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2011年02月20日09:06

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「ファンタジー」は駄作の最後の言い訳

 「愛国心は悪党の最後の隠れ家」と言ったのはサミュエル・ジョンソンでしたか。

上野樹里、NHK大河の演技に批判続々…視聴率も苦戦
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1508686&media_id=43

 「ファンタジー」を持ち出しているのはスタッフでなくてコラムニストなので、そこは厳密に区別しないといけないのですが、とにかくストーリーは一定の因果律に基づくものでして、これを踏み外すとストーリーそのものが成立しなくなります。
 因果律については現実の世界に準じるのが読者にも受け入れやすく、これを用いるのが一般的ですが、作品のテーマによっては特注品を用意することもあります。現実世界とかけ離れた因果律が適用されているストーリーは一般的に「ファンタジー」と呼ばれますが、現実から外れれば外れるほどその設計には綿密な検討を要するようになります。
 ところが、とりあえず現実の因果律とは別物であるという点では似ていますから、この「特別に作成された因果律」と「単純に失敗した因果律」しばしば混同されがちです。成功と失敗の見分け方はさまざまですが、うまくいった場合には具体的な特長が語られるのに対し、失敗した場合は「ファンタジーだから」で片付けられることが多いといえます。

 記事のなかで、「今年の大河は“ファンタジー”として見るべし」という一節がありますけど、表現に窮したというべきか、これはもうおおやけに「今年は失敗です」と言ったようなものです。『江』は未見なので私には判定ができないのですが、因果律がきちんと構成されているにも関わらずこう評したとなれば、今度はコラムニストの読解力に疑義が呈されてくるわけでして、いずれにしても「あちゃー」という感じではあります。

 現時点のヒロインがティンカーベルというのも、うまいこと言っているつもりなんでしょうけど、よくわかりません。

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