社会を科学の目でコミュの後手後手の北朝鮮打ち上げ対応策

■防衛相が初の破壊措置命令、北ミサイル迎撃で
(読売新聞 - 03月27日 09:18)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=790457&media_id=20

北朝鮮のミサイル打ち上げテストに関して，日本政府はかなり歯切れが悪いですね。

とりあえず，現実的に日本に被害が出る可能性は低いですが，かなり悪質な挑発行為であることは確か。北朝鮮が駆け引きとしてかなり強引な手段を使ってきている点についても，日本に打てる手は無いと甘く見ていることは明らか。仮にイランがイスラエル上空を通過する打ち上げ試験を行うと発表したら，イスラエルは問答無用でミサイル発射施設を攻撃・破壊するでしょう。

イスラエルはイランの西側に位置しているので，イランがロケットをイスラエル上空を通して打ち上げるとしたら平和目的であることはありえず，挑発の度合いが違うので単純な比較はできません。逆に，北朝鮮が人工衛星を北朝鮮領内から打ち上げるとしたら，日本上空を通過させないことは不可能なので，仮に北朝鮮が完全に平和利用目的で宇宙開発をしていたとしたら，それはそれで地理的な運が悪いとも言えますが，何を目的に何を打ち上げるのでも，他国に危険を及ぼすのは論外。

そんな中，後手後手感しかなく，ハッキリ言って当たる可能性が低いMDシステムやPAC3を「対策」として前面に出さすのではなく，おおっぴらに発射施設に対する直接攻撃も論議の範囲に入れても良いと思うのですが，どうなんでしょうね？　念のためミサイル防衛策を発動するのは当然ですが，それ「しか」しないというのは，どう見ても北朝鮮に振り回されているようにしか見えないから，国際的にかなり見苦しいです。

僕自身は危険の低さから考えて攻撃には反対ですが，回りくどい言い方で直接攻撃の言及すら避けるのではなく，「少しのリスクを負ってでも，平和憲法の信念に法って，直接攻撃は行わない！」と堂々と宣言するのが国際的にも潔く見栄えが良いし，万が一実際に被害が出た場合の世論コントロールの伏線も張れる気がします。そうハッキリと言っておけば日本の立場も強くなるし，直接攻撃の選択肢を選ばないという「積極的な決断」をアピールすること自体も長期的にアジア極東地域の安定につながると思います。

逆に，今のまま万が一被害が出てしまった場合，なし崩し的に自衛隊による先制攻撃を容認する世論が高まることが心配。政権周辺のタカ派にとっては持ってこいの好条件を与えてしまいます・・・どっかの都知事の発言もその辺から来ているのでしょう。

なにはともあれ「日本という国はこうあるべき国なんだ」って堂々と胸を張って言える器の大きい政治家がいないのが寂しいですね。