除夜の鐘恥ずかしきこと多かりき　　　　　　藤木洋良

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老妻と年を忘れて年惜しむ　　　　　　藤木洋良

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耳掃除心掃除す年の暮　　　　　　藤木洋良

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老夫婦今年も無事に雪見酒　　　　　　藤木洋良

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老夫婦待ち人来たり寒雀　　　　　　藤木洋良

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吹く風に色気ありけり寒椿　　　　　　藤木洋良

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クリスマスあれを買わずに聖書買ふ　　　　　　藤木洋良

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聖夜なり太郎次郎は眠りをり　　　　　藤木洋良

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山茶花の散りて寂しく風が泣く　　　　　　藤木洋良

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老夫婦半分呆けて年忘れ　　　　　藤木洋良

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裸木や生き恥さらし風が吹く　　　　　　藤木洋良

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我もまた孤独を生きる冬の鵙　　　　　　藤木洋良

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日が差せば蝋梅の香に風が酔い　　　　　藤木洋良

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髭剃れば一段と増す寒さかな　　　　　藤木洋良

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昼の月引き立て役は冬の雲　　　　　　藤木洋良

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冬帽子被ったまま食ふ蕎麦美味し　　　　　　藤木洋良

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木枯しの吹き行く果ては日本海　　　　　　藤木洋良

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わが心鉛色なり十二月　　　　　　藤木洋良

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老妻の笑顔寂しき木の葉髪　　　　　　藤木洋良

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寄鍋の海老そっくりな老夫婦　　　　　　藤木洋良

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塩引や腹割って飲む酒に酔い　　　　　藤木洋良

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おでん酒玉子の如き老夫婦　　　　　　藤木洋良

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雪の夜や酒は静かに老夫婦　　　　　　　藤木洋良

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老妻の角がやさしい寒灯下　　　　　　　藤木洋良

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老夫婦角突き合わせ冬寒し　　　　　　藤木洋良

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命日や息子の墓も雪化粧　　　　　藤木洋良

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冬蝶の生死の花は散りにけり　　　　　藤木洋良

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雪吊や庭の飛石風が踏み　　　　　　藤木洋良

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冬空青し飯豊連峰かがやけり　　　　　藤木洋良

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