続きました。
登頂、といっても正直なんだこりゃ？です。今まで見たピークで一番ショボイんじゃないか？何か四阿山に続くトレイルの途中に表札がポツンとぶっ刺さってる感じ。そして虫！虫！虫！！虫ですよ、何かよくわからん羽虫みたいの。雨が降った後で一斉に孵化するタイミングに当たったのか？もうin the 蚊柱！状態。口空けると虫が入ってくる。一応山頂でお昼食べる予定だったので、持参したコンビニおにぎりをモグモグするも、虫を払いながらの作業。さっさと食べないと白いおにぎりが羽虫だらけでゴマおにぎりになる勢い。
「味噌汁くらいは」と思い、一応バーナーとコッフェルを持参してきましたが、とてもそんな余裕なし。まず乾いた場所がどこにもなく、座ることが出来ない。荷物も泥になるので、足の甲に置く始末。景色も何にも見えない。ただの尾根道の途中、といった景観で、あたり一面藪ですよ。
そうこうしているうちに真っ黒な雨雲がこっちに流れてきているのが見える。これはヤバイ！「来た！ッ撤収！」大急ぎで荷物をまとめ、下山開始。頂上にいた時間は約10分。水の少ない道で時間を稼ぐため、かなりの早歩きで来た道を引き返す。下にはまた別の雲。一応2000m以上の標高があるので、途中停滞している雨雲に突入するわけ。そして後ろからもものスゴイ雨雲が追いかけてくる！
上から見えた雲の中に降りて行く。ガスで何にも見えない。雨ではないが霧雨に近い霧の中を黙々と進む。そしてポツポツとついに雨が降ってきた！「始まった！レインウェア装着！」ってことで、大急ぎでザックを降ろし、ポンチョを取り出す。昨年の妙義の時に買ってから一度も使っていないポンチョ。ついに使う時が来た！ザックを背負い、全てのストラップを締め、上からポンチョを被る。雨脚が強くなってきたぞ。
出発時、自分はロングゲイターを装着して登りはじめたが、だーたかさんはレインパンツを履いて行動開始。レインジャケットを着てザックカバーをつけて万全の体勢。だーたかさんもストームクルーザーの上下を着るのは山では今回初めてとのこと(だーたかさんは普段家で雨の日に庭仕事する時などもストームクルーザーを着てるそう)。もう1名、くりぼうさんはレインジャケットのみでレインパンツはなし。
レインウェアを出してから約20分。雨脚が尋常じゃないレベルになってきた。どうやら後の雨雲に追いつかれたらしい。都内だったら「ゲリラ豪雨」と呼ばれるホースで水をかけられているかのような土砂降りの雨！視界が悪い。前が何にも見えない。登山道の後からまた川のように雨水が流れてくる。
樹林帯を抜け出し、木道に到着。慎重に歩くも、焦りからかメンバー全員滑って転ぶ。幸い後ろ向きに転倒したため、ザックがクッションになり誰も怪我は無かった。ここいら辺から先頭を行くくりぼうさんとの距離がどんどん離れて行く。
野地平の分岐まで戻ってきた。ここから駐車場までは約1時間。くりぼうさんの姿はない。だーたかさんと二人で黙々と歩き続ける。東に向かって歩いているので、太陽が浦倉山の反対側に隠れた瞬間、一気に辺りが暗くなる。雨と霧で視界が悪い中、日が落ちて暗くなり本当に何も見えない。足元だけを見ながら下山ルートを急ぐ。こんな天気の日に山に入る人はおらず、そういば行きも誰ともすれ違わなかった。帰りも誰ともすれ違っていない。時間的におそらく、くりぼうさんはもう下山しただろう。多分この時間帯、この山域にいるのは自分とだーたかさんの二人だけ。なんだか無性に不安になってきた。
途中何度も後ろを振り返ってだーたかさんがそこに居るのを確認する。二人で歩いているつもりで、気づいたら実は一人だった、って想像すると怖くて怖くて。木の階段をどんどん降りる。が、途中でふとイヤな予感が。
「だーたかさん、行きさ、こんな道通ったっけ？」
「え？マジ？」
「どっかで分岐間違えてないか、うちら？くりさんもいないし」
慌てて地図を出して確認。防水のマップケースがこんなところで役に立つとは。
「野地平まで戻る？」
「いや、完全に日が落ちるまでに樹林帯を抜けた方が安全でね？一応ライトはあるけど」
「そうだな、取り合えず進むだけ進むか」
心配性な自分は例え高尾山だろうと、ツェルトやサバイバルキットは必ず持って行く。エマージェンシーブランケットやヘッドライト、ロープなどもだ。今回はバーナー類もあるし水も食料もある。ビバークは問題無いとはわかっているのだが・・・。不安だ。
頭をよぎる「遭難」の二文字。暗い・雨・霧、そしてこの山域には二人だけ。道迷い？
焦燥感を抑えつつ、藪の中を歩き続けると、出た！ゲレンデに！行きに見た標識もちゃんとある。ガスで視界はゼロだが、ゲレンデを下り続ければ駐車場につくはず。と思った瞬間、ピカッ！！間髪入れずにドドーン！！おっ始まった！雷だ。しかもかなり近い。よりによって遮蔽物の何もないゲレンデに出たとたん、落雷！怖いよ、恐い！道に迷ったかと思ってホッとしたのもつかの間。今度は雷か。これはヤバイ。
ガスで霞む先に車のシルエットが薄っすら見える。だだっ広い駐車場に1台だけ停めてある車。走る、走る、走る！だーたかさんも自分も車に向かって走る。トレッキングポールは落雷の危険性があるの縦方向には持たず、横持ちにして車まで走る。
