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日記一覧

さて、『 ブレード・ランナー 』の作品テーマは、そのまま映画論のテーマでもあります。「 何がホンモノで、何がニセモノか 」「 すべてはコピーで、オリジナルは今存在するのか 」『 ブレード・ランナー 』は過去の映画作品の表現形式を引用すること

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『 ブレードランナー 』がわかりにくい理由のもう一つは、舞台となる世界がカオスの世界だからでしょう。「何がホンモノで、何がニセモノか 」がわからない世界。あるいは、別の解釈では「すべてがニセモノで、ホンモノなど幻想にすぎない」世界。その世界

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ブレードランナーは、なぜ多くのファンを魅了し、同時になぜわかりにくいと言われるのか。例によって、長々と、へ理屈と勝手な解釈を書き、多分にネタばれも含みますが、まーたヨタ話がはじまったと、話半分に流してでも読んでいただければ幸いです。9月末にa

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さて、映画会の今月のお題は僕の担当ですが、今回の作品のくくりはアメリカ映画のちょっと地味で渋ぶ目のバイプレーヤー。ピーター・ローレとかネッド・ビーティとかウォーレン・オーツとかも考えたのですが、映画史に残る作品の主演だったり、演技賞にノミネ

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( ネタばれあり )これは社会派とエンターテインメントがうまく融合した、いい作品です。「 アメリカ宇宙計画初期の、3人のアフリカ系アメリカ人女性の知られざる貢献  〜これまで正当に評価されてこなかった、陰の英雄たち〜 」の話で間違いないわけで

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これも、かなり好意的なレビューですが、ネタばれの点も多く、未見の方はご留意ください。またまた、作品そのものとは直接関係ない、例によってゴタクも多いので、ご容赦ください。( ネタばれあり)リドリー・スコットは『 GIジェーン 』『 グラディエータ

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かなり好意的なレビューですが、ネタばれの点も多く、未見の方はご留意ください。また、作品そのものとは直接関係ない、例によってゴタクも多いので、ご容赦ください。( ネタばれあり)-ぼくはよかったのですが、それは、ぼくが戦無派でも戦後の影響がまだある

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先日、大丸京都店で開催中のオードリー・ヘップバーンの写真展に行ってきました。http://dmdepart.jp/audrey/kyoto/中年以上の、特に女性の、観覧者はけっこう多かったですが、映画ではなく、撮影中ないしはファッション雑誌用に撮られた若きオードリーはやは

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( ネタばれあり ) いや、おもしろかったです。『 ホットファズ 俺たちスーパーポリスメント 』の新鋭エドガー・ライトの脚本・監督でスタイリッシュな映画ですし、スプラッタ映画並みにバンバン撃って人も死にますが、コミックなので胃もたれしないのは、

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( ネタばれあり ) どちらかと言えば批判的なレビューなので未見の方はご注意ください。批判的と言っても、この映画のクオリティは非常に高い。近年の時代劇にしては、スペクタクル感、アクションの迫力は大したものだと思います。東本願寺、下賀茂神社、彦

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『 恋人たちの予感 』の脚本、監督も兼ねた『 めぐり逢えたら 』『 ユー・ガット・メール 』『 ジュリー&ジュリア 』などのノーラ・エフロン、64歳の時の全米ベストセラーとなったエッセイです。彼女は1941年、昭和で言うと16年生まれ。石坂

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京都国際マンガ・ミュージアムに、山岸涼子展を観に行ってきました。https://www.kyotomm.jp/event/exh_yamagishiryoko/いわゆる少女漫画は疎いですし、山岸涼子も特別ファンというわけでもなく、作品も「 アラベスク 」と「 日出処の天子 」くらいしか読

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ダイアン・キートン自伝 〜あの時をもう一度(酒井洋子・訳  早川書房 )本書が自伝としてユニークなのは、、彼女が最も愛し影響を受けたという、母親の日記が数多く引用されて、ダイアン・キートン本人の部分と、二人の人生が重なって語られるところにあり

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ダイアン・キートン自伝 〜あの時をもう一度(酒井洋子・訳  早川書房 )ジェーン・フォンダもそうですが、時代がフェミニズムを認知する時代を象徴し、” 跳んでる女” “ 新しい女 “の代表格と見なされた女優の自伝は、「面倒くさいな」と悪意ある観方

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大野智・主演。原作・脚本は和田竜。 監督は中村義洋。こちらはコミックで、中村義洋らしいエンターテインメント作品。和田竜作品は司馬遼太郎や黒澤明の時代劇を愛好するような歴史好きのうんちくを踏まえながら、より軽く明るいキャラを立てたエンタメ作品

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良心的兵役拒否者の葛藤
2017年07月13日14:57

