墓石のまわりを囲う玉砂利から、にょきにょきと雑草が生え出していた。前回の墓参りから半年くらいしか経っていないにもかかわらず、かなりの丈になっていて、ぼくの腰に届く草もあった。この夏にたんまりと雨を吸い、まだまだ伸び足らなそうにうねりながら
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同僚の送別会が開かれた。ぼくは仕事が手間取ったこともあり、すこし遅れての参加となった。席についてしばらくすると、すでにその場がほとんど完璧な調和によって成り立っていることを知った。会話のやりとりにそれぞれの個性がうまく機能していて、出だし
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