ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

酒の詩歌句&酒本コミュの酒の詩歌を紹介

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 お酒の詩歌を見つけたらぜひここに紹介ください。時代や国を問いません。

コメント(33)

 『カルミナ・ブラーナ』は南ドイツのミュンヘンの南のとある教会で19世紀初頭に発見された中世ラテン詩歌集です。日本で言えば、中世歌謡の『閑吟集』に相当するものでしょうか。
 老いも若きも、貴賎も聖俗もなべて隔てなく飲んで愉しもうという酒讃歌です。中世ドイツの学生が酒場で好んで歌ったそうですから、これがドイツ学生歌「乾杯の歌」として受け継がれているのかなあなんて思ってます。
 
「俺たちが酒場にいるときにゃ」(沓掛良彦訳)

俺たちが酒場にいるときにゃ
この世のことは気にならず、
早速賭博に手を出してそれに憂き身をやつす。
金さえ出せば飲ませてくれる
酒場とはどんなところか、
問うてみにゃなるまい。
さはさあれ、お聴きあれ俺の言うことを。

打つやつ、飲むやつ
無頼な暮らしを送るやつ。
博打にふけって身ぐるみ剥がれるやつもいる。
着物にありつくやつもいりゃ、
南京袋を着るやつもいる。
死なんざ誰も怖がらず、
酒神におのれの運を賭ける。

まず酒杯を上げるのは酒代のため、
それがあるから放埓なやつらが飲めるから。
次いで囚われたやつらのために飲み、
三番目にゃ生きとし生けるもののために飲む。
四番目にゃキリスト教徒全部のため、
五番目にゃ信心深かった死者のため、
六番目にゃ浮世ずれのした尼さんのため、
七番目にゃ森に棲む追剥ぎどものために飲む。

八番目にゃ堕落した坊主どものため、
九番目にゃ遊歴する修道士どものため、
十番目にゃ船乗りたちのため、
十一番目にゃ喧嘩好きのやつらのため、
十二番目にゃ罪を悔いたやつらのため、
教皇のためにも王様のためにも、
みんなが無差別に飲む。

女主人公が飲む、旦那が飲む、
兵士が飲む、坊主が飲む、
あの男が飲む、あの女が飲む、
下男が下女と飲む、
はしこいやつが飲む、怠け者が飲む、
白いやつが飲む、黒いやつが飲む、
腰をすえたやつが飲む、うろつくやつが飲む、
無学なやつが飲む、司祭が飲む。

貧乏人と病人が飲む、
国を追われたやつと見知らぬやつが飲む、
子供が飲む、老人が飲む、
司教が飲む、司祭が飲む、
老婆が飲む、母親が飲む、
この女が飲む、あの男が飲む。
百人が飲む、千人が飲む。

みんながきりもなく
こう大酒を飲んだ日にゃ、
いくら陽気に飲んだとて、
六百貫の銭もたちまち消えうせる。
こうして俺たちゃみんなにたかられ、
文無しになるという次第。
俺たちにたかるやつらは非難されて、
義人とは一緒になるな。
フランソア ヴィヨン

昔ヴィヨン詩集を持っていたのですが
どこかへ行ってしまいました。
その破天荒な生涯から「酒と無縁」でないはずと
ネット検索したのですが・・・
詩そのものの紹介サイトがなく・・・・
古書探し名人の淀さん、見つけられると
好い情報が得られるのではないかと思いますが・・

(『形見分け』・13 鈴木訳では十六)


一つ、純然たる贈与として/ 
わたしの手袋と絹の短いコートを /
わが友ジャック・カルドンに与えよう/
それと、柳の繁みになるドングリ、/ 
毎日、ふとったガチョウ一羽と、/
最高に脂の乗った去勢鶏一羽、
チョークみたいに濁った白葡萄酒十樽、/
そして肥りすぎぬために、訴訟を一件。 
『ギリシャ詞華集』より“人生儚き酒詩”2編

『ギリシャ詞華集』は前7世紀から期限10世紀頃までの詩の集大成である。
そのなかから、短い人生、大いに酒を愉しもうという“人生儚き酒詩”の類を沓掛良彦氏の名訳で紹介しよう。作者は4世紀後半に活躍したパルダ(ラ)スである。

「人生は愉楽」
これこそが人生よ、
これこそがまさにそれよ、
  人生は愉楽。
煩いよ去れ!
短きものは人間の一期よ、
   それ、酒だ、踊りだ、
   花環だ、それに女だ!
今日という日を悦楽の中に過ごそうよ、
明日の運命を知る者なぞは
  誰一人とてないのだから。

