを聞いて、カスキュアはニヤリと笑みを浮かべ両手でハサミを持ち、シャキン
と金属が鳴り響いた。

カスキュア「・・・アハッ。
 アハハハハハハハハハハハ!!
 なら、はぐれものらしく一人きりでくたばりなぁ!」
魔王「フゥハハハハハハハハ!!
 温い緩い小さい狭い狡い愚鈍愚鈍愚鈍!
 愚鈍なる者よ、我こそ貴様に教えなければいけないな!
 我が世界を傷付ける者は、誰一人として許さない!!」
カスキュア「アハハハハハハっ!!
 行くぞ、豚共ォ!!」
ローブ(豚共)「ブッヒイイイイイイ!!」
魔王「来い!!返り討ちにしてくれる!」

『警備員』魔王と『家庭科教師』カスキュアの二人が激突する!!








さて、体育館内もまた別のベクトルで盛り上がりを見せていた。
 体育館内は小学・中学・高校・一般の部のミスコン&ミスターコンを見る為に大勢の客で賑わっていたからだ。

そして体育館のステージには、大量の生徒達が賑わっていた。
 果心は楽しそうに観客達に手を振る。

果心「へぇ、ここが舞台から見た景色なのね?やっぱり素敵だわ。
 ダンスもそう思わない?」
ダンス「・・・すいません、今の俺に話しかけないで・・・恥ずかしすぎる・・・!」

果心とダンスは、コスプレをしていた。
 果心は全身金色のドレスを着ていて、白い刺繍が美しく、金色という派手な衣装でありながら奇抜さより優雅さ、気品の高さを思わせる。
 ダンスは赤と青を貴重にした西洋の貴族が着ているコート、ヴェスト、ズボンを着ている。こちらには金色の刺繍が派手過ぎない程度に施され、西洋時代の若者貴族が着そうな服だ。
 だがところどころボロが出ていて、糸がほつれていたり、装飾ははがれていたりする。

ダンス「これ、手作りか?
 凄いな・・・」
果心「そう、凄いでしょ?
 結構頑張ったんだから」
ダンス「ありがとうございます、果心先生。
 お陰で動きやすそうです」
果心「そう。それは良かったわ」

果心は嬉しそうな笑みを浮かべ、ちらりとリンベルの方に目を向ける。
 リンベルはダンクをじっと見つめていた。
 そしてその傍でアイは辺りを見渡していたが、リンベルに声をかける。

アイ「なあ、そっちは見つけたか?」
リンベル「うーん、見つからないわね」

リンベルはダンスの方に目を向けたまま、静かに答える。アイはポリポリと頬をかきながら、話を続ける。その声はかなりトーンが下がっていた。

アイ「そうか・・・不味いな、小、中、高、一般で集まってるんだ。
 かなり人がいるからユー達を見つけられないな。
 く、ユーめ、一体どんな馬の骨と参加したんだ・・・!」
リンベル「・・・・・・随分、必死なのね。
 そんなにユーちゃんが心配?」
アイ「当たり前だ。
 あいつの親になるって決めたんだからな、どんな奴か見たい、それだけさ」
リンベル「そう、なの・・・」

リンベルはアイの方に目を向ける。
 アイはキョロキョロと辺りを見渡していた。その手に大量のアイスボムを持っている。

リンベル「じゃあ、それは?」
アイ「そりゃ見つけ次第アイスボムでザクッと氷漬けにするに決まって」
リンベル「ちょっとは躊躇せい親バカァ!」

リンベルとアイが漫才をしている間に準備が終わったのか、司会の声が聞こえてくる。

司会『さあみんな準備ができました!
 これからミスコン&ミスターコンが始まります!
 体育館、地下ステージオープン!』

司会が叫ぶと同時に体育館内が少し揺れ始め、ステージが後ろに下がる。
 そして、ステージの下側から見えたのは広大な空間だ。
 体育館に地下があるなど誰も知らなかった為に全員口をあんぐりと開けていた。

アイ「・・・なんだ、これ・・・?」
司会『あ、これはですね。
 校長がロリコングッズを隠す為に作られた空間を我々が改造したんですよ!』
アイ「あの校長・・・」
リンベル「校長は一度刑務所じゃなくて精神病院に連れていくべきだと思うの」
司会『まあ、そんな事は今はどうでも良いのです!(グッズ全部捨てられたし)
 ミスコン&ミスターコンのルールは簡単!
 この『地下王国デビルズヘイヴンコース』を進み、どちらか片方が動けなくなればその時点でリタイア!
 見事ゴールまで着いた男女二人が優勝となります!
 そしてその途中、様々な障害をクリアしなければいけません!
 果たして障害を全て攻略し、ゴール出来る選手はいるでしょうか!?
 そして当然、なんでもアリ!
 激しい戦いが繰り広げられます!』
ダンス「知ってたよ・・・。
 ミスコン&ミスターコンが、マトモな競技じゃないって事くらい・・・」
果心「ダンス?」

