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2010年09月13日19:41

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同窓生の溜まり場の洋風酒場

(8月14日(土)(コミック・マーケット)の出来事)
 今日の丸美先生は、中学校時代の同級生で溜まり場になっているという洋風酒場に行く。
 溜まり場になっているといっても、ここ数カ月の事らしい。
 店の事は、8月11日(水)に会った男子に聞いた。
 19時頃からと言うので、その時間に合わせて、電車でも歩いてでも行けるが、いつもと違ってバスとしてみる。
 敬愛する宮脇俊三先生の汽車旅随筆に、こんな場面が登場する。
「地方都市では地域社会の規模が小さいから、カウンターの中のバーテンと止まり木に坐っている客が高校時代の同級生であったりする。(中略)端の方でぽつねんと彼らのやりとりを聞いているのもわるくはない」(「終着駅は始発駅」(新潮文庫)より)
 丸美先生も、ようやくこんな店が持てるのかなと思った。
 本当は、もっと近くの、韓国の店にしようとも思っていたのだ。
 携帯ラジオでプロ野球中継を聴きながら行く。
 ニッポン放送( 1242kHz)・受信記録(17:55〜20:00)。プロ野球「タイガース対スワローズ」(大阪ドーム)。実況解説(大田元投手、ほか)。雑学(スワローズはオールスター・ゲーム後13勝2敗。川端選手の妹は女子プロ野球選手、ほか)。クイズ(今晩勝つとスワローズは何連勝か、ほか)。提供(JR東日本、ほか)。SINPO=55555。
 見慣れている筈の街の灯が、旅先のように、いつもと違って見える。
 19時15分頃に店に入ると、女社長さん一人がいるだけだった。
 止まり木に座り、事情を話すと、同級生たちは、21時頃にならないと集まらないらしい。
 と、書くと簡単だけど、つい、
「同級生の集まり」
 と口にしてしまったため、女社長さんは最初、丸美先生の姿格好から見た年齢層を想像したらしい。
「そんな人たちは、いませんね」
 と、困った顔をした。
 同級生どうしで来ている人達はいる事はいるけれども、貴女より、ずっと上の年齢の人達だと言うのである。
 丸美先生は、幼くて甘ったるい顔をしているので、どうしても、こういう事が発生する。
 近く、大掛かりな同窓会が計画されている事などを話し、ようやく同級生である事を信じて貰えた。
 それでも時間があるので、丸美先生はグラスを傾けながら、イヤホンを取り出して、プロ野球中継の続きを聴く事にした。
 幸い、この店では電波が入った。果たして、タイガースは勝っているのか。負けているのか。
 しかし、丸美先生は、続きを聴く事は出来なかった。
 女社長さんが営業で、いろいろお話しして来るからである。
 これは、ラジオなんかを聴こうとした、丸美先生が悪い。
 そうしているうちに、同級生が集まって来た。
 といっても、丸美先生を含めて5名である。
 下書き原稿の段階では、地名と同級生の年齢にちなんで、流行りの「AKB48」みたいな名称を付けていたのだけれども、本原稿では省略とする。
 宮脇先生の随筆にあったような世界はたちまち終わってしまい、カラオケの時間になった。
「あなたの夢をあきらめないで」
「野に咲く花のように」
「守ってあげたい」
「冷たい雨」
「赤いスイートピー」
「やさしさに包まれたなら」
「かげりゆく部屋」
 といった、主に荒井由実さんの歌が歌われた。
 ピンク・レディの歌も出たと思った。
 松田聖子さんの「赤いスイートピー」が荒井由実さんの歌である事を知っている人は少ないので、女子の間でマニアックに盛り上がったりもした。
 そうしているうちに、時計は24時を過ぎようとしている−−。
( 400字4枚 1/2)
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