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詩季、折々。コミュのテーマ「抒情」

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ここには、ちょっと難しいですが(笑)抒情的な詩作を載せて行って下さればと思います♪

コメント(19)

  『幸福の刻』

 
「街道に似通った小石があったんだ
 あの日の石が此処にまで辿り着いたのかと思ったよ

 そんな訳は無いなと
 自分でも笑えてな
 家路に着いたんだ

 いつの間にか
 私は小石を手に取っていたらしい
 持って帰って来てしまったよ

 気づかぬ内に握り締めていたんだなぁ
 君の温もりほどに灯った小石だ
 庭先に放りやるには忍びなく

 君の前に供えることにするよ

 二十三回忌の法要も無事にすんだなぁ
 やもめ暮らしも板についたよ

 台所での包丁さばきなど
 ちょっとした小料理屋の板前ほどだ

 そういえば
 君を亡くして間もない頃

 よほど危なっかしかったのだろう
 すぐ後ろで君のそわそわとした気配を
 感じていたんだよ
 あぁ ちゃんと気づいていたさ

 何故だか
 今日はあの頃を無性に懐かしく想い出す

 もしかして
 そろそろ迎えに来てくれるのか?」


仏壇の前
時折様子を伺いにゆく
痴呆の始まった館川さんが

小石に語りかけてる

楽しそうだ
とても

ご夫婦の語らいがすんだら
小石の想い出話でも

聞かせて頂こう

幸福をほんの少し
おすそ分けしてもらおう
  『お前、いらない。』


あんたさえいなければ。

これって常套句
だからオレも言ってやった

お前、いらない。

ガキが一人じゃ食っていけないくせに

返ってきた
だからオレも言ってやった

案外と頭の働くコドモには
福祉は役に立つんだよ
未成年って歳はありがたいもんだな

本当に憎たらしいガキだよ死んじまえばいいのに

腹を蹴られた
だからオレも殴り返した

腕力じゃ未だ勝てない
それが悔しい
だからバッドで殴ってやった

あ?

頭?そんなヘマやらないよ
足を折ってやっただけだよ


11歳の少年は
震えた手を必死で隠しながら
笑って武勇伝を話し続ける

抱きしめられる喜びを
教えることは


罪になるのか

いっときの温もりを伝えることは

私の罪に成りうるのか

自嘲う少年は
それでもその片隅で
まだ誰かを信じたがってる
  『言い訳はしない』


ぼくのかぁちゃんびょうきなんや。

ぼくのことなぐってしまう
びょうきなんや

かぁちゃんのせいとちゃうねん
せやから、かぁちゃんおこらんといて

なぁ、ぜったいにおこらんといて

かぁちゃん、あとでごめんて、なくねん
ぼくのこと、ぎゅってして、なくねん

なぁ、おこらへんよね?


「うん、大丈夫。怒ったりしぃひんよ」

言い訳はしない
この子のこの美しい言葉を
貴女に伝えるだけだ

こうして
貴女へ贈るだけだ

貴女は愛に病まなくても良い

この子は今も集中治療室の中で
夢に魘されるように
貴女を愛し庇い続けてる

それを
伝えるだけだ

もう、終わろう?
『怪獣と懐柔? 怪獣を懐柔、なんたって晦渋気味』


僕を可愛がってくれてたおばあちゃんが亡くなった。


大人たちはお葬式でおおわらわ。

僕はぼんやり用意された余所行きの服を着て、両親の言うとおりに拝んだり頭下げたりまるで遠隔操作されてるリモコンのおもちゃみたいだなって気になって、鉄人28号っていうお父さんが子どもの頃憧れていたらしい正太郎って子をお経の合間から目だけで探してみたりしてた。

どんよりとした雲の先にも下にも、きっと結局は僕に関係なかったりあったりする日常があって、ウンザリな気分でも時刻は経って行く。そういうもんなんだよ、それを感じる体内時計が遅いか早いかの違いだけで、皆平等に時間は過ぎてく。
合衆国っていう大きな国の大統領選を頑張ってる黒人と元大統領夫人の使う時間も、僕が毎日使ってる時間と何の変わりも無いんだ。
僕が過ごした昼間が次の日のアノヒト達の昼間になってるだけ。
なのに価値が違うって僕に勉強を勧める両親は言うんだ。同じ時間でも使ってる価値が違うってさ。なるほど、じゃぁさ、人の何倍も努力しなさいって僕のために毎日説教してくれる両親の時間とソノヒト達の時間の価値にはどれだけの違いがあるんだろうね。

