出光美術館でやっている『日本の美・発見�供，笋泙罰┐良茵戮箸いθ�術展を見てきました。
チケットは、毎度お馴染み新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん、いつも有難う〜。
因みに。やまと絵と言うのは、漢絵・唐絵（中国の絵）に対して言われた言葉で、「これが、やまと絵だ！」と言うハッキリした定義（主義や技法など）はないそうです。日本の風景や風俗を描いている絵が、だいたいやまと絵・・・くらいの感じみたい。あとは、絵描きさんが勝手に名乗っていたみたいよ。「私は、やまと絵を描きます。」って。なので、浮世絵師は自ら「やまと絵の継承者」と名乗ったりしていたみたい。
面白かった絵をザックリ紹介。
菱川師宣『立姿美人図』。ふっくらした顔の美人が、緋色の着物を着て、秋草の中に立っている。帯は御所車の模様。どうやら、コレ、“源氏物語”の六条御息所の“野々宮”の場面をインスパイアしてるんじゃないか・・・とのコト。御所車や、秋草がそうらしい。
今回嬉しかったのは、岩佐又兵衛の絵が３点見られたコト！
私、又兵衛さんは、“常盤絵巻”のような、血みどろ絵の方が好きなのですが（あの絵、凄いよね。だって、義経「ヤッホ〜！」みたいな感じで、嬉々として相手方、縦真っ二つに斬ったりしてるじゃん。横真っ二つは良く見るケド、人間の縦真っ二つって、あんまり見ないよねぇ）、今回は血みどろ絵はなかったです。あったのは『職人尽図巻』と『野々宮図』と『在原業平図』の３点。
『職人〜』が特に気に入りました。七福神大集合。童子と戯れる布袋様。華麗にステップを踏んで踊る大黒様。横では寿老人が、鯛を抱える恵比寿様に何か指示出してる。凄く面白い絵だった。漫画みたい。
『野々宮図』は、墨で描かれた絵。前述の六条御息所の場面ね。源氏がお稚児さんを連れて、どうやら御息所のコトを思い描いているらしい。
『業平』は、そのまま業平さんの絵。コレは彩色です。
又兵衛さんの絵って、特徴があるから「あ、又兵衛さんの絵だ！」ってすぐ分かって面白いね。顔が長くて（てか、顎のラインが長い）、身体を弓なりに描くの。こういう描き方が好きだったのかなぁ。
英一蝶の絵も結構ありました。私のお気に入りは『桜花紅葉図』と『四季日待図巻』。
『桜花〜』の方は、双幅の軸で、右には、桜と飛ぶ燕が描かれていて、左には、紅葉と枝に止まる鶺鴒が描かれている。小鳥がとても可愛いです。
『四季〜』は、行事を描いたモノ。当時、日の出を拝む『日待ち』という行事があったそうで、徹夜で宴会して、日の出を待つ・・・という、ちょっと“庚申の日”みたいな行事があったらしい。
で、それを描いたモノ。弓遊びに興じる人、碁を打つ人、お酒を飲む人、山伏は祈祷している。英さんは、理由は良く分かってないのですが、三宅島に流罪になってしまったコトがあるのです。所謂“島流し”ね。で、この絵は、その流刑時代に描かれたモノらしいです。絵の具とかどうやって調達したんだろう？？三宅島にも絵の具はあったのかな？
やまと絵と漢絵の違いで、やまと絵は均一な線で柔らかく描く。唐絵（漢絵）は、強弱を付けた線で描く・・・という違いがあったらしい。
次は絵巻物の世界。絵巻物は、物語だから見てて楽しい。
『絵因果経』。奈良時代のモノ。お釈迦様の人生を描いたモノだが・・・私、一体、何回絵因果経見るんじゃ！（笑）行く美術展、美術展にあるような気がするぞ、絵因果経。それだけ当時、沢山作られたのかも知れないね。文字は漢文で漢字だらけだけど、なんとな〜くなら読めるよ。楷書で書いてあるから。あと、絵があるから分かる。奈良時代なのに、綺麗に絵の具が残っているねぇ〜。
