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魁!読書地獄(仮)コミュの文芸/現代小説・恋愛小説系

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あなたの読んだ本を紹介して下さいな。
もう好き勝手にやって!

コメント(7)

ラッキー・ワンダー・ボーイ
D.B.ワイス 早川書房 860円+税

たとえば「マイクロサーフス」とか「エドガー@サイプラス」、やる気のないギークが主人公のジェネレーションX近辺が好きな人は好きだと思います。
略歴から察するに著者は同世代から20代後半でしょう。

ゲーム好きな僕がMAMEと出会ったことから、子どものころ執念を燃やした日本産「ラッキー・ワンダー・ボーイ」というゲームの作者に近づいていこうとする話。テキトウに生活とか仕事とか恋愛とかもからんでますが、全部やる気ないです。つうかまんまクープランドです。訳者が意識したのかもしれません。

冒頭パックマンから始まり、またフロッガーとかドンキーコングとか往年のゲームの話が微妙にからんでくるのを読んでると、不思議と優越感に浸ったりできます。

最後がギブスンの「なんちゃって日本」みたいな終わり方なのがいただけないですが、少なくとも「マイクロサーフス」のユルさが好きだった私は好きでした。

オールドスクールなゲーマーを自認する方はいまこの瞬間お読みになることをオススメします。こういうのって自分の中で旬であってくれる期間がすごく短いと思うから。
『野ブタ。をプロデュース』 白岩玄 河出書房新社

文藝賞受賞作とかで。

常に自己をプロデュースして生きている高校生の主人公。
明るく元気な人気者キャラを演じ、その完璧さを疑わず。
でもそれはあまりにも薄っぺらで。

そんな彼がひょんなことから始める転校生のプロデュース。
イジメられっ子を人気者に!
さてその結末は…。

いやおもしろかったですよ普通に。
でも読んでてつらかったのは主人公の生き方というか
周りの人間に対するいなし方。
野ブタくん(転校生)をプロデュースするくだりはどっちかっちゃ
本題ではないのだな。

オレもこういうタイプなので何度か胸にグサリと。
常につくられた自分を演じねばならない思春期特有の怯えみたいなものは
今でも鮮明に憶えているし今もそうだし。

まあ読んでみて下さい。

ラストはなんかやっつけな感じ。
後、会話文のセンスはイマイチかな。
リアルでない。
まだ若いしこんなに現場の匂いの描ける人なのにどうして?
「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」 村上春樹 新潮社 

高校1年生のときに読んで、衝撃を受けた一冊です!


ベストセラー作家・村上春樹の最高傑作といわれている作品です。他には「ノルウェイの森」が有名ですが、個人的にはこっちのほうが好みですね。村上春樹の作品は、結構好き嫌いが分かれるんですが、まあ世界的にも認められつつある作家なので、読む価値ありだと思います。

完全に現実離れしている話なのですが、全く違和感は感じません。むしろこういうことが実際にあったら、ものすごく楽しいだろうという気さえしてきます。

読者を惹きつけるテンポのよい展開。一文字一文字が、体にしみこんでいくような感覚になります。これはおそらく、村上春樹にしか成し得ない技術でしょう。

ほんとおすすめです!
「容疑者“X”の献身」 東野圭吾 著

17年度下半期直木賞受賞作で、ベストセラーの有名なエンターテインメント小説を読んだ。トリックに注目すべきか、“動機”に留意すべきか。

トリックも結構斬新だ。しかしそれだとて、絶対に犯人がバレないことを目指すということならこういうものにはなるまい。“動機”の特異さがこういうトリックを生むわけだから、ある種異常なシチュエーションでの小説でもある。

犯人は利得や怨恨やその他“合理的”な動機で犯罪を行った訳ではないので、この小説がリアリティを持つためには、ストーカーや自虐心理のような非合理な精神のありようが現実感を持って読者に受け入れられている必要がある。孤高・不遇の天才数学者といういささか特異な設定とは言え、非合理な精神の存在が読む者にもそれなりに受け入れられる形で設定されている。

ストーリー展開の妙は、まるであやふやで今にも破られそうに見えるアリバイが、実は鉄壁のものであるという所にあるのだが、そのことは読者にも最後まで分らないので、何だかハラハラさせられ続ける。しかも犯人側に共感するように話が設定されており、天才数学者がアリバイを組み立てているらしいのに、それがすごくいい加減なものに見え続ける。

結末になって、それが如何に計算され尽くした完璧なものであったかが、読者にも初めて分るという展開は、ヒョットして初めてのものではあるまいか。

従来の、倒叙法(すなわち最初から犯人が分っていて、アリバイを破り証拠を積み上げる探偵《警察》側のアプローチが主たるストーリーになる)小説では、最初は完璧に見えたアリバイが、徐々に崩れていくプロセスが描かれる。ところがこの小説では、最初あやふやで今にも破られるかに見えるアリバイが、実は極めて完璧なものであった事が終末直前に判明し、しかしその直後にやはりアリバイは破られる。その斬新なドラマ性がこの小説の命である。

いやー、面白い小説を書くということは、何と大変な事であろうか。裏をかき、その裏をかき、またその裏の裏をかく。何処までも精緻に組み立てられ転がされる状況と人間像。行方知れない私達の先行きを予言しているようでさえある。

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