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2011年10月10日23:00

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八九寺真宵に花束を。

『鬼物語 しのぶタイム』 西尾維新著 読了。

稀代の名プロデューサ、八九寺Pの
信じたくない退場話。

でも、これが西尾維新だよなぁ、と
読了後、しみじみと感心してしまったり。

戯言シリーズの頃から、「萌えキャラこそ殺す」
「キャラだ立ってきたら退場させる」という
容赦ない姿勢こそが西尾の西尾たる由縁で。

そんな西尾維新が彼自身恐らく
大好きだったであろう八九寺真宵という
よく口の回るロリ小学生少女の退場に
描いたシーンは何とも何とも。

美しかった。

『物語』シリーズセカンドシーズンは
一筋縄ではいかず、時系列もバラバラ、
語り手も一定ではなく、しかもサブタイトルに
採用された登場人物が主役格になる、という
訳では必ずしもない、というややこしい構成
なのだが。

それがここで完全に十全に花開いた、と思う。

前々作『傾物語 まよいキョンシー』が
八九寺の物語と思わせておいて忍の話だったように、
今作は忍野忍フィーチャかと思わせておいて、
八九寺に捧げられた物語だった。

そして。

「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」

で『まよいマイマイ』に措いて登場した八九寺の
退場の言葉は、

「大好きでしたよ、阿良々木さん」

と見事な対になっている(このそれぞれの
台詞を云うタイミングも、前者は八九寺が、
後者は暦がベンチから立ち上がって、と
対になっている)。

あまり小説で技巧的な事をしない西尾だが、
この八九寺という稀代の名プレイヤの退場には、
持てる力の全てを注いだ、という事なのだろうか。

まるで花束のように。

素晴らしいラストだったからこそ、
寂寥感が堪らない作品でした。

次はいよいよ完結の「ひたぎエンド」。

どのような物語になるか、恐れつつ待とう。

ん?

サードシーズン?

そりゃああるだろうよ。
そうなったら、当然八九寺再登場も、だなぁ(ry

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