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SFシネクラシックスコミュの『戦慄!プルトニウム人間』(『The Amazing Colossal Man』 1957)

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 続編の『巨人獣 プルトニウム人間の逆襲』(『WAR OF THE COLOSSAL BEAST』1958年)のDVDが発売されたのが2004年3月15日ですから、待つこと8年、ついにDVDが発売されました。もう嬉しくって、嬉しくって私の心は震えております。

 きょうはまちにまったプルトニウムばくだんのじっけんのひです。へいたいさんたちもうれしそう。みんなでトラックにのってじっけんじょうのネバダさばくにむかっています、みんな、おべんとうはもっているのかな、たまごやきは入っているのかな・・・てなことをやっているとこの非常時に不謹慎だと心の綺麗な人たちから怒られそうなので元に戻して、

 午前6時、いよいよ秒読みが開始されました。マニング中佐(グレン・ランガン)を中心とする実験部隊は爆発に備えて防護眼鏡で武装。ちょっと浅すぎるのではないかと思われる溝に身を潜めております。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1 爆破スイッチオン!ちゅどーんと思いきや何も起こらないという(笑)。このプルトニウム爆弾は未だに開発途中で起爆シークエンスが不安定なようであります。

 さあ、大変だ、こうなるといつ爆発するか分らない。爆発するまでじっと待ってなきゃいけない。兵隊さんたちも大変であります。

 と、その時上空から聞こえてきたエンジン音。なんと故障したと思しき偵察機が実験場へ迷い込んできたのです。偵察機は急降下、着陸を試みるのですが失敗してひっくり返ってしまいます。これを見たマニング中佐、よせばいいのに「パイロットはまだ生きているかも知れない、助けに行ってくる」と飛び出してしまったのです。これで無事パイロットを救出してしまったら映画はここで終わってしまいます(笑)。みんな、金返せと怒ります。マニング中佐が走り出たその時、爆弾が爆発。マニング中佐は原子の光に焼き鳥よりも無慈悲に焼かれてしまったのでした。

 マニング中佐は全身の9割に大火傷を負って病院へ運び込まれ、治療を受けたのですが絶望的な状況でした。心配して駆けつけてきたマニング中佐の婚約者 キャロル(キャシー・ダウンズ)も彼の主治医となったリンドストーム先生(ウィリアム・ハドソン)から病状を聞いてがっくりと肩を落としております。実はこの2人、今夜にでもラスベガスで結婚式を挙げる予定だったのでした。

 しかし、マニング中佐は死にませんでした。それどころか焼き尽くされた皮膚がたった1日で再生したのです。頭は剥げちゃったけれども(笑)、そのままぐんぐんと快方に向かいます。会議を開いた関係者達はこの驚異的な治癒能力がプルトニウムに関係しているのではないかと考えるのでした。

 そして事態はますます奇妙な方向へ。マニング中佐を見舞おうと病院へやってきたキャロル、彼の病室が空っぽになっていることを知って驚きます。しかも病院の人たちは「マニング中佐なんて知りませんなあ」というではありませんか。ではリンドストーム先生に聞こうと受付に問い合わせたキャロルでしたが、得られた返事は「リンドストーム先生は臨時の派遣医師でもういません」という極めてそっけないもの。しかし、キャロルは見てしまいました。受付のデスクに「リンドストーム ネバダリハビリセンターへ派遣」という書類が置いてあったのを。

 受付の人もそんな大事なもんぽいと放り出しておくな(笑)。

 リハビリセンターへ向かったキャロル。受付でマニングのことを尋ねるとやっぱり知らないと言われてしまいます。しかし、ここで引き下がる訳には行きません。受付の目を盗んでこっそりリハビリセンター内を調べるキャロル。彼女は探していたリンドストーム先生が出てきた病室へ入り、電気をつけた。そして振り返った彼女の目に飛び込んできたのはがーがーと鼾をかいているハゲの巨人でした。マニングの変わり果てた姿に悲鳴を上げるキャロル。

 見つかっちゃったものは仕方ないということでリンドストーム先生はキャロルにマニングの異変について説明します。「彼は1日に8〜10倍のスピードで成長しています。どうやら細胞の入れ代わりのバランスが狂っているらしいのです。凄いスピードで新細胞が形成されるのですが、古い細胞も死なずにそのまま成長を続けているのです」