アメリカ映画では、キリスト教の非暴力の信仰と兵役との葛藤を描いた作品の歴史があり、有名な作品ではまず1941年ハワード・ホークスの『 ヨーク軍曹 』があります。非暴力を教えるクエーカー教徒が自分の信仰との葛藤に悩みながら、国と仲間のために第

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先の大戦の、沖縄戦。宗教上の理由から武器を持たず、75名もの生命を救ったとされる衛生兵エドモンド・T・ドスの実話を基にした戦争映画。主演のアンドリュー・ガーフィールドは『 沈黙 サイレンス 』とともに出演した昨年度公開2作品とも日本がらみとなり

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過保護のかほ子
2017年07月13日00:08

遊川和彦って、あざとく感じて苦手なんだけれど、今回観てみようと思ったのは、主人公が過保護で大人になれてない人間だからです。いい子でいることを刷り込まれた、幼児性を抱えた子どもって、世間に出てから苦しいですが、現代の日本ではけっこう多くて、何

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さて、長い前振りとなりましたが、1970年代後半のプロ野球で欠かせないのが、先日亡くなった上田利治監督による阪急ブレーブスの黄金時代。ぼくがプロ野球に関心を持ち始めた頃は、パ・リーグなんてテレビ放送も全然なくて知らなかったし、日本シリーズで

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日本のプロ野球の黄金時代はいつか、となれば長嶋、王、金田、野村など伝説の選手を輩出した昭和30年代、40年を挙げるオールドファンは多いと思います。ただあくまで個人的な思いを言えば、僕は昭和50年代、と言うより1970年代後半のプロ野球に一番熱中してい

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今回、『Hidden Figures』 の邦題、『 ドリーム 私たちのアポロ計画 』が映画の内容と違うという批判で露呈した問題。https://news.yahoo.co.jp/pickup/6242739映画の舞台は、マーキュリー計画なのに、それでは日本の映画ファンにはわからないだろうからア

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杉本苑子さんの訃報から
2017年06月04日22:53

作家・杉本苑子。母とぼぼ同い年の作家ですが、訃報からいろいろと思い出しました。直木賞受賞作「 弧愁の岸 」は江戸中期の宝暦治水を描いた作品。木曽川、長良川、揖斐川の治水事業を幕府が薩摩藩に命じたものですが、事業に人材を割かせ、財政的に大きな

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ひろぼうさん、ガラリーナさんの高評価にそそられて、『 メッセージ 』を観てきました。ぼくも堪能しました。 未見の方には、ぼくもおすすめします。( ネタばれあり )昨今はSFはもはやジャンルでさえないほど普通な手法になっていて、あるいはスピリチュ

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京都人の密かな愉しみ
2017年05月02日17:43

NHKのBSプレミアムで放送されてきたドラマ+ドキュメンタリーのシリーズ企画で、昨日、今日と再放送されていますが、この5月13日で完結編を迎えます。メイン・ドラマでは京都在住の外国人が生粋の京都人の女性への思慕を描く設定で、京都という街の魅力とその

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『 人生フルーツ 』に続いて、同じ日、『 ムーンライト 』を観ました。アカデミー賞作品賞受賞、その劇的な授賞のいきさつのために、却ってハードルが上がったところがありますが、ミニシアター京都シネマで観るにふさわしい秀作でした。差別がテーマの映

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昨日、京都シネマに行き、『 人生フルーツ 』を観てきました。http://life-is-fruity.com/本作は東海テレビ制作のテレビドキュメンタリーで、先々月でしたか、関西テレビで放送されていたのを、内容を知らずに途中から見始めて大変印象に残っていた作品です

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わが町の図書館
2017年04月27日23:10

京都市図書館が桑原武夫氏から遺贈された蔵書をすべて廃棄処分にした件https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170427-00000047-mai-sociには、その右京中央図書館とは、常に利用する図書館だけに、なおさら慄然としてしまいます。桑原武夫氏と言えば、いわゆ

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先日、母と京都国立博物館に「 海北友松(かいほうゆうしょう)展」http://yusho2017.jp/に行ってきました。浅井長政の家臣・海北綱親の五男として生まれ、父の戦死をきっかけに幼くして禅門に入り東福寺で修行。 そこで当時の教養である琴棋書画( 琴、碁、書

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 (かなりネタバレありで、またもくどくどと、へ理屈です)この映画の主人公はモダンジャズに固執する男で、そこからスコセッシの『 ニューヨーク・ニューヨーク 』へのオマージュという見方もされるのですが、当作品は第二次大戦後、モダンジャズとの同時代

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本作は1912年(明治で言うと44年 )から始まる、イギリスでの女性参政権闘争に身を投じた女性たちの物語。邦題の付け方は興行上の理由でしょう、政治色を避け、『 未来を花束にして 』とどうしてもソフトで優雅なものになってしまいますが、穏健派では

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