「世にあるほどは楽しくおらな」
世にある人間は誰とても
ついには死ぬるがその定め。
明日という日に己というもの
生きてあるかということすらも
死すべき身にて知る者はなし。
されば、おい人間よ、
これをとっくと心得おいて
大いに陽気にやるがいい
存分に酒を喰らい、死なんぞ忘れてな。
それにまた、こんなはかない人生を
送るのだからその間に
アフロディテの愉しみも  (愛と美の女神)
存分に味わい楽しむがいいだろう。
その他のことは何もかも
運命の手にまかせてしまうのさ。
佐々木久子さんの酒句

長く『酒』誌の編集長をやられた随筆家の佐々木さんは俳号、柳女で俳句も詠まれることを、最近、古本で買った『酒縁歳時記』で知った。
 本書から俳句をいくつか紹介します。

酒徳ある人とすごさん松の内
雪割りの酒酌む旅は艶だちて
花と人心寄せあふ宴かな
短夜は心つぎあふ酒縁なり
酔い泣きの酒くむ今日は原爆忌
木曽の秋地酒さかなは手打そば
天高し鯉おどる夜の美し酒
寒き夜を燗あつくしてひとり酒
限りなき酒縁の旅や雪あかり
中原中也の未刊詩篇より

「夜空と酒場」

夜の空は、広大であった。
その下に一軒の酒場があった。

空では星が閃めいてゐた。
酒場では女が、馬鹿笑ひしてゐた。

夜風は無情な、大浪のやうであった。
酒場の明りは、外に洩れてゐた。

私は酒場に、這入って行った。
おそらく私は、馬鹿面さげてゐた。

だんだん酒は、まはっていった。
けれども私は、酔ひきれなかった。

私は私の愚劣を思った。
けれどもどうさえ、仕方はなかった。

夜空は大きく、星もあった。
夜風は無情な、波浪に似てゐた。
昼休みに古本ギャラリーの店に立ち寄り、展示の詩画集を見たが、興味ある古雑誌(ムック)を発見、購入、500円也。
 
 『日本発見―酒と日本人』(1979)

 当書に草野心平が、自作の「日本の酒」に関して一文を寄せている。その詩とは、
  
  大きなエイ型の北の島から。
  開聞岳の見える海辺の村まで。
  ニッポン全土に。
  ニッポンの酒はゆきわたる。
  舌の上からまるまっておちる。
  琥珀色の液体の。
  もやのような芳香と芳醇と。
  ……
  その陶然と浩然と歌と踊りを。
  現代の。そして未来の友よ。
  賞めたたえよ。
  美しいニッポンの。
  ニッポンの酒を。
  
 胃は1/3ながら主食はワンカップ3杯、しかし肴はチョッピリずつというから驚きだ。大きな酒樽も利用して書庫にしていた。

 日本酒の後退が嘆かれる昨今、亡き心平の遺言のように感じられ、安部総理の「美しい日本」ではないが、美しい自然と心が育む日本の酒を賞味しよう。
 直木賞作家の山口瞳によるエッセイ『酒呑みの自己弁護』で歌人、吉野秀雄先生の酔ったときの愛唱歌が紹介されていましたので、これも酒の詩歌といってよいのか判断しかねるところですが、紹介します。

 吉野秀雄先生はそんなに酒に強くはなく、酔態といえば地面に寝たり電柱に抱きついたりしてしまうが、酔うと口ずさむ愛唱歌というか酔唱歌なんです。
 戦後のアメリカナイズ社会を表すような片言英語まじりの歌であり、節は分からないが、ノスタルジーを感じるとともに、著名な歌人とは思えない愛すべきたわいなさに拍手をおくりたいです。

  サンクフル、サンクフル、ベリマッチ
  アイラブユウ、ユウラブミイ
  恋はその日の出来心
  ベビーちゃんが出来ても
  アイドントノウ

 それでも吉野先生、家に辿りついて、しっかり歌を詠んでおられるのです。
 「みだらかに酔ひ痴れいしが戻りきて四人の子らの寝姿覗く」
秋の酒句で一杯飲みましょうか。

1.うっとりと酔うて夜永の太夫かな(吉井勇)
2.徳利から徳利へ秋の夜の酒(山頭火)
3.酔ひざめのつめたい星が流れた(山頭火)
4.したたかに酔うてなほかつ夜長かな(江口慈酔郎)
5.秋の夜や泉のごとく酒鳴らす(角川源義)
6.秋風の袂を捜る酒銭哉(尾崎紅葉)
7.秋風や酒肆に詩うたふ漁者樵者(蕪村)
8.ワイングラス冷えてホテルの秋深し(山口ひさ)
9.霧深く酔いまだしや酔芙蓉(水原秋桜子)
10.少しばかり酒たしなむや菊膾(村上鬼城)
一昨日は仲秋の名月、今日は満月が輝いていました。
井伏鱒二の「逸題」より。初恋を偲ぶ夜というあたりが、いいですね。よしの屋は新橋にあった飲み屋です。