 まあ、手早く言うとこのままだと巨人になってしまうということであります。愕然とするキャロル。

 そして意識を取り戻すマニング。彼は病室を見回してびっくり仰天。椅子、ちっちぇー!電話、ちっちぇー!ダイヤル回せねえ!あ、頭がすーすーする。げええ、毛がない、剥げちゃった、わあああ。剥げたのが一番のショックだったようで(笑)。

 その後もぐんぐんとでかくなるマニング。すぐに病室に収まりきれなくなってサーカスからテント暮らし。食いものも大変です。毎日、毎日、トラックで25頭分の牛肉が運び込まれます。一体、何でこんなに必要なんだといぶかしがる運転手に監視所のMPがこっそりと「いや、巨人がいるんだよ」 おいおい(笑)。

 マニングは気晴らしのために時々外に出ているようです。彼に付き添っているキャロルは慰めようとして歌を歌います。しかし、これがわらべの「めだかの兄妹」だったのが不味かった。「すずめの兄妹が電線で大きくなったら なんになる」 この大きくなったらという歌詞にカチンときたマニング、「チクショー、皮肉か、オレは大きくなってこんな風になっちゃったんだよ、ああ、もう死にたい」

 マニングの精神はだんだんと不安定になってきているようです。

 怒ってどすどすと歩みさってしまうマニング中佐。取り残されたキャロルにすっと寄り添うリンドストーム先生。ちょっとあんた、今までどこにいたんだ(笑)。彼はキャロルに尋ねます。「彼の親族は知っているのですか」キャロルは悲しそうに頭を振って「いえ、あの人の身内は私だけです」

 あれ、続編の『巨人獣 プルトニウム人間の逆襲』(『WAR OF THE COLOSSAL BEAST』1958年)にはマニングの妹 ジョイスが出てきた筈ですが(笑)、まあ、いいか。

 サーカス用テントに戻ったマニング、夕食の鶏の丸焼きを持ってきた若い兵士に八つ当たりをはじめます。「俺がプルトニウム爆弾から生き返っただと、馬鹿をいえ、こんな姿になって生き返ったも何もあるものか。俺の履いているパンツはな、陸軍考案の伸縮自在なんだ、そんなのを履いているのは俺1人だ」げほげほと苦しげにせきこむマニング。

 彼は兵士をかっと睨みつけて「さあ、帰って仲間達と俺の噂話でもしろよ、さあ、さあ、さあ、さあ」もう兵士、涙目です。

 リンドストーム先生は「見せたいものがある」と言ってキャロルを研究室へ連れていきます。そこに置いてあったのはマニングの循環系の模型。「彼は見ての通り巨大化しています。体の臓器も同じように大きくなっているのですが、心臓だけ成長のスピードが遅いのです。このままでは早晩、心臓発作を起して死んでしまうでしょう」キャロル、がーん。「これは心臓が単細胞、他の臓器がいくつかの細胞から形成されているのが原因と思われます」ん?何かヘンだけどまあいいか(笑)。

 スウェーデンからやってきた細胞学専門の学者、デレク博士は彼の成長を止めるべく実験動物を使って高周波を当てる実験をやっているのですが現在のところはかばかしい成果はなし。

 そしてこの夜、マニング大佐とキャロルは激しい口論をしています。「お医者様がなんとかしてくれる、成長を止めてくれるわ」となだめるキャロルにカッとなったマニングが「成長止めてどうなる、そのまんまの姿で生きろというのか、畜生、もうお前の顔なんか見たくない、出てってくれ」この喧嘩のあと、リハビリセンターを飛び出してしまうマニング。

 彼は砂漠に逃げ込んでしまいました。

 皮肉なことに彼の失踪と同時に治療方法が見つかったのです。リンドストーム先生は「プルトニウムは関係なかった、問題は骨髄だ、骨髄の中で硫黄と水が結合する・・・」とかなんとか言っているのですが、要するに骨髄に注射で薬をぶち込んでホルモン調節をするということで(笑)。気長にやれば成長を止めるだけではなく元の大きさにすることも可能なのだそうで。

