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風立ちぬ wind rises ジブリ コミュの 鈴木敏夫 対人関係 Σ(ノ∀`*) 

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アニメーション監督の高畑勲とは、『アニメージュ』の取材を通じて知り合った。
プロデューサーの役割や映画の作り方について、鈴木は高畑から学んだと語っている。
高畑が『風の谷のナウシカ』で初めてプロデューサーを務めた際、鈴木も高畑とともに映画製作に携わっていた。
高畑が勉強しながら手探りでプロデューサーを務める様を見て、鈴木は
「非常に具体的かつ分かりやすくアニメーション映画の作り方を学べた」としている。

宮崎駿と鈴木が企画した『風の谷のナウシカ』の映画化が決定すると、宮崎の要望に基づき、鈴木は高畑勲にプロデューサーを引き受けるよう要請した。
高畑が慎重な姿勢を崩さないため、鈴木は高畑の自宅に日参し1か月に渡って延々と説得を繰り返した。
ところが、高畑は1か月かけて日本におけるプロデューサーの役割を分析しており、それを大学ノート1冊を費やして『プロデューサーとは何か?』と題した論文に纏め、「だから僕はプロデューサーに向いていない」と主張した。
呆れた鈴木が
「理屈ではそうかもしれないですけれど、高畑さん、あなたは宮崎さんの友人でしょ。
その友人が困っているんですよ。
そんなときに、あなたは力を貸そうとしないんですか」と声を荒げたため、高畑は『風の谷のナウシカ』のプロデューサーに就任することを諒承した。
しかし、アニメーション制作の拠点をどうするのか鈴木に目算がなかったため、高畑から
「何を作るか、どうやって作るか。
それを全部、宮崎駿におんぶに抱っこか?」と叱責された。
以降は、高畑と鈴木が2人で制作拠点となるアニメーションスタジオの選定や人材の確保に奔走した。
『風の谷のナウシカ』製作当時を振り返り、鈴木は
「僕はプロデューサーという仕事を、このときプロデューサー初体験だった高畑さんから学んでいくんです」と述懐している。

ランドスケープコンサルタントでランドスケープアーキテクトとして働いていた宮崎吾朗に声をかけ、三鷹の森ジブリ美術館のデザイナーとしてスタジオジブリに入社させた。
ジブリ美術館の仕事を通じて「自分の考えを実行に移す彼のパワー」を評価した鈴木は、宮崎吾朗を『ゲド戦記』の企画に参加させ、宮崎駿の猛烈な反対を押し切って監督に据える。

宮崎吾朗は、ニコニコ生放送での対談で
「親父(宮崎駿)のコネがなかったら、アニメを作ってないと思いますか?」という視聴者からの質問に
「コネというより、そこに鈴木敏夫がいたことのほうが問題だと思う」 と述べている。
鈴木は宮崎吾朗のこの発言を遮る形で
「宮崎駿を父に持ち、父のもとで映画を作る。
大変な逆境に置かれているわけで、 誰も味わえない。
それをやれるのは吾朗君だけ。
日々、生きているという実感があるでしょう?」 とコメントした。
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E6%95%8F%E5%A4%AB (CP:http://zhp.jp/FAcp )↑

『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』 TOKYO FM 80.0
http://www.tfm.co.jp/asemamire/ (CP:http://zhp.jp/cBQV )
 
(だまって俺について来い
http://youtube.com/results?q=hitoshi+ueki+1964 )
 
↑2013/05/30...

コメント(11)

 
“9条 世界にアピールを
スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫さん”

「平和をもたらした憲法九条をもっと世界にアピールするべきだ」。
日本を代表するアニメ作品を、監督の宮崎駿さん(72)とともに手掛けるスタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さん(64)は訴える。
連載「憲法と、」の番外として、鈴木さんの大型インタビューを掲載します。

宮崎駿さんが五年ぶりに監督を務め、七月に公開予定の映画『風立ちぬ』。
戦前、三菱重工業名古屋航空機製作所で零戦を設計した群馬県出身の堀越二郎(一九〇三〜八二年)の半生をテーマにしている。

ジブリの企画は、いつも宮さん(宮崎監督)から「次どうしよう」って相談があるんです。
たいがい、僕が「これがいい」って言うと、「分かった」ってやってくれる人なんですよ。
ほとんど躊躇(ちゅうちょ)なく。