今宵は仲秋名月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあわせ
よしの屋で独り酒をのむ

春さん蛸のぶつ切りをくれえ
それも塩でくれえ
酒はあついのがよい
それから枝豆を一皿

ああ 蛸のぶつ切りは臍みたい
われら先づ腰かけに坐りなほし
静かに酒をつぐ
枝豆から湯気が立つ

今宵は仲秋名月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあわせ
よしの屋で独り酒をのむ
 作家で稀代のビーラー、火野葦平さん(1907〜1960年)の「ビールの歌」です。筆で短冊に一気に記したそうです。(『酒童伝』より)

ビールこそよろしきものか白き泡
  かみつつあれば世界はいらず
エジプトのナイルのほとりピラミッド
  築ける昔ビール生まれぬ
コボコボと鳴れるビールのこの音に
  我一生をあやまると知る
ビールびん百ダースほどならべおき
  将軍のごと閲兵をする
さびしくはビールの樽の人となり
  赤い夕日の坂をころげん
生き生きてビールのびんのレッテルの
  天然色の春に逢いけり
君がためあれを作ると友どちは
  ホップ畑をわれに示しぬ
栓ぬきは要らずとびんを二つとり
  河童抜きして栓ぬき屋を泣かす
ビールと共に派や三十年は経ちにけり
  女房と別れてもビールとは別れず
ビール飲めば喧嘩の種の二つあり
  論ずべからず女と平和
この苦さなににたとえんビールこそ
  古ぼけ恋の消えぬ味かも
わが友のビールびんの九分ほどは
  税金なりと知れば悲しき
小説を書く苦しみを慰むは
  女房にあらずビール一杯
水の香に水を恋い行くホタルのごと
  ビールのにおいに引かれ行くかも 
中原中也「渓流」

 昨夜、NHK教育テレビのETV特集「大東京の真中で、一人」は中原中也の人物と詩作が、彼を慕う町田康をレポーターとして、数人の文学者、芸術家の目を通して浮き彫りにされていた。17年の東京での孤独な生活、山口に帰る直前に30歳で結核性脳炎で夭逝するまでの生き方が優しく綴られていました。

 この番組で、朗読された「渓流(たにがわ)」を記します。亡くなる直前の詩です。

渓流で冷やされたビールは、
青春のように悲しかつた。
峰を仰いで僕は、
泣き入るやうに飲んだ。
ビショビショに濡れて、とれさうになつてゐるレッテルも、
青春のやうに悲しかつた。
しかしみんなは、「実にいい」とばかり云つた。
僕も実は、さう云つたのだが。
湿つた苔も泡立つ水も、
日陰も岩も悲しかつた。
やがてみんなは飲む手をやめた。
ビールはまだ、渓流の中で冷やされてゐた。
水を透かして瓶の肌へをみてゐると、
僕はもう、この上歩きたいなぞとは思はなかつた。
独り失敬して、宿に行つて、
女中(おねえさん)と話をした。(1937.7.15)
何かこんな凄まじい酒飲み歌があるようで
(歌詞コピー制限が掛けられてます)

http://lyric.kget.jp/lyric/li/zq/
2006年10月05日 22:36の御コメントで紹介されています
草野心平の一文!
これが日本の正統ですよね。
現代人の心に今一度呼び醒ましたいものです。
 ならまちの古書店でゲットしたのが、新劇俳優の故中村伸郎著『永くもがなの酒びたり』(早川書房、1991年刊)というエッセイ集。
 中村さんは本書が出版される直前に亡くなられているが、自らへの追悼文も掲載されているのは、人柄を偲ばせる。優しいタッチの装画も中村さんによるものだ。
 
 趣味であった俳句もいくつか掲載されているが、好きだった酒に関する句をここにいくつか紹介させていただく。

 演技賞をもらい手酌の寝酒かな
 死にそびれ寝そびれている寝酒かな
 夏ばての梅酒のオンザロックかな
 奇遇とて昼酒となり冷奴
 人肌の燗酒がよき秋刀魚かな
 燗酒と秋刀魚の味と老妻と
 枝豆や膝をくずして酒を待つ
 まず酒はよしとろろ汁吸ってみる
 熱燗や永くもがなの酒びたり
 酔うほどに湯豆腐箸を逃ぐるかな
 懐の手を出す酒の燗つきて
 あとをひく酒に銀座の霙かな
 深ヵ酔が本音を語るおでんかな
 深ヵ酔のろれつやメリイクリスマス
 熱燗に自分を責めて酔深め
 友の死を燗熱うして悼みけり
 死ぬまでは生きていて燗熱うする
 飲みすぎし寝酒に枕たぐりけり
 この酒がいつまで飲める除夜の鐘

