mixiユーザー(id:26197080)

2015年01月18日16:09

221 view

批判する人への反論は見当違い

ワンピース作者の言葉


  「ずっと好きな事した方が楽しいに決まっています」


漫画家志望者に向けて、その道で成功した人が、実際に自分がそう思ったことであり、その人としてのアドバイスなのだから、何ら問題はありません。

それに対する批判ですが、作者は「だから必ずなれる」とも言ってないし、「それで漫画家になれる」とも言ってませんので、漫画家志望者に対して、


  “作者の言う事は一理あるが、現実的な視点もきちんと考えよう”


という意図が感じられるものです。


  「好きだけど、成功しなければ辛いだけ」

  「好きな事を仕事にした方が楽しいのは確かに真実だと思う。
   そう出来ている人もいる。
    だがそれでは食えない人がほとんどなのが現実だ」


等は、まさにその理想に対し、それだけではない、叶わなかった場合の代償や、目指す・叶えるには多くの問題があるという忠告です。

そういう意味では、別段、作者の考えを否定するものではないし、本気で漫画家を目指す人には、助言にはなっても、無意味なものではないと思う。


本当に問題なのは、批判に対する反論を行っている人達の言動。


  「本当に好きでやってたらそのうち技術が付いて形になる。
    本当にそこまで頑張った?」


本当に好きでやってたら形になる?断言しますが、

  『頑張れば(努力すれば)必ず叶う(形になる)』

なんて事はありえません。この人の言うような “そこまで頑張った” が “どこまで頑張った” か分かりませんが、好きな事を頑張る事という事は、成功が約束されたようなものではありません。技術が付いて形にした人の多くは頑張った結果だとは思いますが、頑張らなくたって形になる人もいるんですよ。

中学の頃、柔道が好きな男の子がいました。常に一番に道場にきて練習を始めており、本を読んだり試合を見に行ったり、合同練習にいったり、いつも努力を怠らない人でした。柔道歴5年くらいでしたか。

でもその子、試合では万年一回戦負けで、乱取りするときも、始めて半年程の私にも投げられていた、ともて弱い人でした。その人は高校でも柔道部で、大学の合宿にも行ってたんですが、夏休みも部活にはまともに出ていないゲーセン通いの友人に一回も勝てないどころか、柔道を2年程で辞めて、その後数年もやってない人にも勝てませんでした。彼は、大学でも柔道を続けましたが、普通に就職すると同時に柔道を辞めました。

私は、彼が 『本気で好き』 だったと思いますし、『そこまで頑張った』 と思ってます。

社会人になって諦めた彼に、私は「本当に好きだった?」、「本当に頑張ったの?」なんて聞けません。「本当に頑張った?」と聞くこの人は、成功した人の一面だけを見て、そうでなかった人は好きや頑張りが不足していると言ってるんです。この上なく理解の浅い発言で、学ぶべき助言となりえません。


  「この反論って全部負け犬の遠吠えだよね。
    ほとんどの人が諦める、
      それはつまりぶっ倒れるほど好きじゃなかったってこと」


この人もそうですね。好きなことを仕事にできないのは、「ぶっ倒れるほど好きじゃないから」 なんて、それ以外の要因を無視した軽薄な言葉です。

これら批判に対して反論する人達は、そもそも社会の多くは競争によって成り立っていることをご存じないのだろうか。


漫画家を志望して、本当に好きで頑張った人が、生計が成り立つ程の収入を得る仕事とすることが出来るのか?

  出来る人もいる

  出来ない人もいる

私は夢や希望を与える言葉は必要だと思う。

批判(というか忠告)のような言葉も必要だと思う。

ただ、批判した人を批判したいだけの、中身の伴わない言葉は不要だと思う。

好きな事だったのに、ノルマだったり、倒産しない為、売るためだけで顧客のことのみを考えられなかったり、仕事にしたことで、好きなことが嫌いになったケースも知ってます。

現実は競争社会でもあり、ただ生きるということすら、本来は大変なことです。夢という自分に対する大きなメリットには、それなりのデメリットがあることを知るべきです。

楽天的と能天気は異なります。遠くから 「富士山は綺麗だ、いつか登りたい」 と口にしてるだけの人に、困難やデメリット、問題点などは見えません。

そんな人に、登頂経験者が「登った方が楽しいに決まってます」と言い、「ですよねー!」なんて軽々しく半袖、サンダルで登ろうとする人に、夢や希望だけじゃない現実に目を向かせるのは必要なことだと思います。それを「登れなかった負け犬の遠吠え」みたいな無意味な言葉で返す必要性は感じません。


自分の子供が大人になり、漫画家を目指すというなら、私は大いに励まし、協力を惜しみません。ですがそれは、大人であれば、同時に社会人として自覚しなければならない立場も伝えますし、夢が叶わなかった場合どうなるかも伝えた上で、真剣に考えた末の結果であれば、です。


夢や希望というご都合的な事しか頭にない人は、困難にぶつかった時、酷く理不尽に思い、しかもそれを自分の不勉強さだと、自業自得だと思う人は少ないものです。


■ワンピ尾田の「好きを仕事にする」に読者「好きを仕事にできない人がいるから世界は回る」
(キャリコネ - 01月18日 12:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=3231358
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する