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芝田進午の人類生存思想と現実コミュの毎日新聞 2021年5月28日(金)朝 トップニュース 写真 YouTube生配信で逃げ場なし 官僚たちが恐れる会議

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毎日新聞 2021/5/27 16:00

環境省幹部に期限を切って対応を急ぐよう求める河野太郎規制改革担当相。会議はユーチューブで生配信される=2021年4月27日、堀和彦撮影
 厳しい注文や叱責が飛び交い、回答期限付きの宿題を次々突きつける。河野太郎規制改革担当相や4人の民間委員が各省庁幹部らと激しくやりとりする会議「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」が霞が関で恐れられている。会議の様子はインターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で毎回ライブ中継され、「官僚答弁」は通用しないからだ。

 「加速しなきゃだめでしょ」。河野氏が怒りで声を震わせた相手は環境省幹部だった。

 大型連休前の4月27日に開かれた第8回会議。地熱発電の導入拡大が議題だった。日本は世界第3位の潜在的な地熱資源量があるにもかかわらず、総発電量に占める割合はわずか0・2%にとどまる。


 民間委員が法整備は他国より遅れていると指摘し、地熱資源を管理する新法制定の時期について尋ねたところ、環境省側は「さまざまな法律との調整も必要となる。いつまでと決める段階にはない」とあいまいに答えた。ちょうどこの日、小泉進次郎環境相が記者会見で「地熱開発の加速化プラン」を表明した直後だっただけに、河野氏は「それ(新法)も含めて小泉大臣のおっしゃる加速化プランなんじゃないの?」と発破をかけた。

 5月24日の第9回会議でも、電力規制を巡って民間委員から「再エネが最優先とはっきりさせるべきだ」との声が上がった。河野氏は「最大限再エネを導入すると言いながらそうなっていない」と同調。6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)前に、改定予定の政府の政策指針「エネルギー基本計画」を議論し、再エネ優先を盛り込みたいと強調した。


「ゲームチェンジに気づいていない」
河野太郎規制改革担当相=東京都千代田区で2021年4月30日午後4時37分、宮間俊樹撮影
 河野氏が担当する規制改革は、成長戦略▽雇用・人づくり▽投資等▽医療・介護▽農林水産▽デジタルガバメント――の各ワーキンググループを同時に進めているが、生配信しているのは再生可能エネルギーに関するタスクフォースのみ。菅政権が掲げる「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)」は再エネが決め手になるとの判断だ。河野氏には50年まで「あっと言う間」との危機感も強いという。

 タスクフォースは20年11月に発足した。各省庁や自治体のエース級職員が集まった「大臣直轄チーム」が運営を担い、自然エネルギー財団の大林ミカ事業局長ら4人のブレーンが脇を固める。最終的に再エネの「主力電源化」を目指し、再エネ導入の障壁となる規制の緩和を進める狙いで、産業界から寄せられた700件近い要望も反映した議論を進める。


 再エネ導入に向けた手続きや要件は各省庁にまたがり、以前からの慣例のような形で残っている規制も少なくない。「世の中、根本的に前提が変わったんだ」「ゲームチェンジしたことに気づいていないのでは」。河野氏が省庁幹部に発する言葉は手厳しい。省益を守るような抵抗姿勢には「菅内閣はそういうの通らないよ」と一蹴した。

「タスクフォースだけは勘弁して」
 会議は月1〜2回のペースで開かれている。会議を配信するユーチューブの「公式規制改革チャンネル」の登録者は約2200人だが、再生回数が異例の4万回を超えた会議も出た。共感した視聴者がタスクフォースの内容を一般向けにおさらいする「解説動画」まで登場している。


 逃げ場がない環境に追い込まれた省庁側が河野氏や委員から期限付きの「宿題」を課され、回答に窮する場面も少なくない。運営する内閣府関係者によると、会議は事前に裏で出席省庁側と「結論」をすり合わせないガチンコスタイルだ。

 成果は出始めている。河野氏は住宅の省エネルギー政策で、国土交通省に対し全ての住宅・建築物を対象に、断熱性など国が定める省エネ基準への適合を義務付けるよう迫った。同省はロードマップ策定へ向けた検討会を設置し、義務化についても検討を始めている。農林水産省に対しては「営農型太陽光発電」を荒廃農地で実施する場合、従来必要だった収穫量の数値要件を撤廃させた。

 「タスクフォースだけは勘弁してほしい」。事前に事務レベルで出席を打診した時点で、議題で取り上げる予定だった規制を担当省庁が自ら緩和すると決めたケースすらあった。政府関係者は「次期首相候補として国民的な人気の高い河野担当相の存在感が会議の破壊力につながっている」と指摘する。

市場改革が本丸
 再エネ普及に向け、本丸と位置づけるのは市場の改革という。電力大手の販売シェアが8割前後とされ、再エネを多く扱う新規参入業者には不利な競争環境になっているとみている。河野氏らは再エネの発電設備を電力大手の送配電網につなぐことが制限される「系統制約」の解消や、発電部門と小売り部門が一体になっている電力大手の「発販分離」などを求めてきた。

 3月29日、河野氏は資源エネルギー庁幹部らと約2時間の議論の末、眉間(みけん)にしわを寄せて言った。「こうした電力市場を前提としてエネルギーの基本計画が改定されるのでは、ちょっと賛成できない」

 政府のエネルギー基本計画は今夏に改定される見込みで、閣議決定には全閣僚の署名が必要になる。市場改革のスピードが鈍いままなら、「閣内不一致」も辞さないという強いメッセージだった。

 4月27日の会議では、出席した経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会の担当者が、電力大手の発電・小売り部門の発販分離について「(同委の)審議会で正式に検討を開始した」と明言した。これまでは発販分離に否定的だった同省側の「検討」発言に、委員会の有識者から戸惑いも出ているという。

 河野氏は会議で検討開始を「評価する」と応じて、「これまでの電力市場制度の考え方の延長ではなく、抜本的な制度の転換を念頭に置いてほしい」と求めた。一般的に「検討」は官僚がその場しのぎで用いるケースが多い。温暖化や原発依存脱却などを巡る各省庁間の難しい調整が求められる分野だけに、規制改革の司令塔としての真価が問われることになりそうだ。【堀和彦】

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