わが未来あの世に在りや夏の夢　　　　　　藤木洋良

続きを読む

風貌は鰻そっくり古き友　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

七十五歳仏顔して西瓜食ふ　　　　　　藤木洋良

続きを読む

老鶯や寂しき森の天気雨　　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

蛇苺寂しき道を曲がりけり　　　　　　藤木洋良

続きを読む

月涼し俳句臭き句嫌いです　　　　　　藤木洋良

続きを読む

悟るとは死ぬのが怖いと鳴く蝉　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

駄句を詠み自己満足の冷やし酒　　　　　　藤木洋良

続きを読む

透き通る風に恋する青田かな　　　　　　藤木洋良

続きを読む

首細き少女の胸に黒揚羽　　　　　　藤木洋良

続きを読む

顔貌はだぼ鯊に似て我愛し　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

扇風機淋しかないと首を振り　　　　　　藤木洋良

続きを読む

雨蛙息子の墓でらりるれろ　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

郭公の声聞く故に我は在り　　　　　　藤木洋良

続きを読む

水中に疑問符を打つ金魚かな　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

鮎が食ふ清流の香を我は食ふ　　　　　　藤木洋良

続きを読む

人生は日々新たなり滝の水　　　　　藤木洋良

続きを読む

夏山を仰ぎ見て我生きんとす　　　　　　藤木洋良

続きを読む

筒鳥の声こだましても黙す風　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

蜻蛉飛ぶ喜怒哀楽の昨日今日　　　　　　藤木洋良

続きを読む

夏の海水子の声のうねりかな　　　　　　藤木洋良

続きを読む

君に逢ひ心耕し玉の汗　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

不安とは風と舞ってる夏の蝶　　　　　　藤木洋良

続きを読む

耳鳴りかいや違う初蝉の声　　　　　　藤木洋良

続きを読む

亡き息子今日は七夕星になれ　　　　　　藤木洋良

続きを読む

命日や病める空には梅雨の星　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

梅雨の空迷える羊雲を食む　　　　　　　藤木洋良

続きを読む

少年の夢を挟んで蟹歩き　　　　　　藤木洋良

続きを読む

夢に見し亡き母若し老涼し　　　　　　藤木洋良

続きを読む