Guerlain✿ฺParfumコミュの『ジッキー』

１８８９年
『Jicky』
香水
パヒューマー：Aimé Guerlain
香調：セミオリエンタル、アロマティック
トップ：ラベンダー、ベルガモット、ローズマリー
ミドル：ローズ、ジャスミン
ラスト：トンカビーン、ウッド、オポパナクス、バニラ
ベンゾイン（安息香）

ジッキーは、フランス革命100周年を祝ってパリ万国博覧会が開催され、エッフェル塔が建設されたのと同じ年に誕生しました。天然香料と合成香料を混ぜ合わせて持続性を高め、フレッシュ・華やか・スパイシー・オリエンタルといった多様な系統や構成を持たせた、世界で初めての香水です。
ジッキーを形容する言葉は「モダン」に尽きます。それは、香水の歴史をぬりかえたとも言われる近代香水の第一号であることと、１００年以上の時を越えてなお変わることない魅力を放つ香りであることへの、最高の賛辞なのです。
ジッキーは、ラベンダーやベルガモットの新鮮でいきいきとしたトップノートで始まります。そして、ローズやジャスミンのミドルノートに移行し、セミオリエンタルのあたたかく優しいラストノートを迎えます。力強く、たおやかで個性的なその香りは、
二代目調香師エメ・ゲランの若き日の恋へのオマージュ。彼は、イギリス留学中に恋に落ちた、悲恋のイギリス人女性ジッキー（ジャクリーン）に、この香水を捧げました。
それにしても自分の名を冠せたフレグランスを創作してもらえるなんて素敵です。
その後ジャクリーンと離別したあとエメは生涯独身を通しました（三代目ジャック・ゲランはエメの甥）。
その誕生ストーリーもまた、「モダン」そのもの。記憶が封じ込めた幸せな時間や思いを、鮮やかによみがえらせる。そんな香りの魔法を初めて創り出した、記念すべきフレグランスなのです