ウルトラマン観ててさ、毎回日本の東京あたりの街や山が怪獣とウルトラマンの戦いで潰されてさ、ウルトラマンも大変なんだろうけどさ、住んでる家の真上辺りを戦場に使われてしまってる僕たちだって良い迷惑でさ、怪獣とかに踏み潰されたら、きっとグシャなんてもんじゃなく、プチッで終ってしまうくらいのもんでさ、ウルトラマンと僕の両親の価値はじゃぁどれくらい違うんだろうね。
怪獣に踏み殺されたら無駄死にで、ウルトラマンに戦いの最中に潰されでもしたら、それは価値が上がるんだろうかね。
ウルトラマンは作り物だけどさ、もしあれが現実に起こったら、怪獣もウルトラマンも僕たちの命を脅かす存在に変わりはないよね。だけど、やっぱり僕よりかは価値があるって僕にやたらに勉強を勧める両親は言うのかな。


おばあちゃんは大好きだったけど、死んでしまったヒトを僕が生き返させられるわけもなく、悲しかったけどそれよりも長い長いお経で退屈過ぎた一日を乗り越えお家に帰った。
僕よりずっと年下の妹は、ベビーシッターさんとお家でお留守番してた。
妹は僕たちが出かけるから置いてけぼりにされると泣き喚いてたけど、こんなことなら代わってあげたかったと思う。

前の日までぴんぴんしてたおばあちゃんが作ってくれてた、僕の大好物のドーナツ。
出かける前にぎゃーぎゃーと泣き喚いてた怪獣が僕の分まで食べてた。

幸せが食べられた

どうしてだか、
今までで一番に泣けた。

妹が僕の分のお菓子を食べちゃうことなんて、今までだってよくあったし、そのたびに怒鳴りはしても泣くなんて一度も無かったのに。

おばあちゃんの作ってくれるドーナツは、もう二度と食べられない。死んじゃうってそういうこと?
「死」って僕にはまだよく解んないままで良かったのにな
  『劣情に始まる狂い先への抒情』