『小柴垣草紙絵巻』。作者不明の鎌倉時代のモノ。御簾の隙間から軒先を見つめる美女。どうやら、男性を待っているらしい。
この巻物、以降、男女の交わりの様子が克明に描いてあるらしい。どっちかって言うと、その交わりの方を見たかったケド、美術展だと、それは見せてくれないらしい(^_^;)。ケチ〜（笑）。
因みに、建春門院が、16歳で嫁ぐ姪の平徳子（建礼門院）に持たせた・・・という説があるらしいよ。叔母さんが「オマエは、まだ若くて、セックスのやり方も知らないから、コレ持ってお行き。」ってなコトだね。つまり、この絵巻物は、鎌倉時代の、セックス・HOW TO本なんだね。現代で言うと、加藤鷹さんが書いた本のようなモノだな。
今の子は、ネットでセックスの知識なんかバンバン仕入れられるケド、鎌倉時代じゃそうもいかないもんなぁ〜。こういう絵巻物が大事だったんだろうね。
『福富草紙絵巻』。御伽草子の話を元にして描いた絵巻物。作者不明の室町時代のモノだよ。
お話は、放屁の曲芸で財産を得た高向秀武とそれを真似て失敗した福富の物語。福富は、中将の前で、粗相をして（多分、ウンコ漏らしたんだと思う。おならだけしようとしたケド、それが失敗して粗相したからね）、家臣に打たれて血だらけで家に帰る・・・という絵なんだケド・・・。
何も、屁を失敗したくらいで、血みどろになるまで棒でバシバシ打たなくても良いと思うんだケド・・・・・・。偉い人の前で、うんこ漏らしたのがいけなかったのかなぁ〜。
凄いのは、血みどろになった福富を、町の皆は笑って見てるんだよ。子供とか「や〜い。失敗してやんの〜」みたいな感じで、囃したててる(^_^;)。
血みどろの人間を笑うか、普通。まぁ、室町期は、今よりずっと死や血が身近だったから、この程度は爆笑ネタなのかも知れないケドね。今のTVじゃ、血はNGだよ〜。
屏風もありました。
気に入ったのは狩野探幽の『源氏物語 賢木・澪標図屏風』。
私、狩野派の絵ってあんまり好きではないのですが、何故か探幽だけは好きなのです。柔らか〜い感じがしてね。
右隻には秋草の野々宮。六条御息所が部屋にいて、御簾から光源氏が榊を差し入れている。御息所がつれない態度をとるので、榊をプレゼントして、ご機嫌とろうとしてるらしい。門のところに、御所車があって、お付の人達がいるんだケド、凄く暇そうな顔してるのが可笑しい。「あぁ〜、もう旦那、早くやってくんないかな？」そんな感じで待ってる（笑）。
左隻には住吉に来た源氏一行。舟が浮かんでて、そこには明石の君がいる。明石ちゃんが舟から源氏一行を見てるってコトなんだろうね。
他、この企画展とは無関係に、焼き物の展示があるのですが、唐三彩のミニチュアハウスが可愛かったです。唐三彩って焼き物があるんですよ。唐の時代に三色(緑、茶、土色）で作ったから唐三彩って言うのかね。で、これで作った家が可愛かったです。多分、置物。家の中に女性がいて、それも可愛い。
そんな感じでございました。
他にも、江戸名所屏風があったり楽しいので、やまと絵がお好きな方は行ってみるのも一興かと思います。
お土産に、仙崖さん（江戸期の禅僧。絵が凄く上手い）のクリアファイル買っちゃった。可愛い。
帰りに、帝劇の地下の食堂に行ったら、丁度舞台がハネたところで、役者さんを出待ちしてる追っかけのご婦人方が沢山いました。役者さんがそこを通るのですが、通ったら、写真や握手などをしてくれるらしいのね。
で、母が何故かその列に並ぼうとしていたのが、こっ恥ずかしかったです。「母よ、アンタ、芝居見てない上に、舞台の役者など、全く知らないじゃないか！」
こういうのを、オバチャン根性って言うのでしょうね(^_^;)。
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