mixiユーザー(id:8306745)

2012年04月20日17:42

46 view

はいは〜い、お爺ちゃんがこれから繰言を述べま〜す。

ヴィジュアル系名曲1位に金爆、「カラオケでは絶対外せない」の声。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1992321&media_id=84

いやね。

分かってはいるのよ。
もう、今云われる「ヴィジュアル系」ってのが
自分の知っている「それ」ではない、ってのが。

だから、このニュースを開く時も、
「どうせ知らんバンドばっかだろうしねぇ」と
冷笑気分だったのだが。

何と何とXが、『紅』が、二位。

正直びっくりだし、正直嬉しい。

それで勢い余って、80年代後半から90年代前半までの
ヴィジュアルシーンしか知らないにも関わらず
お爺ちゃん、繰言述べちゃう。

やはりねぇ。

「名曲」と「カラオケで盛り上がる」は
完全に別物でしょ?
盛り上がらなきゃ駄目、って発想は
ヴィジュアル系においてもXが完成させた
「魂見せろ」だの「裸の付き合いしようぜぇ」だの
「おしゃまさんしてんじゃねぇ!」(笑)だのという
『ライヴは、音楽は一緒に作りあげる物』な発想が
根源にある。

精神論と地方発ヤンキー文化が物の見事に
融合したキメラとして音楽シーンにその花を
咲かせた訳だ。

以降、そういう「気合だ気合!」な
「元気な地方ヤンキー」達のパラダイスとして
LUNA SEA、ピエロ、ディルなんかが継承していき、
シーンそのものは無くなりはしないものの、
固定化安定化されて豊かな土壌が形成された。

そして、豊かな土壌はやがて畸形を産む。

最初の仇花は「ヴィジュアル内ヴィジュアル否定」の
ラルクの台頭。

次に「ヴィジュアル系の極北の追求にしてその完成」
マリス・ミゼルの登場。

それから間もない「地方発ヤンキー文化リミックス経由
カラオケ行き」の氣士團のブームにより。

そもそもキメラとして産まれたヴィジュアル系は
「更なるキメラの登場」によりその命脈を閉じた。

今回のランキングの一位となったゴールデンボンバーなど、
そう云った意味では「キメラである事を存在理由としたジャンルに
おける正しい文脈に則ったキメラ」であるから、別に
こうした結果が出るのもおかしな事ではないのだろう。

だがしかし、だ。

ヴィジュアル系には「地方発ヤンキー文化」のみが
内包されているのではない。

隠花植物としての暗い面影も持つ。

そもそもヴィジュアル系の始祖を
ブリティッシュニューウエーブ達に
求めれば、それは容易に知れる。

デヴィッド・ボウイ、ジャパン、バウハウス・・・

ユニセックスであろうとし、被害妄想
迫害妄想に駆られ続け、その過剰な
防衛としてメイクをし、奇抜なファッションで
身を包み、変なダンスを踊ったこれらのバンド、
ミュージシャンの精神性は、当然偉大な
手本として日本にも伝わっていた。

デルジベット、DEAD END、BUCK-TICK・・・

これらのバンドの退廃性は最早今求められる
明朗さ健全さ、分かりやすさ盛り上がり易さ、とは
全く縁がない。

だが、「だからこそ」盛り上がったシーンもあったし、
それを救いとした少年少女たちも、ある程度の数、
いたのだ。

そして、『究極のキメラ』として図書館発文通経由
美学行きの少女たちと、地方発ヤンキー経由暴走族行きな
少年たちのどちらも引き受けて正面突破で突き進む
X(つうかYOSHIKI)という怪物がシーンを大いに
沸かすのは、上記の通り。

だからね。

「気楽にヴィジュアル系なんて云うなよ、お若いの」と
お爺ちゃんは今日ものたまう訳だ。



つう事で個人的ヴィジュアル系名曲ランキング

1位『Silent Jealousy』 X
・・・個人的に「完璧な楽曲」。何時、なんどき、如何なる状況で
聞いても最高の名曲。

2位『Wish You Were Black』 Japan
・・・炸裂する被害妄想。「君が黒人だったらいいのに」という愚かさ
紙一重の無邪気な憧憬とヘナチョコサウンドの融合が堪らない。

3位『African Night Flight』David Bowie
・・・ヴィジュアル系、の括りからは外れる時期かも知れないけれど、
ボウイの底知れない音楽への貪欲性とイーノの無機的な才能が
がっつり組んだ名曲。アフリカン、というキーワードから早過ぎる
ラップへと到る先見性ときたら。

4位『MISTY BLUE』BUCK-TICK
・・・デカダンス、というのがヴィジュアル系の重要な
キーワードだった時代、というのがあり、その体現がこの曲。
大サビを一回しか演らないストイックさも素敵。

5位『憎みきれないろくでなし』沢田研二
・・・え?彼以上の「ヴィジュアル系」なんてこの世に
存在しないでしょ?日曜昼という牧歌的な時間帯に
「クイズ・ドレミファドン!」なんて微温的な番組で、
ものごっつい「妖艶さ」や「エロ」「退廃」を持ち込んだ
勇気と度胸に敬服を。
11 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する