 庶民的な円やかな酒句ですね。
 ちなみに余輩、今宵は純米吟醸の冷酒と焼き秋刀魚で晩酌しました。
故・露の五郎師匠の酔句

先月30日に77歳で亡くなられた、前大阪落語協会会長、露の五郎兵衛さん、あまり知られてないかもしれませんが、川柳家でもあった。
その著『露の五郎川柳句集』(東方出版)から、お酒の句を紹介。


顔ぶれがそろたそろたと酒になり
ほろ酔いの頬に梅が香のせて東風
もう泣かぬ泣かぬと酔ふて泣いている
晩酌は晩酌にして外は外
わけもなく先ず乾杯だ乾杯だ
からみ酒ごてる奴ほど先に酔う
顔中をクシャクシャにして「この味や!!」
ささくれた心を包む酒に酔い
酔眼がすわって口説き怖くなり
賑やかな友と別れてからの酔い
仲のええ御神酒徳利やったのに
親友を悪友にして午前さま
酔いました酔うたさかいに言うけどな
舞扇貸してと持てる下戸もあり
不意の客スルメの足と茶わん酒

「もう泣かぬ泣かぬと酔ふて泣いている」など同語を重ねての面白味、
「酔いました酔うたさかいに言うけどな」のような庶民性あふれる大阪弁口調で酒飲みの真理や心理を詠うあたり師匠の真骨頂でしょうか。

「酔っぱらい真理をひとついってのけ」(岸本水府)
スーパーにゆくと、梅酒用の梅が並んでいる。
 家で、3年前の6月25日に造った梅酒の瓶を確かめると、四分の一ほど残っていた。先ず、その琥珀色を愛でながらストレートで少々味わうと、甘みの有る濃厚な味で顔が熱を帯びる。あとはグラスで3倍ほどに希釈して飲んだ。

 高村光太郎の『知恵子抄』(新潮文庫版)を読み直したが、智恵子の亡き2年後(昭和15年)に詠んだ「梅酒」という詩、妻が残した梅酒に二人の想いが、人生が凝縮されている。

「死んだ智恵子が造つておいた瓶の梅酒は
 十年の重みにどんより澱んで光を葆(つつ)み、
 いま琥珀の杯に凝つて玉のやうだ。
 ひとりで早春の夜ふけの寒いとき、
 これをあがつてくださいと、
 おのれの死後に遺していつた人を思ふ。」で始まる。
 http://www.h6.dion.ne.jp/~jofuan/myhaiku_048.htm

「からくりうた」の詩に「国はみちのく、二本松のええ 赤の煉瓦の酒倉越えて 酒の泡からひょっこり生れた 酒のようなる よいそれ、女がにげたええ…」とあるように、智恵子の生れは福島県の二本松の蔵元であった。
 この二本松は余輩の大好きな、そして日経ランキングで燗酒ナンバーワンとなった「大七」の蔵があるところだ。

 先般、イムイムさんから頂いた吉井勇『酒ほがひ』(明治43年刊の復刻版)のそもそもの装丁は高村光太郎であり、表紙はライトグリーンの布地にアラビア文字とワイングラスを金文字で刻印したシンプルさだが、さりげなく凝った洒落たもの。背表紙は一転、味わいのある日本字で金字の刻印がある。
★井伏鱒二と阪田寛夫の蛸酒詩

先頃88歳で亡くなった庄野潤三が若い頃から好んで読んだのが井伏鱒二の作品だ。画家志望だった井伏の『山椒魚』『寒山拾得』『朽助のいる谷間』など旅先に題材を求めたスケッチ風の活き活きした自然描写を際立つペーソス漂う短編の作風は、夫婦小説とか家庭小説と称されるごとく場面設定や時代は異なるとはいえ、妻、子供や動物、自然の描写に哀愁がある庄野の短編と似ている。
 
 なお、『朽助のいる谷間』はダムに埋もれる村落の主人公の悲哀を描いており、昨今の八ッ場ダムの建設の中止問題と絡めて読むと考えさせられる。

 さて、庄野の師とも言える井伏鱒二と、後に紹介する庄野の弟子とも言える阪田寛夫には、蛸を酒の肴とした詩があることを発見したので、以下に紹介しよう。
 井伏には「勧酒」(于武陵作)という漢詩の名意訳でも知られている。
 コノサカヅキヲ受ケテクレ ドウゾナミナミツガシテオクレ 
 ハナニアラシノタトヘモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

 それと、高校時代から井伏が好きで好きで、小説を書いて自主出版した同級生Hがおり、中学の校長になり市文化会館の館長を務めた。遅すぎるが、今あらためて、彼の気持ちが分ったような気がする。