ところが、今回は違った。
彼が模型雑誌に描いていた『風立ちぬ』の原作があって、僕が「これをやろう」と言ったら、いきなり怒りだしてしまって。
鈴木さん、何考えてるんだ、と。
「アニメーション映画は子どものためにつくるもの。
大人のための映画はつくっちゃいけない」と。
三十年間付き合ってきて、初めての出来事でした。

でも、僕は食い下がった。
宮崎駿は一九四一(昭和十六)年生まれ。
子どものころは戦争中。
だから、宮さんの言葉を借りれば、物心ついたときに絵を描くとなると、戦闘機ばかり。
でも、一方では大人になって反戦デモにも参加する。相矛盾ですよね。

もしかしたら、それは彼だけの問題じゃなく、日本人全体が、どこかでそういう矛盾を抱えているんじゃないか。
まんが雑誌とかで、戦争に関係するものをいっぱい知っているわけですよ。
戦闘機はどうした、軍艦はどうした、とか。
でも思想的には、戦争は良くないと思っている。

その矛盾に対する自分の答えを、宮崎駿はそろそろ出すべきなんじゃないか。
僕はそう思った。
年も年だし。
これはやっておくべきじゃないか、と。

『風立ちぬ』が公開される七月には参院選が予定されている。
安倍首相は戦争放棄をうたった憲法九条の改正を視野に、改憲の発議要件(九六条)を両院の「三分の二以上」の賛成から「過半数」に引き下げる構えを見せている。

日本が起こした戦争をどう描くかによって、将来の日本のビジョンが見えてくる。
今回、宮さんらしいなと思ったのが、国のためにいろいろやった人を描くんじゃない、というところ。
それは、どの作品でも一貫していると思います。

『紅の豚』(九二年公開)という映画も主人公はある時期、国のために戦ったわけです。
そのむなしさを知ったがゆえに、豚になって生きているという設定。
『ハウルの動く城』(二〇〇四年公開)は反戦というか、厭戦(えんせん)です。

現実の写し絵です。
日本はずっと戦争がないけれど、世界の各地では減るどころか、増えているわけでしょ。
いつまでこんな愚かなことをやり続けるのか、っていうことでしょうね。

『風立ちぬ』に戦闘シーンは出てきません。
起きていることとして、みんな知っているわけでしょ。
多くの映画は、そういうものを描いていますけれど。



みんな戦いが好きですよね。
自分が勝つ側に立つからでしょう。
負ける側に立った途端に、やってられない。
ジブリでも昔、「戦争の名人」と呼ばれた名将を取り上げたいと言ったやつがいて。
「おまえ、自分のこととして考えろ」って言いたくなった。
もしその企画をやるとしても、僕なら名将に連れて行かれてひどい目に遭う、一兵卒の視点から描きたいですけどね。

平和ぼけですね。
想像力に欠けているわけでしょ。
安倍さんなんかはね、年が若いのになぜああいうことを考えるのか、ちょっとピンときません。
もう少し上の世代だったら分かる気もするんですが。
やり方を間違えたから日本は負けた。
間違えなかったら勝っていた。
そう考える、ある年齢の人たちがいるのを僕は知っていますしね。

やっぱり「三分の二」じゃなくちゃいけないんじゃないですか。
そんな大事なことを決めるのに、「二分の一」じゃだめですよね。
それをやっておいて、将来、何になるかっていう問題でしょ。
やめてほしいですよね。

そもそもいま憲法改正に、みんな、そんなに興味あるんですかねえ。
そうじゃないでしょ。
そんなことより、自分たちの生活をどうするんだってことの方が大変で。
だから、僕は、政治家の独りよがりだと思っています。

『千と千尋の神隠し』(〇一年公開)が米アカデミー賞の長編アニメーション作品賞を受賞するなど、ジブリ作品は世界で高い評価を得ている。
平和への理念が海外でも共感されているのか。

アメリカがつくった映画と闘おうとか、そういうことは一度たりと考えたことはありません。
僕らは日本の人に見てもらうものをつくる。
それを外国の人が見て、面白いと言ってくれるんなら、うれしい。
それだけなんですよ。