吐き気を催す悲しみが
私を嘲け笑います
覆い被さる不快は
このまま飲み込まれるかの勢いです

吐き気は私の拠り所を奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、奪い、

嗚咽が悲鳴に変われば、吐き気は満足してくれるのでしょうか
では、好きなだけ嘲け笑ってくれて結構だから
とりあえず早く満足を得てください

腐ってしまえばいい
腐臭を放って
こびりついてしまえばいい

己のみを愛して已まない吐き気よ

沸々と湧き上がるモノ
黒々としてるのか
熱々としてるのか
禍禍としてるのか

漏れ垂れ流す穴という穴から
脱出を試みようとする

人間にはなんて外気と繋がる穴の多いことか
発汗先のミクロの隙間さえもを埋めたいが為

『嗚呼、文房具屋さんへと急げ、急げ!』

紙粘土、紙粘土
石膏、石膏
サランラップ、サランラップ

最近は100円均一ショップが便利だ

洩れ零さず一滴の憎悪も己の中に溜め込めば
その満杯になり出来上がる自分は

ヒトから嘔吐を吐き掛けられはしても
只、哂っていられる

そういうモノになれるだろうか

ワタシハ ナリタイ

成るんだ そうだろう?
  『逝く子』


襦袢が燃えて

川底を震えさす

舟守に
握らせる気遣いは

赦せ
 と泣く

祈りの重さよ

捧げた石の
   心の重さよ

流された末に
逢わんとぞ願う


拝む翌の陽の静けさの向うへ
  『寂しんぼう嘘つき』


焼き菓子の甘いにおい

あの子の嘘の分だけ
頬ばって

お口の中を甘くごまかした

おやつの時間が

この頃ちょっとだけ
憂鬱になるのは

あの子の嘘がふえて
夕ご飯が食べられなくなるくらい

おなかがいっぱいになるから

でも
どうしたらあの子が
嘘をつかなくても良いようになるのか

ぼくには
まだよくわからないから

あの子がひとりぽっちにならないように
甘い焼き菓子を

今日もたくさん
お口に運ぶ

おやつの時間が
楽しくなると良いのにな

あの子が
寂しい嘘をつかなくなれたら
良いのにな

ぼくの好きな あの子
  『漂う存在の切れ端』


忘れてしまうのか、このまま
長い長い時間を掛けてか
次の一瞬か
他人事のようなこの人生の息が消えてしまうまでの間に

触れられた記憶


着けられたネックレスの冷やかさに
一瞬の官能を覚えて泣けた

私、は知った



今朝の雲は雨を引き連れてこようと虎視眈々と狙っていて下界を暗ませる
その合間を神様が隙を見計らっては梯子を降ろす

地へと真っ直ぐに射す光の帯のその先で
神様のひとりひとりへの感謝を忘れずにしよう
何故なら私、は知り得た


君でも
ちょっと、でも  良い

呼んでくれるのなら
名前でなくて良い

幸福、と声に出してみて初めて気づく
其処、に確実にあった幸せ

己のためにだけではない
誰かのための祈りを捧げていた自分という幸福

この手に
この髪に
確実に触れられていた記憶


小さな光が放つ記憶の存在の切れ端
呼んでくれる声のために
捧げられる祈り

幸福、を知った
  『等価』

そうでもしなきゃ
君は行ってしまうと思って

引き換えた

君が行ってしまうと思って
けど
僕のそれは君にとって等価じゃなかった

君はそれでも
あっちを追いかけて行った

僕のお墓が寒がってる
「底灯」
どこまでも永遠に続く 
果ての無い暗い階段を降り続けて
やがて行き場を失った肉体は
此処が上か下かも認知できず
下からせり上がる泥の中に揉まれ
希望の光も視界から消えて
抜け殻の肉体と共に
思考すらも埋められていく
外部に翻弄され続けた魂は
自らの意思で泥と共に閉ざす
浸けられた思考は
肉体と共に永遠の眠りを求める

包み込まれた灰色の景色の中で
五感に研ぎ澄まされた神経繊維は
負の要素を正に置き換えようと
しぶとくあがき始める
出口の見えない泥の中で
過負荷を背負った肉体は
手に溢れる力を取り戻し
視界は隙間を探し出す
その先に一筋の光が
一瞬でも窺えたなら
道は再び開かれてゆく
『欺瞞』
この世に生を受け、物心がついた頃からずっと思ってた
ロミオとジュリエット風に言えば
「ああ、僕はどうして僕なのだろう」って
何故望みもしない僕に人という着ぐるみを着せて
日々を無情に営み生かせたのか
イイコイイコで勉学に明け暮れ ピアノの鍵盤に
指を置く空しい日々
使命も無く産まれるくらいならば、特攻隊や蟻や蜂
ただ目的の為だけに生きる何かに産まれたかった
何て言ったら親は怒るだろうか
真っ当な社会を進めと言われても所詮は弱肉強食
僕らも微生物や動植物と同じように動いている
選べる時代に生まれて君は幸せだと言うならば
何一つ選べない僕はどうなのだろうか
散り際をノートになぞり開放感を味わう日々
人がゴールを目指して生きているのならば
僕はそのゴールに誰よりも速く辿りつきたい
ゴールした後に来世というリ・スタートがあるならば
その来世ですらもワープして楽になりたい
常に音速よりも速くゴールを目指す僕が求めるのは
完全に僕の存在していない世界
僕は僕をつなぎとめているキーをロックする
そのキーを開ける人を待ち望んでいるのか
拒み続けているのかは今は分からない
僕の家に大きくそびえたつ大樹の目には
卑小な僕の営みをどんな気持ちで見つめているのだろう
『虚空』

