花 火 南原充士秋の日はたちまち傾き公園にも暗闇が訪れる頃しゅっと光るものがあるかたわらを過ぎゆく人にはそれが花火だとわかるがひとの姿は見えない今年は大きな花火大会が中止になった夏休みもぱっとしたことがなかった大人も子
『2020年 オリオン座』 (575系短詩(2020年12月)新しい 暦を吊るす 心映えメリーX と 言われりゃ返す 無心人訃報など 聞かずにいたし 年の暮れはね返せ 氷の刃 毒の針氷より 冷たいひとの 舌の先無慈悲より 寒さ厳しき 無
『2020年 コロナに暮れる』 (57577系短詩(2020年12月))これもそれ あれも乗り越え ここにいるようやくにして 小人ひとり山谷を 超えて到れる 人の世に魑魅魍魎と なりてはびこるあと一歩 ひとへの道を 踏み出さん餓鬼道を抜け