僕、日本が憲法九条を持っているって、海外の人はほとんど知らないと思う。
だって自衛隊があるしね。
そっちを知っているわけでしょう。
だから日本が世界にアピールするとしたら、九条ですよね。
これだけの平和は、九条がなければあり得なかったわけですから。
僕はあってよかったって立場だし、たぶん宮さんもそうなんじゃないかと思います。

日本には美しい森林もある。
自分の国は自分で守るという考え方もあるでしょうが、平和憲法を持ち、森と水がきれいな国をね、みんな侵せますか。
そこへ侵略する国があったら、世界の非難を受ける時代でしょ。
現代って、一国の暴走に世論がブレーキをかける時代なんです。

宮さんや僕が尊敬する作家の堀田善衛さんが、こんなことを言ったことがあるんです。
「人間の歴史は、殺し合いだ」って。
その殺し合いが、だんだん残虐になったのが歴史だと。
最初は宗教をめぐる争いで、あるときから国家同士の争いになった。

人間というのはそういうことをするもんだなあっていうのが、実際にあるわけですが、その中でね、やっとたどり着いたわけでしょ、この平和憲法に。
すごい理想主義でしょ。

人間がそこまできたってのは、すごいこと。
僕はそう思いますけどね。

2013/05/09 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/kenpouto/list/CK2013050902000173.html (CP:http://zhp.jp/tB5Y )
 
 
“最新作『風立ちぬ』は宮崎駿の遺言?
鈴木敏夫Pが裏テーマ明かす”

7月公開のスタジオジブリ最新作『風立ちぬ』(宮崎駿監督)の中間報告会見が6日、東京都内で行われ、鈴木敏夫プロデューサーがヒロイン・菜穂子の声優を務める女優の瀧本美織さんとともに登場した。
会見はトークショー形式で行われ、2人が音声収録の様子や、作品の見どころを語った。
鈴木プロデューサーは、まだ完成していないものの、その完成度に自信を見せ、
「本人に『この映画は宮さん(宮崎監督)の遺言なんですかね』って聞いたら、『かもしれない』って」と、意味深な発言も飛び出した。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの総監督である庵野秀明さんが主人公・二郎の声を担当した収録の様子について、瀧本さんは
「(宮崎監督と庵野さんの)2人とも指示を出すので、どっちのいうことを聞いたらいいのか……」と苦笑しながら振り返った。
鈴木プロデューサーも「宮さんがOK出す前に、庵野がOK出すのは面白かった!」と語り、ラストシーンでは
「(せりふを)吹き込んだあとに、庵野が『素晴らしい。
最高ですよ』と褒めまくったら、宮さんは立ち上がって『ありがとうございます』って言ってました」と明かし、瀧本さんも
「庵野さんは『宮さんにこんなラストが作れるんだね!』って言ってました」と笑顔でうなずいた。

今作では戦闘機の音などの効果音を人間の声で吹き込んでいることも明かされたが、鈴木プロデューサーは
「音にこだわると、だんだん神経質になっていって、本物の音を使おうとか、すごくエスカレートしていく。
でもそれが本当に正しいんだろうか。
人間の声でやってみようというのは、宮崎が言い出した。
本物かどうかじゃなくて、らしく聞こえるかどうかだ」とその経緯を説明。
最終的には人選が代わったが、「最初は宮さんが『俺と鈴木さん2人だけでやろう』って言い始めて……(笑い)。
ジブリって、家内制手工業なんで、やれることは自分でやっちゃう」と、ちゃめっ気たっぷりに語った。

“遺言”発言については
「70歳を過ぎてアニメを作るって大変なんですよ。
いつ異変が起きるか分からない」と72歳の宮崎監督の思いを代弁。
「今回は空に憧れ、飛行機に憧れた少年の話。
でも、彼が大人になって作らなきゃいけなくなったのは戦闘機で……。
宮さんはこの映画の中で、裏テーマとして、仕事とはなんだろうと問いかけているんですよ」と持論を展開し、
「意義がある仕事にはなかなか出合わないけれど、やっていればいいと思える瞬間がある。
それが仕事っていうものだよね、と感じさせてくれる映画。
宮さんは『目の前のことには力を尽くしてやろう』という言葉を、後世の人に残したいんだろうと思った」と熱く語っていた。

