香港映画脇役悪役列伝コミュの【男優列伝】リー･シュウケイ(李兆基)

1949年12月4日､香港生まれ。映画界入りする前は､ストリート･ギャングの一員で薬物中毒だった時期もあるが､それを克服し組織からも抜けて社会復帰した。80年代に入りリンゴ･ラム(林嶺東)監督から強い依頼を受けショウ･ブラザース傘下のTVBが制作したドラマに参加。"香港ニューウェーブ"派の映画人と交流を重ね､映画デビューの90年にはいきなり５本に出演した。同年にはプロデューサー業も開始し､そのあまりに異色な経歴は､後年大ブームを巻き起こす｢欲望の街古惑仔｣シリーズのキャラクター造型に大きな影響を与えた。
大柄な体躯と強面､アクの強いキャラクターで､130本以上出演した映画では悪役を演じることが多かったが､所謂ラスボス的な極悪人を演じることは少なく､どこかコミカルで哀愁すら漂わせる小悪党や善玉の脇役で大いにその個性を発揮した。多くの映画人が海外へ移住した返還前後も香港映画界へ残り､俳優は勿論プロデューサー､監督､脚本も兼任し､沈滞する映画界の屋台骨を支え続けた。
2015年には中風を患い､2018年には肝臓がんが発覚し患部を切除。長らく独身だったが2019年2月に58歳の女性と結婚。直後の6月2日肺に転移したがんの為香港の病院で死去。享年69歳。

＜主な出演作品＞
サンダーボルト、反逆の絆、バイオレンス･コップ(90)、raid-ers レイダース、新精武門、リー･ロック伝大いなる野望 Part1 炎の青春(91)、新･愛と復讐の挽歌ラヴ＆デス、カジノタイクーンⅡ(92)、風よさらば、人肉燈籠、スター伝説、ワンダーガールズ東方三侠(93)、男たちの挽歌４、女淫地獄絵巻、ゴッド･ギャンブラー完結編(94)、大陸英雄伝、復讐のプレリュード(95)、男たちの挽歌･烈火之章、欲望の街古惑仔Ⅰ･銅鑼湾(コーズウェイベイ)の疾風、欲望の街～古惑仔Ⅱ･台湾立志伝、新･欲望の街古惑仔Ⅲ 古惑仔(こわくちゃい)旋風､再び、欲望の街･純愛篇紅い疾風、不夜街復讐の天使たち、ロンリーウルフ、食神(96)、新･欲望の街古惑仔Ⅳ～'97古惑仔(こわくちゃい)･最終章、ミッドナイト･エクスプレス、恋する季節、初恋無限、ハッスル･キング(97)、ラッキー･ガイ、硝子のジェネレーション、エクソシスト最後の霊戦、ポートランド･ストリート･ブルース、風雲ストームライダーズ、ゴッド･ギャンブラー賭侠復活、激戦(98)、喜劇王、センチュリー･オブ･ザ･ドラゴン、トリック･マスター(99)、Ｓ猟奇連続殺人(2000)、最･危険人物(2010)、奪命金(2011)、レクイエム最後の銃弾(2013)