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必殺仕業人コミュのあんたこのエピソードどう思う

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『必殺仕業人』全28話のエピソードをあれこれ、語り尽くしましょう。
記憶に残っているあの話、この話に関する話題を是非お願いします。

1 あんたこの世をどう思う 脚本:安倍徹郎 監督:工藤栄一 76年1月16日放送
2 あんたこの仕業どう思う 脚本:田上雄 監督:松本明 76年1月23日放送
3 あんたあの少女をどう思う 脚本:野上龍雄 監督:工藤栄一 76年1月30日放送
4 あんたこの親子をどう思う 脚本:安倍徹郎 監督:蔵原惟繕 76年2月6日放送
5 あんたこの身代わりどう思う 脚本:中村勝行 監督:大熊邦也 76年2月13日放送
6 あんたこの裏切りどう思う 脚本:保利吉紀 監督:松野宏軌 76年2月20日放送
7 あんたこの仇討どう思う 脚本:国弘威雄 監督:工藤栄一 76年2月27日放送
8 あんたこの五百両どう思う 脚本:中村勝行 監督:大熊邦也 76年3月5日放送
9 あんたこの仕組をどう思う 脚本:猪又憲吾 監督:松野宏軌 76年3月12日放送
10 あんたこの宿命をどう思う 脚本:村尾昭 監督:監督:蔵原惟繕 76年3月19日放送
11 あんたこの根性をどう思う 脚本:中村勝行 監督:大熊邦也 76年3月26日放送
12 あんたこの役者どう思う 脚本:松田司 監督:松野宏軌 76年4月2日放送
13 あんたこの神隠しどう思う 脚本:野上龍雄 監督:工藤栄一 76年4月9日放送
14 あんたこの勝負をどう思う 脚本:安倍徹郎 監督:松野宏軌 76年4月16日放送
15 あんたこの連れ合いどう思う 脚本:中村勝行 監督:大熊邦也 76年4月23日放送
16 あんたこの無法をどう思う 脚本:野上龍雄 監督:松野宏軌 76年4月30日放送
17 あんたこの掠奪をどう思う 脚本:横光晃 監督:松野宏軌 76年5月7日放送
18 あんたこの手口をどう思う 脚本:保利吉紀 監督:工藤栄一 76年5月14日放送
19 あんたこの奥の手をどう思う 脚本:中村勝行 監督:大熊邦也 76年5月21日放送
20 あんたこの志をどう思う 脚本:南谷ヒロミ 監督:渡邊佑介 76年5月28日放送
21 あんたこの計り事どう思う 脚本:保利吉紀 監督:松野宏軌 76年6月4日放送
22 あんたこの迷惑をどう思う 脚本:猪又憲吾 監督:工藤栄一 76年6月11日放送
23 あんたこの女の性をどう思う 脚本:安倍徹郎 監督:渡邊佑介 76年6月18日放送
24 あんたこの替玉をどう思う 脚本:中村勝行 監督:大熊邦也 76年6月25日放送
25 あんたこの毒手をどう思う 脚本:国弘威雄 監督:松野宏軌 76年7月2日放送
26 あんたこの心眼をどう思う 脚本:中村勝行 監督:松野宏軌 76年7月9日放送
27 あんたこの逆怨をどう思う 脚本:松田司 監督:高坂光幸 76年7月16日放送
28 あんたこの結果をどう思う 脚本:安倍徹郎 監督:渡邊佑介 76年7月23日放送

コメント(194)

第23話 「あんたこの女の性をどう思う」

「お前が体を売ろうと他の男に抱かれようと、
 お前の中身まで変わるわけじゃないんだ」

シチュエーションが違えば素晴らしく泣かせる言葉だけど、
今はそれ言っちゃまずいでしょう……。
お歌が怒るのも当然。
冗談だ!というフォローもよくない。
仮に冗談としても相当笑えない部類だし。
女を見る目はあるけど、女心の機微にはいまいち疎い剣之介さんなのでした(笑

一方、男心を絡め取ることに長け過ぎの(笑 怖い女・雪。
彼女は、本当に色情狂だったのでしょうか。
蔵での直助への告白はおそらく真実でしょう。
そうだとすれば、そこに見えてくるのは色情狂なんかじゃなく……
夫から与えられない愛を求める心を、別の男と交わることで鎮めようとする。
そんな哀れな女の姿。