宮崎監督が『崖の上のポニョ』以来5年ぶりに描く最新作『風立ちぬ』は、雑誌『Model Graphix (モデルグラフィックス)』(大日本絵画)の09年4月号〜10年1月号に自身が連載した原作を基に、堀越二郎という実在のゼロ戦の設計者の生涯と結核の美少女が登場する堀辰雄の『風立ちぬ』をイメージした物語。
この日は、瀧本さんのほか、西島秀俊さん、西村雅彦さん、元・スタジオジブリ取締役の スティーブン アルパートさん、風間杜夫さん、竹下景子さん、志田未来さん、國村隼さん、大竹しのぶさん、野村萬斎さんが声優を務めることが発表された。
7月20日に全国で公開予定。

2013/06/07 毎日新聞デジタル
http://mantan-web.jp/2013/06/07/20130606dog00m200084000c.html (CP:http://zhp.jp/BBFY )
 
 
“鈴木敏夫の引き出す力 『仕事ハッケン伝』で見せたジブリの真髄”

中田の出演回は、7月3日(水)午後4時5分〜4時53分に再放送予定。

「頑張る必要ない。
才能出してくれれば」
これはスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫が、オリエンタルラジオ中田敦彦に初対面で言い放った言葉だ。
「あなた、才能あるんでしょ?」という鈴木の問いかけに、「…や、頑張ります」と中田が答えたのを受けてのものだった。

『仕事ハッケン伝』(NHK総合)は「もし今と違う仕事についていたら、どんな人生を送っていたのだろう」をコンセプトに、各界の著名人がさまざまな職種の企業に実際に1週間程度“入社”し、その仕事を体験するというドキュメンタリー。
2011年5月に第1シーズンが始まり、現在第3シーズンを迎える。
今回のシーズンではこれまでも、吉木りさがバスツアー企画、平山あやがファッションエディター、小島よしおが食品スーパーなどと、実にさまざまな職種に挑戦している。
ちなみに13年4月11日に放送された「冨永愛×左官」は、ギャラクシー賞月間賞を受賞した。

6月27日放送回で中田が“入社”したのは、憧れの会社「スタジオジブリ」。
巨匠・宮崎駿を擁し、名プロデューサー鈴木らが『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、数々の大ヒット作を生み出してきた、世界を代表するアニメ映画制作会社だ。
中田が配属されたのはプロデューサー室。
映画のヒットに直結する広告やパンフレット、公式グッズなどを制作する部署だ。
そこで鈴木が中田に課したのは、宮崎監督5年ぶりの新作『風立ちぬ』の新聞広告のデザインだった。

そんな“難問”に対し、中田は実に彼らしいやり方で、その“解答”を導き出そうとする。
中田は自ら「受験パンク」と呼ぶように、ベッドを破壊して椅子に自分を縛り付けて寝ずに勉強して倒れ病院に運ばれたり、“右脳と左脳を交互に休ませれば、眠る必要はない”という独自の理論から眼帯をつけて勉強したほど、学生時代、勉強に没頭した。
受験勉強に最も大切なのは「傾向と対策」だ。
出題者の意図をくみ取り、相手の求めていることを探るのが解答への近道。
中田はお笑い芸人としても、受験と同じようにこの傾向と対策を徹底的に分析しネタを作り、自分の立ち位置を選び取っていった。
だから、今回も彼はその方法論を採用する。

まずは絵コンテを読み込み、印象的なシーンやセリフを抜き出しメモを取っていく。
さらに“過去問”にあたるようにジブリの過去の新聞広告をひとつひとつ、つぶさに見て、その傾向を分析していく。
会議では自分が発言するよりも、その様子をじっくりと観察していく。
そうして中田の手元には、膨大な量の書き込みであふれるメモの山ができ上がっていた。
「強烈なビジョンを鈴木さんが持っていて、それをみんなで削りだしていくっていう作業」だと、中田はジブリの企画会議の傾向を挙げ、「まったく新しいアートというか、僕がいいっていう、ひとりよがりのものは絶対はじかれる」と対策を練っていった。

さらに中田は、過去の新聞広告から“解答”には
「(1)メインコピー
(2)オリジナルコピー
(3)テーマ
(4)煽り
(5)劇中セリフ
(6)歌
(7)宮崎語録」の7つのバリエーションが存在すると分析。
そして「ジブリ」が「熱風」という意味であることに目をつけた中田は、“解答”を導き出してコピーを作り上げた。