 井伏鱒二「逸題」

 今宵は仲秋名月
 初恋を偲ぶ夜
 われら万障くりあわせ
 よしの屋で独り酒をのむ

 春さん蛸のぶつ切りをくれえ
 それも塩でくれえ
 酒はあついのがよい
 それから枝豆を一皿

 ああ 蛸のぶつ切りは臍みたい
 われら先づ腰かけに坐りなほし
 静かに酒をつぐ
 枝豆から湯気が立つ

 今宵は仲秋名月
 初恋を偲ぶ夜
 われら万障くりあわせ
 よしの屋で独り酒をのむ

 ときあたか来月3日は仲秋の名月ですね。

 一方、阪田(1925年〜)は朝日放送時代、庄野潤三の職場の後輩で、その文学への影響を強く受けた大阪の作家だ。
 自らも『土の器』で芥川賞を受賞しており、詩人でもあり、「さっちゃん」など童謡作詞家でもある。
 
 阪田寛夫「じいさん酒のんで」

 じいさん入れ歯で酒のんだ
 肴は生憎ひねた蛸
 腕を枕に寝たふりしてる
 仕方ないからしゃぶって一献
 坊主頭をたたいてニ献
 それでも起きない蛸憎し
 「蛸寝の山は天から剣」と
 脳天、箸で串刺せば
 蛸は寄り目で思案をしたが
 腕をのばして徳利をかかえ
 浪音ききもて末期の酒を
 「ちゅうちゅう蛸かいな
  ちゅうちゅうちゅう蛸かいな」
今日は「日本酒の日」。各地でイベントが行なわれているが、仕事があって出歩けない。
 
 川上弘美『センセイの鞄』は、センセイと教え子の女性との20年ぶりの偶然の再会が赤提灯の一杯呑み屋であった。気さくな酒呑み友達の関係が、そこはかとなく恋情へと発展する物語。

 これに相応しい詩があった。織田作と三高で同期だった富士正晴の「恋うる酒」だ。熱燗の温もり、人の温もり、恋いしやのう。


 富士正晴「恋うる酒」

恋しやのう
もの恋しさのこの酒は
恋しやのう
人恋しいか 人恋しいぞ
酒恋しいか 酒恋しいぞ
ついでにうまい肴も恋しいぞ
明るい灯 恋しいぞ
巷のざわめき 恋しいぞ
恋しやのう お前さまが尚こいし

 川上弘美さんは、ぜひ日本酒造組合で顕彰してあげてほしい。
 昨日は高村光太郎の愛妻、智恵子の命日。
 遅ればせながら、光太郎が智恵子を偲びつつ、彼女が元気な頃に造って遺こした梅酒を味わう詩を紹介。なお、彼女は福島の造り酒屋の娘でした。

 「梅酒」

死んだ智恵子が造つておいた瓶の梅酒は
十年の重みにどんより澱んで光を葆(つつ)み、
いま琥珀の杯に凝つて玉のやうだ。
ひとりで早春の夜ふけの寒いとき、
これをあがつてくださいと、
おのれの死後に遺していつた人を思ふ。
おのれのあたまの壊れる不安に脅かされ、
もうぢき駄目になると思ふ悲に
智恵子は身のまはりの始末をした。
七年の狂気は死んで終つた。
厨(くりや)に見つけたこの梅酒の芳りある甘さを
わたしはしづかにしづかに味はふ。
狂瀾怒涛の世界の叫も
この一瞬を犯しがたい。
あはれな一個の生命を正視する時、
世界はただこれを遠巻きにする。
夜風も絶えた
美森さんから白雲山人さんによるハイヤームとバイロン卿の仮名訳詩を紹介いただきました。
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=25253025
  
☆ルバイヤートの仮名訳詩(白雲山人=安藤孝行の訳)

 オマール・ハイヤームのルバイヤートの訳といえば、小川亮作さんと陳舜臣さんによるものしか知らなかったので、白雲山人さんによる流麗な訳出には驚きました。 
 四行詩ルバイを五行書きの和歌にて そのエッセンスを抽出しています。

   にがしとや
   さもことはりぞ
   くれなゐの
   さけはちしほの
   いろにしあれば

☆バイロン卿「再びみたせ杯を」の訳詩(同白雲山人訳)

 5757...の繰り返しで律を整えた8連からなる酒を寿ぐ美しい詩歌です。

     1
   ふたたびみたせ さかづきを
   かほどにこころ たのしむを
   われまたかつて しらざれば
   いざやくみなむ うまざけを
   たれかこばまむ このつきを
   いつはりおほき ひとのよに
   こころをゆるす ともあらば
   いましをおきて たれかある

