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市民運動創造と宇都宮健児ら群像コミュの【永岡浩一さんからの通信】ソ連の作曲家、ショスタコーヴィチ

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【永岡浩一さんからの通信】ソ連の作曲家、ショスタコーヴィチの紹介、ソ連の暗部を告発したバビ・ヤールが来週東京で演奏されます!


 永岡です、ロシアのウクライナ侵攻で、ふと思い出したもの、ソ連の作曲家ショスタコーヴィチ(1906-75)を紹介します。ちょうど、今月14,15日に東京都交響楽団(都響)が、イスラエルの名指揮者インバル(1936年生まれ)により異色作で、ソ連で問題になった交響曲第13番「バビ・ヤール」をサントリーホール、東京文化会館で演奏します(https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3497 )。

 ショスタコーヴィチはソ連の体制に翻弄されて、そして体制に従うと見せて本音を入れた作品を作曲、交響曲は15曲作曲して、代表作の交響曲第5番、日本だと革命のニックネームで呼ばれる曲は長寿ドラマ、部長刑事のテーマにもなり有名ですが、斬新な作品を発表すると、特にスターリンに批判されて窮地に陥り、その際にスターリンを(表向き)喜ばせる作品を書いて生き延びたものです。

 インバルと都響の演奏するバビ・ヤールは反体制詩人エフトチェンコの作品に作曲した、独唱、合唱入りの作品、表題のバビ・ヤールは第2次大戦時に、ナチスがウクライナに攻め込んで、キエフの近くのバビ・ヤールというところでユダヤ人虐殺をしたものを告発して、そして同時にソ連でのユダヤ人、あるいは人種差別を告発したもので、当局から文句を言われて詩を改ざんして何とか初演したいわくつきの作品です。この曲を初演した指揮者コンドラシン(1914-84)はそれによりショスタコーヴィチの信頼を得て、世界初のショスタコーヴィチの交響曲全曲録音を行い、そしてその中にはソ連当局からにらまれた作品もあり、コンドラシンはその後オランダに亡命しています。このように、ウクライナの虐殺をテーマにした作品で、今の時期にピッタリ、指揮のインバルはマーラーの専門家ですが、ショスタコーヴィチも全曲録音して、インバルはマーラーの作品で、交響曲第6番「悲劇的」というものがあり、終楽章はカタストロフを描いたもので、それの意味をアウシュビッツと広島の悲劇を経て人類は理解したというほど、この時の指揮にピッタリです。このバビ・ヤールという作品はロシア語の歌唱が要るため演奏ではめったに取り上げられず、しかしユダヤ人虐殺だけでなく、物資不測のソ連の暗部を告発した作品、貴重な演奏の機会です。

 ロシアの作曲家だと、ロシア革命で国外に出たラフマニノフ、ストラヴィンスキーなどあり、その中でショスタコーヴィチはソ連の中でしたたかに生きて名作を残しました。今、報道特集で音楽もウクライナの危機を救うとミュージシャンの発言もありました。また、プーチン氏は革命という言葉が大嫌い、権力を奪われるという意味とのことで、なら、先のショスタコーヴィチの交響曲第5番をクレムリンの前で演奏したら、とすら思いました。ちなみに、ロシアの名指揮者フェドセーエフ(1932年生まれ)は91年のクーデターの際に、モスクワ放送交響楽団と、この交響曲第5番と、森の歌という作品(戦後スターリンに批判されて、それでスターリン、ソ連を賛美する作品として表向き作曲)を録音していたのです。偶然とは言え、面白いものです。関西だと、交響曲第5番は佐渡裕指揮の兵庫のオーケストラ(https://hpac-orc.jp/ )で5月に演奏、また交響曲第7番「レニングラード」(1941年のソ連とナチスのレニングラード攻防戦を描いたもの、昔アリナミンVドリンクのCM音楽に使われていた)を下野竜也指揮の兵庫のオーケストラでやります。

 音楽と政治では、巨匠フルトヴェングラー(1886-1954)はナチスのドイツにとどまり、文化を守り通したのですが、ドイツにとどまったことでナチスの手先と国際的には見られて、しかし今は日本だと実演聴いた人はほとんどいないのに大巨匠ととして尊敬されています。音楽には政治、社会を変える力があります。こういう演奏会に行くことも支援だと私は思い、ご紹介しました。

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