無明の虚空に放り出された我が人格は
泥のような重力にもがき続ける
再び息苦しいほどの重さに襲われ
ようやく覚醒した際に
再度底まで沈みこむ魂
朝の光に目を細め 
開けた眼孔に飛び込む閃光
ようやく自身が認知した溜息という記号
昨日今日の関心事を続報で引っ張ること
の絶え間ない繰り返し
何のために生まれたのかという
実りの無い自問に陥り
灰色の日々からの憔悴に
心身の熱は吹雪に砕けれていく

夢と現実の双方の対立
夢という座標軸を大きく踏み外す
そんな裏取引でさえも
事を荒立てないように無機質に応じ
一工夫する気などなくサイダーの瓶の
中にあるビー玉を獲ることに
全神経を尖らせて
届くはずの目標への希望を乗せた
大脳の中枢神経たちは欠伸をしている
翌日まで残し続けたアルコールみたいな
重く気だるい感情は
冷めたプロ意識が充満した魂の抜け殻に
ただただ幻滅して
今日という日に抗うことなく
固まりを引きずり歩いていく
 『℃2000の斑点 』


終電が過ぎ去ったホーム
端からぱつんぱつんと電灯の切れていく音

蛍光に追い立てられるように改札を出た
20メートル感覚の街灯は省エネ推進を訴えかけるように暗い

前を歩く背広姿の人の口元が時折、赤く灯る

あの灼熱を私は知らない

そう
知っているのは私じゃない
知っているのはあの子の腕


憐れな子どもの幻が聴こえる
鼓膜を引っ掻かかれる

「風邪ひくやん?、そしたらおかあさん冷やしたりんごをすってくれるん」
「喉がすぅって気持ちよくなって美味しいんよ」

『おれ、リンゴ冷やしてやってみようとしたんやけど 見つかって殴られてん、失敗したわ』
『なんやその間抜け面って蹴られて部屋に閉じ込めらてもて、おしっこ漏れそうで
 ゴミ箱ん中にしてもうたら、、やられた』


たわいも無い自慢話だった
無邪気すぎて嘲笑ってしまう子ども心

私が犯してしまった無知という仕打ち
罰はあの子が変わりに背負った

冷たい林檎の喉越しを試してみたかったその子の腕に
斑点があった

ごめんね、、が、喉の奥で嗚咽に変わる

ごめんねは罪だ
それだけはバカな子どもの私にでも解った

「熱かった?」「痛い?」「冷やす?」

間抜けな言葉が次々涙声と一緒に零れたけど
それだけは言わずにいられた


背広姿の人が靴先で灯りをもみ消した
あの子の腕が踏みにじられてる錯覚

居た堪れずに視線をずらした
相変わらず狡い

あの時も私は目を逸らしたんだった
ごめんねを飲み込み
斑点など無かったかのように振舞い続けた

気の利いた言葉は未だに浮かばない
あの子の心を癒せるだけの語彙は未だに持ち合わせない

幻影に「ごめんね」を刻み続けているだけだ
あの子を私より可哀相な子に仕立て続けて

相変わらずの自分の卑しさが
道端に捨てられている

靴跡と微かに残る煙の臭い
息苦しくて足早に通り過ぎた





幸せをはんぶんこに出来るなら
ちょっと大きめに割れたほうをあの子にあげたい
本気で思ってた

それだって
自分の狡さを隠したかった
だけかもしれない


罪痕は斑点となって
いまでもこの空のどこかのあの子の腕に
 『愛の満月』


陳腐過ぎて逆に良いだろう
と、笑ったのが貴方でした

月の満ち欠けは生命に深く関わるものだからこれで良いんだよ
と、笑った貴方が僕の記憶です

生命には愛はつきもの
無くてはならないものだろう
と、笑った貴方だけが残っています

レンズがとらえたクレーターを物凄い発見のごとくに心躍らせていた僕のその横で
まるでクレーターを作ったのが自分であるような自慢げな笑顔が
埃をかぶった望遠鏡の始末に困る度に僕の脳裏を横切ります

