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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの大学教育で一般教育縮小は間違い。ハーバード大学医学大学院教授の「大学での一般教養教育は何故必要か」

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大学教育における社会科学と哲学などの一般教育の重要性
                     櫻井 智志

 文科省だったかその周辺からだったか、大学での人文科学・社会科学をなくし、理科系を充実させるべきと見解を出した。これはこの後に転載した孫崎享氏も述べていらっしゃるが、明白な重要問題をはらむ。
 大学での一、二年の一般教養を高校の学習と重複しているという見方もある。西洋教育史の碩学元東京教育大学教育学部長梅根悟氏や前中央大学教授中野光氏は、なぜ一般教育が必要なのかを「教養」概念の重要性として研究書に書いておられる。
 細分化された科学の細切れの知識でなく、個別科学を全体として総合的な知として位置づけられたものが、「哲学」であり「社会科学」である。もしも社会科学や哲学をカリキュラムからはずすことの弊害は、実施されたなら大きな禍根を残すことになるだろう。
 化血研に働く研究者たちは、インフルエンザワクチンの不正な製造や猛毒ポツリヌス菌の運搬などそれらを行うことに、どれだけ社会的影響や被害者への問題を自らが生きることとむすびつけて考えていただろうか。
 国立感染研は、実験に扱う細菌やウイルスがもしも外部の住宅密集地に漏れたならば、その甚大な被害について構想する見識をもっていただろうか。自然科学者が人間知としての哲学や社会科学についての「自ら考え判断する」思考や認識をもっていないとしたら、その弊害は重大な瑕疵を帯びる。
 以下の孫崎享氏の評論は、私がいま書いたこととまた別の視野から執筆している。アメリカの高等教育でのアプローチをぜひご覧いただければ幸いである。




【孫崎享のつぶやき】
大学教育で一般教育縮小は間違い。ハーバード大学医学大学院教授の「大学での一般教養教育は何故必要か」(抜粋)
2015-12-28 07:251


A:事実関係:ワシントン・ポスト紙掲載「ハーバード医学大学院教授が何故一般教養、哲学が必要かを説く(A Harvard Medical School professor makes the case for the liberal arts and philosophy)」

https://www.washingtonpost.com/news/grade-point/wp/2015/12/24/a-harvard-medical-school-professor-makes-the-case-for-the-liberal-arts-and-philosophy/

筆者はDavid Silbersweig、ハーバード大学医学大学院教授

・共和党大統領選討論会及びその後の声明で、ルビオ候補は哲学や米国高等教育の重要性を低く評価した(注:「溶接工の方が哲学者より金を儲けるとして職業訓練所の必要を強調した)。その時私はダートマス大学2年生の時、小さい頃からの知りあいの歯医者に行った時のことを思い出す。

 その時歯医者は「何を専攻しているか」と聞き、私が「哲学専攻」というと、「哲学でどうしようとしているのか」と聞いた。私はその時、「考える事」と答えた。

・歯医者には哲学は実用的でないように見えたが、哲学はその後私が行った全てに対しての方法論を与えてくれた。

・もし、カントの一段落を、その考え方や配列されている節を留意しながら読み切るなら、貴方は全てを考え抜くことが出来る。もし貴方が、議論に役立させる形で、仮説や上位の原則やを受け止め、抄録(abstract)と抜粋(extract)が出来るなら、無数の分野での問題点を見つけ、立ち向かわせることが出来る。

 哲学はいかに継続して自分に与え続ける贈り物であったか。

歯医者には非実用的とみられたかもしれないが、哲学はその後私が携わったすべてに方法論を知らせ、与えてくれた。

・哲学は私の哲学から医学の道で数えられない方法で私を助けてくれたし、この点はルビオや私の歯医者などが多くの誤解を持っていることを示している。

(その後、東洋哲学、脳の研究に言及)

・学位取得後英国で訓練する機会を得た。多くの異なる国の人々と働き、考えた。そしてそこで、一般教養教育を持たない者は如何に優秀でも狭い視野しか持っていないことを発見した。彼らの教育は職業的であった。(新しい分野の切り開きには異なる分野の人々の協力の有益さに言及)



B:問題点

・現在経済製品は恐ろしい勢いで新しいものに変わっている。

・旧来的な職業訓練的教育で身につけた技術は古くなる。
 旧来的なものを以下に効率よく作るかでは競争に生き残れない。
・新しい情勢変化に適合していくことが、何時の時代よりも望まれる。

・新技術は、各種分野の複合体として出てくる。

・各種分野を統括して見渡せる能力がなければ経済競争に勝てない。

・一般教育はまさにその力を養う。

・日本の大学における専門重視の教育は多分時代の求めるもとと、逆方向に進んでいるとみられる。

コメント(2)

大学で「大きな学問」を教え、勉強しないなら「大学」ではない。専門学校か、防衛大学校のように「学校の校舎」が大きいだけになる。
>>[1]

まさにそうですね。大学は「学問の府」として、いかなる権力の介入をまねかず、国民の知性と良心の砦として、中世のヨーロッパの大学以来の根本的なありかたを堅持してほしいものです。それはいわば理想論ですけれども、理想を打算で失墜させないでほしいものです。

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