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尾道薪能コミュの能の面

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能楽で使用する面を写真と共に解説していきます。

何かお聞きになりたい方はここのトピックに書かずに、
質問コーナーにてお書き下さいね!

コメント(11)

『大飛出』(おおとびで)



金泥に塗られた面です。

人間の眼(まなこ)の周りは白いですが、この面は金に塗ったかねが使ってあります。

どういう効果があるか?

舞台の照明によって、
「眩いばかりの眼光の光を放つ」と申しまして、
人間ではない者を表します。

更にこの面、顔全体が金泥です。

顔全体から光を放つわけです。

これによって、より力強く、神々しくなります。

演目・配役は、『嵐山』の蔵王権現や『賀茂』の別雷神に使用します。
『喝食』(かっしき)



能楽は仮面劇が主なので、ほとんどの舞台で面を使用します。

面は紐で結んでつけます。

この面の名前の『喝食』とは、
得度前の半僧半俗の有髪の少年の事です。

能の中では美しく、知恵や芸能に長けた若者の配役の時に使用します。

喝食を使用する舞台の事を『遊狂物』という事がありますが、
これはカッコを打ったり、
小歌に興じたり、
曲舞を舞ったり、
地獄の舞を舞ったり
と、いろいろな室町時代以前に流行っていた芸風を取り入れた舞台から、そのように言います。
『邯鄲男』(かんたんおとこ)です。



元々は、演目の『邯鄲』のみの専用面です。

今は、脇能(初番能)に、つまり住吉明神や山神など神全般に使用します。

他の神に使用する面と比べますと、
若々しい、颯爽とした雰囲気が増します。
『小癋見』(こべしみ)



べしむ!というのは、一つの動作の事で、
口を一文字に閉じて横に引っ張った状態で、
『ん!』と力む姿です。

用途としましては、『鵜飼』(うかい)の閻魔大王や、
『鐘馗』(しょうき)の鐘軌大臣などの時に使用します。

人間ではなく、また神でもなく、天狗でもない時に使用し、
強い配役の時に使用します。

またこの面を使用する際は、赤頭の時に使用いたします。

赤い髪の毛になるわけで、鬼神系の演目に使用いたします。
『大べし見』(おおべしみ)



前に小べし見の面はアップしましたが、此方は大べし見です。

べしむ!という意味は一緒で、
口を一文字に閉じて踏ん張る事です。

此方は天狗の役の際に使用します。

能の中では、
ことごとく僧に天狗は負ける役です。

室町時代足利家が神道より仏道を重んじられていた事と、
何か関係があるのでしょうか?

ですが面としては大変迫力があり私が大好きな面です。
『般若』はんにゃ



代表的な能楽の面です。

女性が化け鬼と化した面で、
『道成寺』『葵上』『安達原』に使用します。

赤白黒般若とありそれぞれ演目によってかえて使用します。
『獅子口』(ししぐち)

演目『石橋』(しゃっきょう)に使う専用面です。

名前の通り獅子役に使う面です。

2002年父と共に主催している『花の能』の折、
私の独立披露の会で父と共に親子獅子を演じ使用いたしました。

忘れる事のできない舞台です。

父と共に舞台に立つ事は山のようにありますが、
両シテ扱いで舞台に立ったのは未だこれしかありません。

それと7年間の住み込んで内弟子生活をしてきた思い出が、
一気に押し寄せて涙涙した舞台でした。

あんなに泣いた記憶はお祖父様が亡くなった時と結婚式の時とこの時ぐらいです。

思い出深き面ですがさて次はいったいいつ使うんやろか……。

少なくとも私が生きてて息子の『和史』が一人前になって、
同じく独立披露する時には使う事となります。

それまで約30年、その日が来るのを楽しみに面の入っている桐のタンスの中で、
ずっとその日を夢見てる私の思いと共に眠っています。
『小面』(こおもて)


能楽の代表的な女面。

ただ当観世流では基本シテ(主役)には使わず専らツレに使用する。

『小』という意味は可愛らしいや若く美しいという意味があり、
能楽の面の中で一番若い面という意味があります。

ふっくらした顔をしておりうら若き女性の顔。

といっても当時のうら若き女性とは12〜15才ぐらい。

有名な面に豊臣秀吉が龍右ェ門に打たせたとゆわれる『花・月・雪』の面があり、
花は三井家、雪は金剛家が所蔵していますが月は発見されていません。

女面の特徴は眉を高い位置に書く事、歯を黒く仕上げる当時の風習を色濃く残し、
更に小面は毛描きを真っ直ぐに描くところに特徴がある。


因みに当家には小面は2面あります。

1面は記事にアップした『大和』と銘打たれた古作の面で、
私がツレで舞台に立つ際に使う面です。

2面目は私が初めて面をつけた面で我が父作の面です。

父は約30年前書生に入る前後能楽師についており、
何面か打った際の一つがその小面です。

私が18で『小鍛冶』のシテをする際嘉祥閣や自宅にて毎日稽古に用いた面です。

さすがに本役の際に使う出来ではありませんが稽古用として、
現在も桐のタンスに入っており、我が子和史の成長の中で、
また練習用の面として重宝する事になると思います。
『泥眼』(でいがん)

目と歯に金泥を塗った女面で、
成仏して菩薩となった姿とその人間ではない妖しい相貌により生霊に使います。

全く性格の違う姿を一面で使い分けますが、
この面は生霊にこそ向いていると思います。

嫉妬の感情やその感情を抑制した感情が交じった女性の執心際立っています。



当家には泥眼は先月までありませんでした。

今回『葵上』を舞うにあたり、
さてどなた様に面を打ってもらうか悩んでいるうちに先月になり、
今回は師匠家に拝借して舞おうと思っておりました。

それが急に手に入りました。

先月京都市文化博物館で会がありその階下で面の展覧会でした。

それも前々より面識がありお願いしようか迷っていた方の…。

更に展覧会お邪魔したら10面ほど飾っておられた面のうち2面が泥眼でした。

という事で手に入れたのがこの面です。

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