果心がダンスの顔を覗き込む。
ダンスはじっとリンベルを見つめていた。

ダンス「前回の運動会でハチャメチャ展開になるのは知ってたんだ。
 だがリンベルは非力だ、正直危険が多すぎる。
 だから、参加するのは危険だと思ってたんだけどな・・・」
果心「ダンス・・・」

ダンスはリンベルから果心の方に振り向く。

ダンス「果心先生、頼みがあります。
 今回、俺は勝利よりアイツを守る為に戦いたい。
 出来れば一緒に・・・大丈夫でしょうか?」
果心「・・・ふふっ。
 なんだ、私の誘いに乗ったのは裏切られた痛みを忘れる為でも当て付けでも無かったんだ。
 ちょっと、見直したわ」

果心は笑みを浮かべた後、右手を伸ばす。

果心「今の私は殿方の踊りに合わせるのが精一杯な意地悪なお嬢様。
 ガラスの靴を履いた綺麗な灰かぶりが来るまでの間、一緒に時間を潰させて頂きますわ」

ダンスは一瞬キョトンとしたが、直ぐに手を伸ばし、果心の手を握る。

ダンス「感謝する、お嬢様・・・で良いのか?」
果心「上々。
 リンベル嬢にもそれくらい言えたら、カッコいいのにね」
ダンス「あいつには、まだあまり言いづらいな・・・」

アイ「・・・障害か・・・。
 リンベル、ちょっとおもいついたんだけどよ」
リンベル「なに?」
アイ「俺達が先回りして障害になり、ユーの悪い虫を倒すっていう作戦はどう?」
リンベル「却下!
 一気に進んで一気にゴールするわよ!」

ダンス「あー、また戦いが始まるのか・・・上手く行くかな・・・?」
果心「きっと上手く行くわよ。
 弱気になってどうするの?」
(私も、やらなきゃいけない事あるしね・・・)
ユー(・・・・・・パパ・・・・・・)

それぞれの思いが交錯する中、司会は長き戦いの始まりを告げる鐘を鳴らしていく。

司会『それでは!!
 第一回『全てのロリィは儂の物だ合戦ウィズミスコン&ミスターコン』、開始ィ〜〜〜ッ!!』
アイ「あのジジィなんてアホな名前つけてんだ!?」

アイのツッコミと共に、勝負が始まった!!


一方その頃、魔王VS魔法美少女カスキュアちゃん。

魔王「芸術的嘘(ライ・アート)!」
カスキュア「キルケプール!!」
豚共「がんばれ頑張れカスキュア様ーー!!」

激しい戦いが行われていた。以上。





さて、場面は変わり、『全てのロリィは儂の物だ合戦ウィズミスコン&ミスターコン』会場。

アイ達はアイスボムを使いながら、ダンスは魔術で上手く敵の攻撃をかわしながら進んでいく。

アイ「凄い戦いだが、やはりあの二人は目立つな・・・」
リンベル「そうね・・・」

ウシロノ「ラーラーラー♪」
ショウメン「ルールールー♪」
ウシロノ「ミスコンも♪」
ショウメン「ミスターコンも♪」
ウシロノ&ショウメン「私(ボク)達が優勝だ♪」

ゴスロリドレスを着た少年ショウメンと、着物を着た少女ウシロノが唄いながら戦闘を踊りながらかわし、トップを突っ張っていた。

だが、そんな彼等の前に誰かが現れる。
ひょっとこの仮面をかぶった変人だ。

「あひゃひゃひゃひゃ!
 良く来たな選手諸君!我は第一の障害、名前は『ポイズン仮面』!」
ウシロノ「何してんのジョン・ヘイグ先生?」
ヘイグ「ち、ちが!俺ポイズン仮面だし!ジョン・ヘイグじゃねーし!
 あひゃ、あひゃ、あひゃひゃひゃ!」
ショウメン「いや、その笑い声でもう・・・」
ポイズン仮面「と・に・か・く!
 第一の障害を越えなければ先へは進めないぞ!
 その恐るべし内容は・・・」
ショウメン「恐るべし内容は・・・?」
ポイズン仮面「内容は・・・」
ウシロノ「内容は・・・?」

ポイズン仮面はそっと試験管を見せる。
 中には赤く輝く液体が見えた。

ポイズン仮面「これを飲む事だ」
ウシロノ&ショウメン「はあああああ!?」
ウシロノ「そ、そんなの飲んだら絶対危険だよ!
 なんか変な臭いするし!」
ポイズン仮面「大丈夫だ!
 まだ誰も死んでない!」
ショウメン「そのセリフで安心できる人はだが、誰もいないよ!?」
ポイズン仮面「安心しろ、これを見な」

