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2014年12月30日23:12

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可哀想なのは誰だろう。

母体施設の駐車場周辺に野良猫が住み着いて久しい。
咄嗟に路上へ飛び出してきて車に驚いて右往左往したあげく藪の中に飛び込んで、といった場面にここ半年の間に二度ほど出くわした。
幸いにもまだ轢いてしまったことはないが、警備の人いわく轢かれて死んだ猫の世話をすることが年に何度かあるという。

お客さんと業者の車が毎日ひっきりなしに往来するこんな場所になぜ猫たちは危険を冒してまで住み着いているのだろうと不思議に思っていたが、ある日偶然たまたまその理由が分かった。

いや「理由」ではないな、「原因」と言うべきか。
餌付けをしている人間を見つけた。
何故ここで餌付けをしているのかと訊いてみた。

「だってやっぱり可哀想だし」

何が「だって」で何が「やっぱり」なのかまるで分からない。
想像どおりのがっかりな回答だった。

これがもし仮に「餌付けすることで猫をここにわざと住み着かせて車に轢き殺される姿が見たい」とかいう回答だったらその場で締め上げて警備詰所へ引き渡したかもだけど、性懲りもなく胡乱な漢字三文字で自己満足しているらしき気色悪い大人を前にしてすっかり気が萎えてしまった。
それでも出来る限りのことはしておこう、と気力ひねり出して説得に挑戦。

イ)ここはショッピングセンターの駐車場出入口と搬入口に隣接した交通量の多い場所である
ロ)そういう場所に猫を居つかせることは猫にとっても人間(特にお客さん)にとっても危険なことであり餌付けをすることは誰の得にもならない
ハ)あなたは先ほど「可哀想だから」と仰ったが、その想いを実らせる気が本当にあるならばあなたはここにいる猫たちを全員引き取って自分の家で飼育するべきだ

大掴みに言うとそのような内容で説得を試みたのだが、先方はこっちが全部伝え終える前に謎の言語でわめき散らしながら立ち去ってしまった。

可哀想なのは誰だろう。

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かん-しょう【感傷】
「思考」とは片親が違う兄弟で病弱者。
(アンブローズ・ビアス著 講談社刊「新撰・新訳 悪魔の辞典」より)
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