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2017年05月02日17:43

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京都人の密かな愉しみ

NHKのBSプレミアムで放送されてきたドラマ+ドキュメンタリーのシリーズ企画で、昨日、今日と再放送されていますが、この5月13日で完結編を迎えます。

メイン・ドラマでは京都在住の外国人が生粋の京都人の女性への思慕を描く設定で、京都という街の魅力とその京都人気質を語る番組。

シリーズ狂言回しの外国人教授を演じるのは団時朗。
アメリカ人の父を持ち、MG5のCMや帰って来たウルトラマンで知られる彼ですが、実は京都生まれの京都育ちで平安高校出身の地元民。 母親は長唄の師匠で、大映京都撮影所の三隅研次とは知り合いで、そのつてで俳優デビュー。

外国人教授が恋する老舗和菓子屋の若女将を演じている常盤貴子のほうが、横浜生まれ、西宮育ちであり、演じる役の外見のイメージとは違うアイデンティティの逆転がおもしろいですね。

「京都人は腹黒いとか、裏表があり腹を割らないイメージを持たれていて、同じ関西の人にも嫌われている」と僕が言って、そういうステレオタイプな「〜人」という言い方にお叱りを受けたことがあります。
僕としては住民気質を語り、他意はなかったつもりですが、懲りずに話を進めると、他の府県の人には自分を京都人という立場に立って発言しますが、井上章一の「京都ぎらい」にあるように、僕も洛外の太秦出身で、さらに母親は九州の宮崎出身ですから、洛中のディープな京都の人たちからは、京都人とは認められていないのです。
  
簡単にコンプレックスと切り捨ててしまえば、身もフタもないですが、京都生まれ・育ちで、その誇りといやらしさの両方を知る自意識の強さ、身内とよそものの序列意識の、マトリョーシカのような多重構造なのが、” 京都人 “のアイデンティティなのです。

この「京都人の密かな愉しみ」は美化も誇張もされているし、ある意味嘘も多いけれど。地元民としてもわかる部分も多い番組です。
昨年度の全日本テレビ番組製作者連盟グランプリ受賞作。 さて、どんな結末を迎えますか。



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