「『風の谷のナウシカ』から29年。
この夏、ジブリに新たな『風』が吹く。」

自信作だった。しかし鈴木は「基本的には面白い」と評価する一方で「まだ終わったわけじゃないから」と納得しない。
そして2人の話し合いの中から、宮崎による企画書を全文掲載するという斬新なアイディアが生まれる。

「しゃべってると刺激を受けるんですよ。
自分ひとりで考えていたって(いいアイディアは)出てこない」という鈴木の言葉に、中田は
「『今話してて思いついたんだよ』って強調してくれたのは『お前がいてよかったよ』っていうメッセージですから、うれしかった」と素直に喜んだ。

「人数が多いほうが面白いものができる」というのが、鈴木の信念なのだという。
それは宮崎も同じだ。
彼はありとあらゆることを他人に訊いて回るのだという。
そうしてその反応を作品に反映させていく。
ひとりで考えていただけでは、いいものは完成しないのだ。
中田はそのことに苦しんできた。
デビュー以来、ネタはほぼすべて自分ひとりで考えてきた。
しかし、近年、それに限界を感じ始めていたのだ。

鈴木から中田は新たな課題を出される。
企画書を全文掲載したポスターに添える煽りコピーを考えてほしい、というものだ。




鈴木がこれまでの最高傑作と考える
「天才・宮崎駿の
凶暴なまでの情熱が
世界中に吹き荒れる!」という『もののけ姫』の煽りコピーを超えるものを、というのだ。

中田はデビュー当時、100個ネタを書くことを自らに課した。
それが、中田が思う芸人としての“通過儀礼”であり、最善の策だったのだ。
今回もまた、中田は「天才・宮崎駿」に代わるものを見つけるため、100個コピーを考えることを自らに課す。

最初は、言葉から発想し、別の言葉を探していた中田。
しかし、それでは言葉が「記号化」してしまう、と気づき、鈴木の過去の言葉と傾向を頭の中からいったん“捨てた”。
そして、中田自身が作品を見て感じたことを言語化していった。
すると、止まっていたペンが一気に動き出したのだ。
その膨大なコピーの中から、どれを選ぶのか?
「自分で作るけど、選ぶのは他人かもしれない」

デビュー当時、100個のネタの中から、あの大ブレイクした「武勇伝」の原型となるネタ「中田伝説」をやろう、と言い出したのは相方の藤森だった。
中田はデビューの頃と同じように、藤森に意見を聞いた。

そして中田は藤森たちからの反応が良かった、
「『誰かのため』ではなく
『自分のため』に作った。
宮崎駿、七十二歳の覚醒。」
「トトロの姿が見えなくなった大人たちへ。
宮崎駿がもう一度、夢を見せます。」
「どう生きるか。どう愛すか。
大人には教科書がない。
でも宮崎アニメがある。」
など、13個の案まで絞り、鈴木に提出した。
「すごいね、君、才能あるね!」鈴木は、それらのコピーを見て称賛する。
そして、あるひとつのコピーに眼の色を変えた。
「『巨匠・宮崎駿』ではなく、
『人間・宮崎駿』としての処女作。」

「これいいねえ。刺激を受けた。
だって新鮮だもん! 『人間・宮崎駿』だけでもすごいですよ。
まったく自分の中になかった」と絶賛したのだ。
そして「欲を言えば、完成度」と、その仕上げを中田に求めたのだ。

「自分だったら……?」。
そう中田は自問自答する。
「大事な局面で素人が案を出しても、100%使わない」と。
だったら「鈴木さんの中にある言葉を削りだす」と戦略を立て、中田は再び自分の言葉を“捨てた”。
それが、相手が求めている答えのはずだと考えたのだ。
これまでの対話の中で鈴木から出た言葉の中から組み合わせて、中田はコピーをひねり出す。
それを見て「最後はやっぱり難しいよね」と鈴木はつぶやき、自分が考えてきたという1枚を机に広げようとした。
その瞬間の中田の表情は、明らかに落胆していた。
自分が傾向と対策を分析し導き出した解答は間違っていたのだ、と。
やっぱり、すでに鈴木の中には鈴木なりの答えがあったのか、というような一瞬の表情だった。

