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2015年05月08日17:24

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名前、名前、名前、君の君の名前

■子ザルの名前は「シャーロット」で変更なし 大分市
(産経新聞 - 05月08日 12:48)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=3&from=diary&id=3406842

今回のこの件。私にはかなり興味深いニュースでした。
いえね。内容は、ばかばかしい側面もあると思うんですよ。
3月から赤ちゃんサルの名前を募集していたらしいので、ひょっとしたら、NHKの朝ドラの『マッサン』人気があって、それに、王女の名前が加わって、公募したら1位になったとは思うんです。この名前を書いて送った人は、よもや、こんな大事になるとは思ってなかったろうな・・・と思うんですよ。

で、私の中では、英紙タイムズの東京支局長のリチャードさんが言った言葉が、全てのような気がするのです。
『一部の日本人は、高貴な人に対する尊敬の念が、英国人よりも凄く強いのかも知れない。』
この言葉が、今回の騒動の全てを物語ってるような気がするのです。

日本の場合。高貴な人・・で思い浮かぶのって、おそらく『皇族』。天皇陛下や、天皇一家になるんだと思うのです。
英国王家は、いっても、人だもの。人の王様。
天皇は違いますもん。天孫降臨で天から降りてくる神様だもの。
勿論、これは、神話の話で、これを“信じてる”日本人は殆どいないと思うけれど、それでも、日本人のDNAには、この「天皇は特別!」感が凄くあるはずなんだ。

多分、この感覚の違いだと思うんだ。

なので、例えば、逆に、愛子様が生まれた直後に、英国の動物園でチンパンジーの赤ちゃんに「AIKO(アイコ)」と名付けられました・・・というニュースがあったら、日本人は「それ、ちょっと失礼じゃね?」って思う人が、今回の事例の英国人より多いと思うんだ。
シャーロットも、愛子も良くある名前・・と言う点では同じだと思うのですが、おそらく、「気分悪いは!」って思うのは、日本人の方が多いはず。
「神様一家の名前、チンパンにつけるんかい!」ってなるから。

この違いだと思うんだよな。人の王と、神様の子孫。

この文化や、思想や捉え方の違いが私には、とても興味深く面白かった。
明治からの近代の皇室は、英国王室をお手本にしたものではあるのだろうけれど、この辺りは、やはり日本古来の独特の思想が入るんだよ・・と。

クレームを入れた人たちは、おそらく、この“高貴な人=神様=特別”の図式を、英国王室にも当てはめて、それで「失礼じゃないか!」ってクレームを入れたんだろうね。

英国人は、何だったら、犬に、自国で有名な武勲をたてた武将の名前や、有名な宰相の名前を付けたりするよね。だから、「何を言ってるのだろう?」って言う感じで、BBCのニュースなどを見ていたかも知れない。それこそ、「うちのワンコ、エリザベスなんだケド・・・。女王様からお名前頂いたんだケド・・・愛国心の表れのつもりで・・・。えぇ〜・・・。」って思いながら、TVのニュースを見ていた英国人もいるだろうな・・・って思って、それを思ったら、ちょっと笑えた。

うん、そうだよね。
人間の王様と、神様一族へは、愛情の現れ方は、ちょっと違うよね。人には親密さ、フレンドリーさの愛情だけでも良いけれど、神様には、畏怖の念・・恐れの部分もないとダメだから。

でも、この高貴な人を尊敬する念が強いって、悪いコトじゃないんだケドね。今回のコトは、たまたま、日本式図式の“高貴な人=神様=特別”を、英国に当てはめた結果、過剰反応になっちゃったけれど。

余談ですが。この天皇一族の歴史とか調べると面白いんだよなぁ。いかに「特別」にしようと頑張ってきたかが分かる。天皇には、蛇の血が入ってるコトになっていたりね。この時点で、もう、人間じゃなく、特別な何かなんだなぁ〜・・って思う。
『古事記』の講義でだったか。講師が「この話でいくと、天皇には蛇の血が入ってるコトになるんですけど、なんか凄いね?」って言っていたのを思い出す。

蛇っていうと、確かに、アダムとイブをだまくらかして、リンゴの実(知恵の実)を食わせた奴とか、安珍と清姫の伝説みたいに、蛇になって追ってくる・・・執念深さの象徴のようなイメージがあるけれど、一方、ウロボロスの蛇は、永遠の象徴だし、叡智の象徴でもあったりするから、そんな意味で、蛇の血が入ってるコトになってるのかなぁ〜・・って思うけれど。
色々調べると面白いと思う。人文科学系の本は高いので図書館で本を借りて読んだ方が良いとは思うけどな!1冊5,6千円、当たり前だし。

今回、おサルの赤ちゃんの名前は、無事、最初のシャーロットちゃんになって良かったですね。折角選んだ名前ですもの。

前述のタイムズの東京支局長のリチャードさんは「シャーロット王女も大きくなって、高崎山を訪れたら喜ぶと思う。」とも言っていた。
いつか、おサルのシャーロットと、シャーロット妃が出会うようなイベントがあって、「そういえば、そんなことあったね。」って、今回のコトが話題に上れば、また、日本と英国の文化や思想の違いを考えるきっかけにもなるし、良いんじゃないかな?と思いました。
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