   ( 中略 )
     8
   あまきぶだうに さかえあれ
   さかりのなつの すぎゆかば
   おいらくのひの なぐさめは
   まろかにうまし うまざけぞ
   ひとのいのちは かぎりあり
   かみゆるしませ わがつみを
   あまつをとめよ ねがはくば
   さかづきみたせ なみなみと
☆アラブの酒詩

 イスラムではコーランの教えにもとづき酒は禁じられているが、かつてはペルシャ(現イラン)を初めアラブ諸国で酒は飲まれており、詩にも詠われている。
 
 有名な『ルバイヤート』の内容は来世に対して否定的で、現世を享楽すべきという「宿命論的享楽主義」と解釈されています。
 来世のために徳を積む、瞑想して悟りを得る、無常観から遁世するなどという一般の宗教の価値観とは相容れないものです。逆に、唐代の詩人であり酒仙の李白の「浮生は夢の如し、歓びを為すこと幾ばくぞ」「所以に終日酔い」といった人生観とか美学に近いものを感じます。
 なお、詠われている酒は葡萄酒です。

●アブ・ヌワース「二つの陶酔」(8〜9世紀)―塙治夫訳

ライラーやヒンドのために一喜一憂するのはよし給え。
薔薇を愛でつつ薔薇のような赤い酒を飲み給え。
盃から酒が喉に流れ落ちると、目と頬をたっぷりと紅に染めてくれる。
酒はルビー、盃は真珠、それをもつのはすらりとした遊び女のたなごころ。
彼女は酒を目から注ぎ、手から注ぎ、私は二度酔わずにいられない

●オマル・ハイヤーム「ルバイヤート」(11〜12世紀ペルシャ)―小川亮作訳

酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、
また青春の唯一の効果(しるし)だ。
花と酒、君も浮かれる春の季節に、
たのしめ一瞬を、それこそ真の人生だ!(133)

もうわずらわしい学問はすてよう。
白髪の身のなぐさめに酒をのもう。
つみ重ねて来た七十の齢の盃を
今この瞬間でなくいつの日にたのしみ得よう (141)

●ハーフィズ(14世紀ペルシャ)―黒柳恒男訳

朝だ、酌人よ、酒杯に酒を満たせ
天の運りに遅れはない、急いでくれ
この浮世が滅び去らぬうちに
薔薇色の酒の杯でわれらを酔いつぶせ
酒の太陽が酒杯の東から昇った
愉しみの手段を求めるなら眠りをやめよ
天輪がわれらの土で壺を作る日に
必ずやわれらの頭の鉢に酒を満せ
われらは禁欲、後悔の徒でなく、たわ言も言わぬ
清き酒の杯についてわれらと話せ
ハーフィズよ、酒を崇めるは善き行い
起きよ、善行を積む決意を固めよ (396篇)

●アラビアンナイトから(16世紀頃)―大木惇夫訳

かくも溢るるわが涙、
酒の流れときそひつつ
絶えせぬ涙、わが涙、
盃に満ちたる酒に似て
赤き血潮よ、わが涙、
かくも涙の流れしを
つゆだに知らぬ、かにかくに
飲むは涙か、はた酒か。

善き哉や、げにも善き哉、
盃と、なつかしき酒、
なみなみと注げ、大杯に、
われ乾さむ、生命の泉。
こちらのサイトで
古いアラビア(イスラム以前)の酒歌
が紹介されてます。

http://www.daito.ac.jp/gakubu/kokusai/asia21/sake/islam.html
フランチェスコ・レーディ
「トスカーナのバッカス」(1685年)



 美しきアリアドネーがその白い手先で
 モンテプルチャーノの
 恵みを注いでいる

 その壺一杯に満たして、私に差し出しておくれ

 その葡萄酒は心に流れ込んでいく

 嗚呼、なんという喉越し、キスして噛んでおくれ
 嗚呼、目に浮かぶ涙のように、私を溶かしておくれ

 私は驚愕し、腰を抜かすほどだ
 うっとりと恍惚状態になる
 その名が崇めるバッカスの波

 バッカスが詠い、信仰を与える
 この高らかなる命を聞きなさい
 モンテプルチャーノのすべての葡萄酒は王である!

http://www.aledaexport.it/shop1_3.html
磯さん

イタリアの酒詩は始めてです。よくぞ見つけられました。
ぜひ、マイサイトに掲載させていただきたく。
梅酒の季節です。
高村光太郎の、亡き妻の漬けた梅酒を味わう詩は有名ですが、
大阪の詩人、茨木のり子さんは逆に亡き夫を偲んで彼の命日に梅酒を味わう詩を遺していた。平成18年、79歳で亡くなったとき、自宅で遺稿が見つかったもので、甥が『歳月』との詩集に収めた。