16:30、予定より1時間半遅れで駐車場に到着。下山完了。うけもち登山部顧問の梅さんが他のみんなを宿に届けたあと、うちらを一人で車で向かえに来てくれていた。くりぼうさんも既に車内にいる。よかった、無事戻ってこれて。
そして最近の雨具はホントによく出来てる。あの豪雨の中、全然濡れていない。そして蒸れてもいない。山でポンチョはダメと散々言われたけど、風さえなければあの土砂降りの中でも問題無かった。膝下まであるロングゲイターと組み合わせれば、基本、手以外は濡れないということが証明出来たですよ。雨具の高性能を実感しつつ、ステップワゴンのリアゲートを庇にしてポンチョを脱いでザックを降ろし、荷台に積む。ゲートをしめて横から車に乗ろうとしたわずか3秒間！せっかく土砂降りの中ドライキープで下山出来たのに！ずぶ濡れになってしまったでござる。
やれやれ。
駐車場から今回の宿泊地である千代田区の保養所、「嬬恋自然休養村」までは車で5分もかからない。昨年の湯の丸山山行の時に泊まった場所だ。土砂降りの雨が降りしきる中、積んできた酒やら何やらをバケツリレーの要領で車からどんどん降ろす。野地平周回組も四阿山登頂組も既にひとっ風呂浴びてもうビールで寛いでいる状態。ウチら3人、浦倉登頂組だけ大幅に遅れてやっとこさチェックイン。
一息つく前にやることがある。まずは泥だらけのゲイターを洗面所で軽く洗って、同じく水洗いしたトレッキンググローブと一緒にO.D.ガベッジバッグにイン。ロールアップの完全防水だから、中のゴミを抜いてしまえば普通にドライバッグとして使えてとても便利。ポンチョは背中側の内側が泥はねが凄く、葉っぱやら枝やらが大量に付着。雑巾で拭き取って外側も水滴を拭き取り、部屋の中に干す。ここまでしてようやく浴衣に着替え、ビールでひと心地。
ほどなく夕食となるが、今回食事時の酒は極力控えよとの指令。前に書いたけど、ここの保養所は敷地内に常設テントのキャンプ場があるのね。んでもってキャンプファイヤーサイトがあって、他のキャンプ客がいなければ使ってもよいですよ、と。雨も上がったし、メシ食ったら持参した酒と椅子を持って各人キャンプファイヤーサイトに集合。途中の店で調達した薪を3束、キャンプファイヤーっぽく井型状に組んで焚き火スタート。いい感じで酒も回り、火が消える頃、また雨が降り出したのでみんな宿に撤収。自分は風呂入ってそのまま就寝。
朝。メシ食ってチェックアウトして近くの立ち寄り湯に。温泉で改めて前日の疲れを癒して各人、帰途につく。
今回の山行は非常に勉強になることが多く、経験値アップと言う意味ではかなり有益でした。普通なら悪天候であーあ、なんだけど、比較的安全な低山でこれを経験できたのはとてもよかったかな、と。
さて、来週はいよいよ富士登山でござる。
■写真解説
�〔襪肋鐇潺謄鵐箸離�ャンプサイトにあるキャンプファイヤーを使ってもよい、とのお達しが出たので、途中の買出しで薪を3束ほど買って、ちょい大きめの焚き火(キャンプファイヤーと呼べる規模ではない)。揺らめく炎を見ながら飲む酒は最高！の一言。ですが、やはり早起きによる寝不足と日中の山行による疲労は隠せず、程よく酔いが回ったあたりでおとなしく撤収、就寝となりました。
��帰りに立ち寄った温泉「つつじの湯」。とても良心的な値段(銭湯に毛が生えた程度の価格)でびっくり。露天風呂に浸かって疲れを癒す。
��「つつじの湯」の休憩処にあったエロ本。ここの休憩処にはかなりの量の本がおいてあり、漫画なんかも多数ある。その中にまぎれていたエロ本をたまたま発掘、したのならまあいい。そうじゃないんだよ。この手のエロ本が本棚にかなりの量格納してあるの。探さなくても普通に出てくる。家族連れとかも普通に利用しているようだけど問題にならないのだろうか。とっても不思議。
■装備関連
��Lowe Alpine/ロングゲイター
⇒昨年の妙義の時に、Lowe Alpineはショートのゲイターを買ったのだが、結局使わずじまい。ポンチョと組み合わせて雨具として使用するとなると、膝下までないとダメだろう、ってことで購入。今回は悪天候の中の山行となり雨具としてパンツの汚れ防止用として、このロングゲイターは大活躍しました。
��mont-bell/マップケース
⇒防水のマップケース。今回は正直地図なんて必要ない山行だったのですが、一応マップケースを買ったので地図を入れて行きました。もの凄い雨だったので、もし本当に地図を見ながら進まなければならないような状況だったら、きっとこいつも大活躍したことでしょう。
��mont-bell/O.D.ガベッジバッグ
⇒前回の雲取山登山での一つの反省点。それがゴミの持ち帰り問題でした。普通にコンビニのビニールを使ったのですが、食べ物系のゴミだと臭いが出るとか、汁がつくとかいろいろあり、ゴミ袋はザックに外付け。短時間ならこれで問題ないのですが、ゴミ袋をザックにプラプラさせたまま長時間の山行となると、袋が擦れて穴が開いてしまうという事態が発生。この外付け専用のゴミ袋はロールアップ式の完全防水。臭いの出るゴミを入れても大丈夫だし、汁物も外に漏れない。逆を言えばそういう完全防水の作りだから、ゴミがない時は小さめのドライバックとして使える。今回は雨の中だったのでゴミを濡らすこともなく、性能確認が出来ました。
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