今後、不定期に深夜アニメ武装神姫を取り扱います

武装神姫についてはこちらを
http://www.tbs.co.jp/anime/busou/special/whats.html


武装神姫は今からおよそ６年前コナミがフィギュアから企画を始めたもの。当時としては本格的な、いろいろなポーズを付けて飾れる可動式素体を採用した画期的なものだった。


ゲーム、オリジナルビデオアニメ、小説などを経てテレビアニメ化され今に至る。
すでにフィギュア生産は終了しているという摩訶不思議な状態でアニメが開始された。


見る人によって好き嫌いがはっきり分かれるが、別にかまわないというくらい開き直った作品だが、妙な魅力を感じたので本格的に取り扱うことにした。


そういえば昔、そんなフィギュア発売されていたよね程度の認識で偶然１話に遭遇し見始めたこのアニメなのだが



開始から１０秒経たずにこの子に私は撃墜される。
史上最速のペースで嫁確定。
うん、私、ちょろいよ。
ちょろいオタクですが、何か？


一見するとぼーっとしながら楽しむタイプのアニメで、○○ちゃん可愛いとか言っていればいいアニメに見えるように作ってある。


だが、何かがおかしい。
一見すると作画は普通くらい。むしろ雑かも。
だが、動きが尋常じゃない。
作画は時折本気を出してくることもある。
なんてことない話に見えるがやたら細かい丁寧な作り。
根底にやたらと濃密なＳＦエッセンスを感じる。
あと、なぜかもう一度見返したくなる魅力があった。
その魅力に３話あたりですっかり脳がやられてしまい、小説は買うわ、アマゾンマーケットプレイスでフィギュアまでお迎えすることに。
実際可愛い。
小説はアニメと違いかなりハード。


結論としては、ＴＶアニメ版は流し見してもいいし、○○ちゃん可愛いのような見方で楽しんでもいいように作ってあるが、じっくり見ていて「各キャラクターが毎回の話の趣旨をやたらわめいて説明してくれる今時の親切な作品とわけがちがう」ことに気付いた。作中、パロディーも見られるが近年のアニメ作品から引用したものがほぼない。昔の名画やドラマなどからというのも異色。


可愛さや萌えで武装し、マニアックなＳＦ要素を巧妙に隠してある。
このアニメ、相当手ごわいというのが感想。
２０４０年代以降の日本を舞台に繰り広げられる、バトルに興味のないマスターのもとで活躍する主人公格の４体の彼女達を始めとした登場キャラクター達は実に微笑ましく可愛くも、いろいろ考えさせてくれるメッセージを投げかけてくれる。


高度な知能を持つロボットが世の中に普及するとどうなるのか。
ロボット側は人間に匹敵する知能があるのにもかかわらず、法律的には人権はない。ただのモノでしかない。彼女達の姿は可愛らしく力強いが社会的には究極の弱者である。そんな中でそれを自覚しつつ人間に不満を持たず高度な奉仕活動をする。そんな矛盾は成立するのか？
人間側は新しい存在の彼女達を受け入れられるのか。彼女達が登場したことで何が便利になり、何に問題が生じ、世の中に歪みが出ているのか、そういったことがしっかり描かれてあったのだ。
退廃的な未来になっていて人間に反旗を翻し、人間とロボットが互いの存亡をかけて戦っている、そうなる前の危なっかしい平和を描いているようにも取れる。


人間の補佐として活動するパートナー、神姫。
そんな彼女達を戦わせ、人々は熱狂した。


よくよく考えれば、人間に奉仕させるだけでは飽き足らず、さらに人の欲望を満たすため、ロボットが戦わせられるというのもおかしな話だ。高度な知能を持つ彼女らはマスターを満足させるため戦う。そういう本能を付けられている。もし戦いたくないのに戦わないと壊されるという恐怖から逃れるために戦っているロボットもいるとしたら？そういうのもいないとは限らない。


互いの絆を深めうんぬんという話はよくあるが、そういった美談はあくまで人間の視点から見たもの。バトルから少し距離を置いた作品にしたことで、矛盾を浮き立たせることに成功している。


テレビアニメ版は普段は穏やかな日常の中で起こる困難を平均１５センチくらいのロボット少女達が力をあわせて乗り越えていく。マスターの笑顔のために。


マスターは学生である理人。バトルは危険だし興味がないという。
学校に出かけている間、彼女達はどうしているのか。
その様子を覗き見するようなアニメだ。
もっと変わっているのがマスターの描写で、何でも出来るというタイプではない、むしろ一部除いて大抵のことがダメという。しかも彼は普段は主人公というわけではない。


そのなんてことない作品の中に描かれた、隠れている部分を私なりに扱ってみようと思います。
期待しないでお待ち頂きたく思います。