 デレク先生はその証拠としてホルモン注射で鶏ぐらいの大きさになった象と駱駝をキャロルとリンドストーム先生に見せるのでした。

 さあ、後はマニング中佐を探すだけ・・・なのですが、これがなかなか見つかりません。15メートル、8トンの巨人ですが、もうヘリコプターで探してもぜんぜん見つからないの(笑)。ネバダ砂漠はさすがに広大ですなあ。そうこうしているうちに日が暮れて捜査は一端打ち切りになります。

 マニング大佐はあちこちで牛を襲ったり、道路に座り込んで走ってきた車のドライバーを死ぬほど怖がらせたりします。この時同乗していた酔っ払いが「これは飲み過ぎなんだな、うん」と持っていたウィスキーの瓶を投げ捨てるのは定石ですね。

 翌朝、陸軍の総力を挙げた大捜索が再開されます。キャロルはリンドストーム先生、助手のエリックと共に特製の馬鹿でかい注射器につめた薬液を用意。ヘリコプターで飛び立ちます。大佐発見の報があればどこへなりとも駆けつけて注射ぶすっという段取りですね。

 そして偵察機からついに「マニング発見」の知らせが!巨人はなんといつの間にかラスベガスまで移動していたのです。彼はラスベガスのホテル街にその姿を現します。野次馬がどんどん集まってきて巨人見物。しかし、マニング大佐にはそれを認識する知性すら失われているらしい。彼はホテル街を歩き回って巨大な人形看板や、王冠、ハイヒールのオブジェを建物の屋上からもぎ取ったりします。あ、ホテルで入浴中の女を覗き見しているぞ(笑)。

 最初は自重していた警官隊もマニングの狼藉に業を煮やしてとうとう発砲開始。マニングは苦痛の悲鳴を上げるものの、椰子の木やカウボーイの巨大看板、車をもぎ取ってはなげ、もぎ取っては投げで反撃するのでした。マニングはラスベガスを脱出、フーバーダムへ向かいます。

 リンドストーム先生達はヘリを使って彼の行く手を遮ります。マニングが怯んだ隙に着陸、リンドストームとエリックは例の大型注射器を2人掛りで「そーれ」と彼の足首にぶすーっ。「いってー」怒り狂ったマニング、注射器を引き抜き立ちすくんでいるエリックに向かって投げつけます。狙い過たず見事エリックの体を貫く大型注射器。わあ、洒落にならん。そしてマニングはキャロルをムンズと捕まえ、再びダムに向かうのでした。

 キャロルを掴んだままダムの天端を歩き回るマニング。すでに陸軍が攻撃準備を完了しておりますがキャロルのために何もすることができません。リンドストーム先生はメガフォンで彼に対して呼びかけます。「マニング、キャロルを降ろせ、彼女は君の婚約者だぞ」キャロルも必死に哀願します。「マニング、お願いよ、私を降ろして」

 マニングの表情に知性の輝きが幾分か戻ってきたようであります。彼は静かにキャロルを降ろします。その直後、開始された総攻撃。マニングは「あーっ」と一度聞いたら忘れられない悲鳴を上げて(笑)ダムの底へ落下します。半透明の体を丸めて落下するマニングの姿にも凄いインパクトありますよう。

 エンドマーク。

 キワモノには違いないですが、バート・I・ゴードン師匠の演出がさえ、安心してみられる巨人映画となっております(笑)。マニングの苦悩も丁寧に描かれており、悲劇的なラストをより一層盛り上げてくれます。ただ、彼の苦悩は巷間よく言われることの多い(多いのか?)核で云々というよりは「自分が良く分らない何者か」に変貌していく恐怖が主眼となっているようですが。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。ラン・コーポレーションの国内盤DVD。画質はまったく誉められたものではありません。下端にゆがみが出て大変に見苦しいし、ブロックノイズも全編に渡って発生しています。音声はノイズが少なく聞き取りやすいもの。

 字幕にも大きなミスがありました。キャロルが病院の受付でリンドストーム先生の所在を尋ねる時に「先生はいてるでしょうか」なんだ、“いてる”って(笑)。

 ラン・コーポレーションの国内盤DVD。

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