「だっせぇ」

あの日の僕が貴方に向かって笑い飛ばした言葉を
また口に乗せて音にしてみました

鼻につんときます

感傷に浸るほどに
貴方の歳に近づきました

もうすぐ追いつき
そして何事もなければ追い越していきます

母さんが
貴方は月の観察が本当に好きだったから
もっと近くで趣味が堪能出来るように勝手にとっとと逝っちゃたわ
と、寂しさ紛れにこぼしていた事があったけれど

あながち外れでは無いでしょう
最近になってそう思います

「だっせぇ」

父さん、
やはり「愛の満月」はダサいです

けれどそこが良い
貴方が言った良さを身に染むように味わえる頃合いに
僕も追いつきました


鼻につんときます
『さようなら』
さようなら 昨日の自分
何かを生み出そうとし
何も生み出せなかった自分
何かに努めようとし
何も努めることなかった自分
発想する手だても無かった自分
ただぼんやりと過ごした自分
新たな境地を模索することも
次への目標を考えることも
何が正しく 何が悪なのか
永遠の不条理な答えを求めることも
何故に生かされているのかも
来世はどうなっているのかも
人類史の後はどうなるのかも
争いを無くす方法論を求めることも
恵まれた環境に持て余してることも
全てを悟られ 疲れ果てたことも
全部をやり直したいことも
今を投げ出したくなったことも
自分という殻を破りたくても
しようともしなかった自分
さようなら
さようなら
臆病な自分
「崇められる者」

あんたらは 俺が自由もなく不自由もない 一本の道を辿ることを
望んでいるにもかかわらず 先に進めば進むほどに 複雑な分岐点
を創って それを眺めているよな

あんたらは俺が老いていけばいくほどに可能性という道に檻を閉ざし
唯一の蜘蛛の糸ですらもハサミで切るほどに追い込むよな

あんたらは祈れば祈るほどに 俺が亡くなり灰になろうと 来世で
幸せになるというまやかしを植え付け 何のご利益もないし 一方
自分を支えるのはそれ以外ないと絶望にも似た希望を持たせるよな

あんたらは複数存在しているために 俺たちの争いは絶えず 常に
現在進行形で行われているし それをあんたらはただ傍観している

あんたらは俺たちに想像を与えた代わりに それが 絶望 希望
妄想 夢 次々と新たなハードルによって打ち砕かれる余計な期待を
背負わせて 結果 苦しみ 迷い惑わせる

最終的にあんたらは 極限状態の中 絶望するも希望を持つも
俺自身だと教えてくれた最後の砦でもある

生意気な俺をたまたま気まぐれで創ってくれた あんたらにも
一応感謝だけはしておくことにするよ

最後に憎まれ口を言わせてもらえば 他人の創り上げたあんたらの
姿っていうのは実によく出来ているよな
『知りたがらない夕べ』


雨は忘れられた
進化を知りたがらないシーラカンス



雨が好きなわりに
欲しいとも思わない

何故なのかを知りたがらない

忘れられた夕べ

しと、

連なる滴を雨と呼ぶなら

頬を、

零れ落ち零れ落ちする
この雫は雨としましょう

それを私、という。
            「羨望」
生まれたときは 横一列
 
それがいつのまにやら

ぶっちぎりで差をつけられて

気がつけば見えなくなって

とことんまで置いて行かれる

富や幸福の差がそれを思い知らせる

俺の一歩はあなたの千里

差は開くばかり

背中も影も見えない

ただ羨んで

ただ恨めしくて

ただ恨んでいる自分

でもあきらめてる

そこで納得してる

大勢の人たちと納得している

神輿の下で 力なくうなづいている

勝手に支えてる気持ちになり

そんな自分を許している
       「それでも僕は肉を食う」

マンホールの中で生活したり

物心ついたら銃を持たされたり

手足を切って 生計を立てたり

そんな想像を絶する現実が

外に世界にあったと知っても

今日も僕は肉を食う

親が気づけば爆風でバラバラになり

目が覚めたら 人に売られたり

美談の為に島流しや切腹

信じていた友に裏切られる

壮絶な現実が過去にあったと知っても

今日も僕は肉を食う

タクシーの中から外を眺めると

ステーキ屋の前に行列ができている

並びながらスマホを眺める若者は

厳しい現実や想定外の過去の

話を知ってか知らずか

ただ茫然と肉を待つ

自分には何ができて

何をやりたいと願うのか

そんな問いすら贅沢に思える

外の人の目にどう映るのだろう

それでも僕は肉を食う

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