だだっ広い国営公園の原っぱで、ひとりの母親がこどもの名前を叫んでいた。姿が見当たらないらしく、ほとんど狂乱した顔つきで探し回っている。目には涙が浮かび、どうしたらいいのかわからないといった感じで髪をかきむしっていた。ぼくたちは気の毒に思う
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ある先生の講演を拝聴しているとき、不覚にも居眠りをしてしまった。はじめのうちは背筋をぴんと伸ばし、重要な箇所にマーカーを引くなどしていたのだけど、次第に意識を空白が浸していき、気づけば首がもげ落ちそうに傾いていた。これではいけないと思い、
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