 茨木のり子『梅酒』  

  梅酒を漬けるとき
  いつも光太郎の詩をおもいだした
  智恵子が漬けた梅酒を
  ひとり残った光太郎がしみじみと味わう詩
  そんなことになったらどうしよう
  あなたがそんなことになったら…
  ふとよぎる想念をあわててふりはらいつつ
  毎年漬けてきた青い梅

  後に残るあなたのことばかり案じてきた私が
  先に行くとばかり思ってきた私が
  ぽつんと一人残されてしまい
  梅酒はもう見るのも嫌で
  台所の隅にほったらかし
  梅酒は深沈として醸されてとろりと凝った琥珀いろ

  八月二十八日
  今日はあなたの誕生日
  ゲーテと同じなんだと威張っていた日
  おもいたって今宵はじめて口に含む
  1974年製の古い梅酒
  十年間の悲しみの深さ
  グラスにふれて氷片のみがチリリンと鳴る
  
朝鮮王朝末期 大院君の時代の 時調です。

   翁よ 翁よ 林泉に潜みし 翁よ
   詩と酒と歌と はた琴と碁に 日をば送りて
   俗の世の栄え求めず 清らにも老いし翁よ
  
以下 植村幸生 『韓国音楽探検』より

 古典音楽は十七世紀ごろから盛んになっていったことがわかるが、その時代は、両班(ヤンバン)の政治的・文化的リーダーとしての実力にかげりが出始めたころである。折しも、秀吉の侵略の傷跡が生々しく残るこの時代、両班に代わって文化面で活発な動きを見せ始めたのは、「中人(チュンイン)」という準インテリ階級である。中人の定義はたいへん難しいのだが、ここではひとまず、身分的な壁にはばまれて両班になることができず、主として実務的な役職(通訳・技術者・医者など)についた者、と理解しておく。中人は高度の専門知識に加え、朱子学にしばられない自由な思想を身につけていながら、官位に恵まれないことから、その知的エネルギーは文化・芸術に強く向けられたのである。また両班のなかからも、はてしない権力闘争に明け暮れる中央政界に嫌気がさして、あるいは追放されて、文人生活に没頭する者が現れた。

 彼らは、自然を愛し、酒を愛し、そして音楽、詩(漢詩と時調)、書芸、絵画を愛した。そんな彼らが集った一種のサロンのことを「風流房(プンニュバン)」などと呼んだが、そこでは俗世界の掟である身分や立身出世など、大した意味をもたなかった。実際、風流房での私的な音楽の集まりでは、両班・中人といったアマチュアと、掌楽院の楽工のようなプロの音楽家とが、同じ曲を一緒に演奏することも珍しくなかった。かたや上流階級、かたや庶民以下の低い身分、普通なら同席することすら不可能な両者の出会いが、風流房では実現したのである。両班や中人は、プロ音楽家たちのパトロン(後援者)にもなったし、自分自身が音楽を習って、なかにはプロ顔負けの高い実力をもつに至った者もいる。

 その時代の歌

   翁よ 翁よ 林泉に潜みし 翁よ
   詩と酒と歌と はた琴と碁に 日をば送りて
   俗の世の栄え求めず 清らにも老いし翁よ

 古典音楽は始め、儒教倫理の枠組みの中で、「たしなみ」の音楽として位置づけられていたが、朝鮮時代が終わりに近づくころには、その枠組みが徐々に崩れはじめ、芸術に身も心もゆだねてしまう耽美的な生き方、耽美主義が、静かに頭をもたげていたのである。
 
1930年代後半になって朝鮮では、皇民化政策が強行され、強制連行が始まる。 今も、在日1世たちがこよなく愛する歌「番地なき酒幕」(處女林〈本名は朴英鎬〉作詞、李在鎬作曲)は、38年頃にヒットした歌だ。

 門札も番地もない酒幕に/雨がそぼ降る あの夜が哀しいや

 白年雪が歌った。行き交う旅人(ナグネ)が宿泊する酒幕(チュマク)で、明日をも知れぬ男女が別れの酒を汲み交わしたその夜を追憶する。

 婉曲な言い回しながらも激しい心情を訴えている。 民衆は白年雪の「悲しき旅人」(高麗星作詞、李在鎬作曲、39年頃)と「故郷雪」(趙霊出作詞、金海松、李鳳龍作曲、41年頃)を歌いながら、当時のうっぷんを晴らしたという。

 公演ではまた、朝鮮の美しい山河をこよなく愛し、誇らしく歌った「ノドゥルの江辺」「朝鮮八景歌」などの民謡も披露される。

 

『番地なき酒幕』

處女林作詞
李在鎬作曲
百年雪・歌
(1)
門札も番地もない酒幕に
雨がそぼ降る あの夜が哀しいや
しだれ柳 打ちつける 窓辺にもたれて
いつの日来るやら 泣いた人よ
(2)
ひまし油(アジュカリ)ランプのもと 差しむかい
ついだ別れ酒に 情けは燃えた
鬢髪(クィミッモリ)を撫でて 誓いはかたくとも
信じられない 信じられぬ 泣いた人よ