しかし、中田は実際にポスターに添えられたコピーを読んで驚愕する。
『人間・宮崎駿、七十二歳の覚悟。』
それは中田が生み出した言葉から発想されたコピーだった。
中田は解答を間違えた。
しかし、間違えたのは生み出した言葉ではない。
少年漫画のような気持ちのいい逆転劇。
鈴木の答えは、中田の中にあったのだ。

「君が考えたことをテクニックでまとめることだけをやろうと思ってた」と鈴木は言う。
けれど、中田の出した中に使えるものがひとつもなかったらどうしたのだろうか?
「あるんだよ!」と鈴木は力強く即答する。
「それは自信があるの、俺。
いろんな人と付き合ってきて。
大概の人は、一個は持ってる」と。

鈴木の引き出す力で、中田の言葉を引き出し、完成された“作品”に昇華させた。
それが、鈴木敏夫の真骨頂であり、 スタジオ ジブリの真髄だ。
「もし俺が『君の案はダメ。
自分で考えます』とやったとするじゃん。
そうしたら俺の負け。
その人から引き出せないってことだから」

鈴木が引き出したのは中田の言葉だけではない。
彼の芸人としての向き合い方、方法論。
そして他人との信頼関係。
その苦悩、すべてを削りだした。
それらは決してひとりだけで傾向と対策を練るだけでは辿りつけない“解答”のヒントだった。

「全部間違えてた。
人を使うって難しいんですよ。(略)
その結果、ひとりでネタ作るって結論に戻っちゃってたんですよね。
人がうまく使えなくて。
今日の鈴木さんの言葉に、お笑いに対する向き合い方の答えがあった気がする」

鈴木は、そうやって「人間・中田敦彦」を削りだし、その魅力を引き出したのだ。

(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
2013/07/02 日刊サイゾー
http://www.cyzo.com/2013/07/post_13764.html (CP:http://zhp.jp/CD4I )
 
 
“『Yuming Chord』
8月30日(金)午前11:00〜
『風立ちぬ』スペシャル
鈴木プロデューサー出演”
http://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=077&bbs_id=73594949
 
 
“宮崎駿監督が引退! スタジオジブリ社長がベネチア映画祭で発表”
http://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=027&bbs_id=73784707

9/1に社長がベネチアで発表、9/6に本人が日本で会見。
各映画祭の賞レースと、まだ公開中の観客動員に対しては、効果的なタイミングですね。
 
ビール私が宮崎駿のファンを自覚したのは1978年ころのアニメージュを読んだ時です。今まで面白いと思った作品の多くが宮崎さんの作品(参加作も含む)と知りました。
後で知りましたが、まんまと当時アニメージュ編集員だった鈴木さんの手中にはまってしまったわけです。あの特集はすごかった。長靴をはいた猫まで出てくるんだもの。
 
『長靴をはいた猫』は学校や地域のフィルム上映会で観た記憶があります。
僕が宮崎駿を知ったのも『アニメージュ』ですね。
1980年ごろ、ルパンと次元でフィアットに乗って疾走する絵が表紙の号が、小学生だった僕が初めて買った雑誌で、何度も読みかえしました。
思えば彼にとっては『カリオストロの城』は長年つきあってきたキャラクターとの最終作で、彼の終わりが僕の始まりだったわけですね。
『ナウシカ』より『カリ城』のほうが好きでしたし、今もそうです。

宮崎駿の引退が発表された翌日に、『紅の豚』テレビ放送が発表されましたね。
「『風立ちぬ』は遺言」発言で話題を集めた鈴木プロデューサー。
『風立ちぬ』公開前にジブリ作品3作『耳をすませば』『猫の恩返し』『天空の城ラピュタ』がテレビ放送されたなかに、『風立ちぬ』に最も関連のある『紅の豚』が含まれていなかった疑問も、ここで解けた気がしてます。(笑)
 
>>[9] 東映漫画祭りの作品ってそんな扱いですよね。私もカリ城が一番面白いと思っている一人です。あの畳み掛けるようなハラハラ感は他にはないですよね。
 
〈映画『風立ちぬ』で宮崎駿監督が考えていた"もうひとつ"のエンディング〉
『風に吹かれて』 鈴木敏夫 中央公論新社 1,890円(税込)
http://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=051&bbs_id=73594947
 

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