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ヴィクトール・ユゴーVictorHugoコミュのロマン派の共通点があるなら鋭い感受性(私説)

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普通の国の芸術家としては、普通の事ではありますが、
ロマン派の共通点は奇をてらった思想づけよりも、
鋭い感受性にあると言えるでしょう。
擬古典派の因習を突破した溢れる熱情の元であり、
また現代の一部の奇怪な芸術とも違ったものです。
(ボードレール、マラルメ以降の象徴主義・シュールレアリスムは低い霊界ないし幽界的な想念ともつながる危険な域となっているかも知れませんが。その点ではむしろロマン・ロランなどの方がロマン派的かも知れません。)

ロマン派は基本的に詩人です。
スタンダール、バルザックなどの小説家もいますが、
ミュッセ、ヴィニー、ユゴー、ラマルティーヌの4人がロマン派4大詩人などと言われています。

また初期のロマン派の特徴は告白(コンフェシオン)でもあります。ルソー、ゲーテ、シャトーブリアン、ミュッセなどに見られる憂愁を伴う自己批判的な回想とでも言いましょうか。そこに後から、改心とか神への転向のようなものがついて来ます。

敏感な感受性、高い理想(ないし理想との乖離による憂愁)、純粋な心、深い洞察といった、宗教的ないし、
体制宗教にとらわれないスピリチュアリスム的な素養が基本にあります。
懐疑的な詭弁哲学、ソフィスト的なものとは一線を画します。そのために逆に、20世紀には哲学者ではないかのように評価されていたのですが。

ラマルティーヌのメディタシオン・ポーエティックス(瞑想詩集)、
ユゴーのレ・コンタンプラシオン(静観集)、
ランボオのイリュミナシオン(幻視集)、
マラルメのディヴァガシオン(とりとめない妄想集)、
これらは実際的な哲学を持った人々の浪漫主義の詩であったり、
世間をやや離れた高踏派(パルナシアン:芸術の神の住むパルナッソスの者たち)の秘教的な芸術だったりします。

ユゴーまでの特徴は溢れる感受性、ポジティヴな思想。

またスタンダール、バルザックにはボナパルティスム、
英雄への成り上がり願望のようなものがあります。

ユゴーに「あなたは新しい戦慄を創造する」と言われたボードレールは「ロマン派の中の悪魔派」を名乗っていました。
これはユゴーのレ・ミゼラブルの終盤にも現われる「灼熱のマントを羽織り、灼熱の王冠をいただき」「光輝く地獄」といった表現や、ランボオの「地獄の季節」とも共通するでしょう。

マラルメ以降の特徴は感情の抑制、一方で肉体欲望の放出といった所でしょうか。

ヴァレリーはマラルメなどを完成した「古典」、ロマン派をその先駆的な「未完成系」と捉えていました。

ロマン派の中には小説家たちのレアリスム(写実主義)やナチュラリスム(自然主義)も、詩人たちの象徴主義やシュールレアリスムもあります。ユゴーは小説家にして詩人であり、どちらでもありました。そしてヴァレリーも評価しているように、優れた詩人はまた優れた評論家でもありました。

ユゴーこそは、ロマン派の全てを備えた、ロマン派の王であったと言えるのではないでしょうか。

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