ウシロノ&ショウメンがポイズン仮面の後ろを見て、驚愕する。
 そこには数百本の試験管が並べられている。

ポイズン仮面「この中の10%以下は無害だからよ!」
ウシロノ「うぐぐ・・・」
ショウメン「安心して、ウシロノ!」

震えるウシロノに笑いかけるショウメン。
 その手には試験管が収まっている。
 そしてウシロノが止めるより早く、ショウメンは試験管の中の液体を飲む。
 そしてそのまま、数十秒固まった。

ウシロノ「・・・しょ、ショウメン?」

たまらず声をかけるウシロノ。
ショウメンはウシロノの方に顔を向け、ニコッと笑って・・・倒れた。

ウシロノ「ショウメンンンンン!?」
ポイズン仮面「あひゃひゃひゃひゃ!
 b312号は失敗したか!
 さあ次は一体誰が実験体になるかなぁ!」

ポイズン仮面は楽しそうに訪れる選手の方に顔を向ける。
 仮面をかぶってる筈なのに、どす黒い笑みを浮かべているのが良く分かる。

アイ「こんなん試験じゃねぇ・・・ただの運試しじゃないか!
 リンベル下がってな。ここは俺が飲むから・・・」

アイがリンベルの方に顔を向けると、もう試験管を持ちグビグビと飲み干していた。

アイ「リンベルうううううう!!?」
リンベル「ふう、御馳走様」

リンベルは試験管を元あった場所に置き、くすりと笑みを浮かべる。
ポイズン仮面は妙にハイテンションに叫んだ。

ポイズン仮面「あひゃーーーーっ!!
 凄いな!べらぼうに凄いな!
 第一の実験・・・もとい試験はクリアだ!先に進むがいい!」
リンベル「ありがと♪
 さ、いきましょアイ!」
アイ「あ、ああ・・・」

アイとリンベルは二人トップに躍り出る。
ダンスは冷や汗をかいていた。

ダンス「あいつ、なんて無茶苦茶な・・・」
果心「じゃあ私が飲むわね」
ダンス「ま、待った!
 俺が飲む!・・・ただし、魔術『リキッドバリア』」

ダンスが試験管に魔術をかけると、液体が更に輝く。

ダンス(よし、液体にバリアを張れた。
 これで飲んでも暫くは俺の体に影響はない筈だ・・・)

ダンスが笑みを浮かべ、それを隠すようにごくりと飲み干す。
 そしてニカッと笑みを浮かべた。

ポイズン仮面「うむ、試験合格!
 次に進むがいい!」
ダンス「へ、ありがとよ!
 行くぞ果心!」
果心「・・・ええ・・・」

ダンスは走りだし、アイ達の後を追う。
 その後ろで、果心は少し寂しい顔をした。

そして更にその後ろで、中身空っぽミイラが試験管の液体を飲み、白い包帯をピンク色に染め上げてくるくる踊っていた。

ダンク「あれぇー?
 これ俺みたいな存在にもゆーこーなのー?
 ま、いいやおどろーぜー」
シティ「だ、ダンク!しっかり!」
ポイズン仮面「あひゃひゃひゃひゃ!
 残念ながら失格だ!」


そして、先に進んだ者達は更なる驚愕を受けることになる。
 何故なら巨大なロボットが待ち構えていたからだ。

アイ「な、なんだこのばかでかいロボットは!?」
ルトー「ふはははははは!
 第二の試練はこの僕、『クイズ仮面』がお相手しよう!」
アイ「ルトー!お前最近出番無いからって何してんだ!」
ルトー「クイズ仮面だ!
 まあ良いここに来たからにはクイズに答えて貰うぞ!
 問題!」

ルトーの声に合わせ、巨大なロボットがしゃべり始めた。

ロボット「問題!
 月と地球の距離はどれくらいか答えよ!」
アイ「な、なんだそれ!?
 ええと、確か・・・」
リンベル「38万4400キロメートル」

アイが困惑している間に、リンベルはさらっと答えた。

アイ「え?」
ロボット「正解だ。先に進むが良い」
ルトー「・・・エ。
 僕の出番、まさかここで終わり!?
 ちょちょちょまって!まだちゃんと出番あr」トベルト「はいはい、君の出番はここまでだから、しまっちゃおうねー」
ルトー「NOOOOOOO!!」

謎の人物、C・トベルトが出現しルトーはどこかに連れていかれた・・・が、アイはそんな事全く気にしない。

アイ(リンベル・・・?)

リンベルの行動に、不思議な感覚を覚えたからだ。
 だがリンベルはにこやかな笑みを浮かべる。

リンベル「さ、次に行きましょ、アイ」
アイ「あ?あ、ああ・・・そうだな」

アイ達は走り出し、続いてダンスと果心がクイズ仮面の前に立つ。

ロボット「問題!
 『蜃』という妖怪の正体は蛤である!
○か×か!」

果たして、答えは!?
 魔王とカスキュアの対決の行方は!?
 ダンスとリンベルの関係は!?
 答えは、次回へ続く!!
 
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