60代の膵癌の末期の患者さん、女性でした。
「今やりたいことはなんですか」と伺うと、
「道が歩きたいです」と仰いました。
私はびっくりしました。いったいどんな道なんだろう。
日曜日、車でお連れしました。黄金でできた道か、シルクロードか、
バージンロードか・・・何か特別な道がそこにあるのかと思っておりますと、
ありふれたコンクリート道でした。
右に曲がって、そして左に行くとスーパーがある。
そのスーパーで、「主人の好きな酒の肴の材料を買って帰って、料理を出してやりたい」って言うんです。
ありふれた日常、それこそが輝いているんだなっ、ていうことをつくづくと教えられます。
以上は、野の花診療所・院長の徳永進講話集からです。
誰かのコメントですが、次の言葉が書いていました。
『彼方が虚しく過ごした今日という日は
きのう死んでいったものが
あれほど生きたいと願った あした』(「カシコギ」という本)
もっともっと、真剣に毎日を充実させねば、申し訳ありません。
ログインしてコメントを確認・投稿する