(3)
かみしめる唇に 血がにじむ
風紙に吹きつけて 夜雨もすすり泣く
流れ行く他關路(タグァンキル)は ここだけじゃないが
番地なき酒場が なぜ忘られぬ

磯城津彦さん
朝鮮の歌謡ほかありがとうございます。
下層の民の悲傷を痛切します。
古事記「酒楽(さかほがひ)の歌」
 ●神功皇后の御歌
  於是還上坐時、其御祖息長帶日賣命、釀待酒以獻。爾其御祖御歌曰、

    許能美岐波 和賀美岐那良受 この御酒は吾が御酒ならず
    久志能加美 登許余邇伊麻須 酒の神 常世にいます
    伊波多多須 須久那美迦微能 石立たす 少名御神の
    加牟菩岐  本岐玖琉本斯  神 ぎ 寿ぎ狂ほし
    登余本岐  本岐母登本斯  豊寿ぎ 寿ぎ廻し 
    麻都理許斯 美岐敍     献り来し 御酒ぞ    
    阿佐受袁勢 佐佐      乾さず飲せ ささ。


 ●建内宿禰の返歌
  如此歌而、獻大御酒。爾建内宿禰命、爲御子答歌曰、

    許能美岐袁 迦美祁牟比登波
    曾能都豆美 宇須邇多弖弖
    宇多比都都 迦美祁禮迦母
    麻比都都 迦美祁禮加母
    許能美岐能 美岐能
    阿夜邇宇多陀怒斯 佐佐

 ●応神天皇の御歌
  故、是須須許理、釀大御酒以獻。於是天皇、宇羅宜是所獻之大御酒而、御歌曰、
    須須許理賀 迦美斯美岐邇
    和禮惠比邇祁理 許登那具志
    惠具志爾 和禮惠比邇祁理

歌人松平盟子さんは1954年生まれで、歌誌「プチ★モンド」を主宰。俵万智(1962年生まれ)の先輩格にあたり、俵同様に洋酒を詠ったものが少なくない。

 シャンパンは唇づけに似てとは、甘酸っぱい?
 口移されしぬるきワイン、なに!?
 われを小花詰めにす、とは?
 彼女には酔いにまかせた官能性の濃い歌があるワイン。

  シャンパンは唇づけに似て唇づけは夜のひびきの名残りにも似て
  赤葡萄酒エルミタージュを好みたるニコライ帝の髭の濃かりき
  熟すまま来世紀まで寝かしおく葡萄酒千本そして恋人
  グラスまわし再び醒ますワインの香醒めよわがうちに香るものあらば
  口移されしぬるきワインがひたひたとわれを隈なく発光させる
  白ワインはあるかなきかの薄みどりあるかなきかは幸福に似る
  三十代日々熟れてあれこの夜のロゼワインわれを小花詰めにす
  ロゼ・シャンパンさやさやさやと発泡す生まれる星と死ぬ星の音
  眼をとじて聴きおり夜のシャンパンのつぶやきすべて愛にかわる
  ビール飲みあっさりアルミ缶潰す今日を捨てたし明日の日もまた
  カクテルは「Between the Sheets」うつぶせの背をゆっくりと夏闇に反る
  さみどりのオリーヴしびれつつ沈むマティーニまたは冷酷な湖
  ダイキリの酔いのふかみに下燃えの心のありか鮮やかとなる
    ダイキリ:ラム、ライムジュース、砂糖でつくる中辛口のカクテル

 ありがたいことに、日本酒もアピールしてくれていた。

  心ふかく人の隣にのむ酒の純米の純は醇にして潤
ヒレアー・ベロック「英雄詩型による葡萄酒讃歌」(篠田一士訳)

 フランスに生まれ、英国に帰化した文人。フランス革命以後のヨーロッパ文明を全否定し、カトリック信仰に生きた中世世界を理想とした論客という。
(篠田一士『世界文学「食」紀行』より)

  ありとあらゆる芸術のまことの親である葡萄酒よ
  まったき自由人の特権である葡萄酒よ
  記録を司る葡萄酒よ、さかしくたくましい葡萄酒よ
  よこしまな不正をほがらほがらと仇討ちしてくれる葡萄酒よ
  アウソニウスのミューズよ、目ざめよ、そして葡萄酒の唄をうたいたまえ

   *アウソニウスは紀元4世紀のラテン語詩人で、現在のボルドーに過ごし、葡萄酒を讃歌している。

ログインすると、残り2件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

酒の詩歌句&酒本 更新情報

酒の詩歌句&酒本のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング