日本にこういう童謡があります。
烏 なぜ啼くの 烏は山に 可愛い七つの 子があるからよ」
このことば、実は「詩経」から来ているのです。
「鳲鳩(しきゅう)」と題する詩に、
「鳲鳩 桑に在り。其の子 七つ。 淑人君子 其の義 一なり。其の義
一なれば 心 結ぶが如し」とあります。
こういう意味です。ツツドリ(鳲鳩)が桑の木に止まっている。
その雛が七羽。
(しかし、みなすくすくと育っている。これは、母鳥がみんなを可愛がって、餌を平等に与えたいるからだ。それと同じように)りっぱな人(淑人君子)は、(だれに対するときでも)態度(儀)は変わらない。そのように一定(一)なので、心がぐらぐらしないで、結んだようにしっかりとしている。
童謡は、この詩を踏んでお母さんカラスが七羽を可愛がって、えこひきしないで、愛して育てているという知恵を歌っているのです。
「詩経」の詩の中には、こうした知恵が籠められているのです。
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