「あんたこの奥の手をどう思う」の美濃屋のおかみさんと通じる話です。
ただし違っているのは、おかみさんは心の隙間を満たす存在と巡り会えたこと。
雪はといえば相手は不特定多数で、しょせん満たされるのはその時だけ。
それを知っているのにかかわらず、やめることもかなわない……
女としてこの上ない不幸を舐めてきたおかみさんよりも、
雪のほうがさらに、出口のない不幸の真っ只中にいる。

そう、外道になり果ててしまうほどの、恐ろしい不幸……。



剣之介「やっぱり一人だと……不便でいけねえな」
照れくさそうにいう姿がめちゃめちゃカワイイです(笑
なんだかんだあってもお歌が剣之介の元から離れないのは、
こういう部分を知ってるからなんでしょう。
そしてまた鰻(笑

夫婦には、夫婦にしかわからないことがある。
その真理も、金持ちだけど底なしの不幸に覆われた夫婦と、
金は無いけどささやかな幸せを分かち合う夫婦という両極端の在りようを通すと
全く違った姿を見せる、というお話でした。
直助が突っ走らなければ殺されることもなく、物語は成立しない....。

直助さえ殺さなければ図書も雪も仕事の的になることもなかった。

この回には本当に殺されなければならないほどの悪党は存在しないような気がします。

このあたりの不条理さが仕業人らしいところですね。
23話「女の性」、個人的には仕業人の中でもかなり好きな回です。

>ごろーさん

>蔵での直助への告白はおそらく真実でしょう。

告白の中での不幸な女の心情は雪の真実であり、その直助が愛玩物の分を超えて男として自己主張を見せた時の虫ケラを見るような目もまた、雪の偽らざる一面なのだと思います(同時に、直助が殺しを依頼した女衒の仙次郎にもまだまだ未練たっぷりのような・・・)。
女の怖さを知る上でこれ以上ない見本のような話ですね(笑)

決め台詞「うなぎでも食べにいくか」は、剣之介の中では最高の贅沢=女への心づくしということなんでしょうね。今風に言えば「寿司シャン」みたいな・・・


>どくたやさん

>この回には本当に殺されなければならないほどの悪党は存在しないような気がします。

特に直助の依頼した仙次郎殺しの妥当性に関しては、ファンの間でもかなり評価が分かれていますよね。
ただ脚本家的には、剣之介とやいとやのやり取り(たかが痴情のもつれでは殺しに値しないという剣之介に、「悪い男が一人いる。ここに五両の金がある。それで十分じゃないのかね」と答えるやいとや)を見る限り、その辺はかなり意識的に描いたのではないかと思います。
図書にせよ雪にせよ、当時の価値観では斬り捨て御免レベルで直助を殺しても何の罪悪感も感じていないんだと思います。だから、この夫婦は仕業人たちが誰のどんな怨みを晴らしにきたのか、最後までわからずに死んでいったんではないでしょうか。

これが仕置人的なスタンスであれば「鬼寅だ。」(鉄)と言ってから殺したんでしょうが(「狙う女を暗が裂く」参照)、仕業人的にはただ殺すだけ。


女衒の仙次郎に至っては殺される理由がまったく違う.....。
話が一気に戻ってごめんなさい。(笑)

3話のお蝶、私は全シリーズ通して一番嫌いな悪人だな。
(´・ω・`)
>リョコたん@運命の力さん

「身代り」「掠奪」(とくに身代り)のライダー2号も嫌な悪人....。
ナラクハジメさん
その、「悪い男が一人いる。ここに五両の金がある。それで充分じゃないのかね」と言うシーン、やいとやの顔が目に浮かびます。
大出俊と言う役者の真骨頂ですね。
これが鉄だと、例のセリフになるんでしょうね。
「殺しが好きなんだろよ。殺すのが止めらんねえんだろ??」
>>ナラクハジメさん

>告白の中での不幸な女の心情は雪の真実であり、
>その直助が愛玩物の分を超えて男として自己主張を見せた時の虫ケラを見るような目もまた、
>雪の偽らざる一面なのだと思います

そういう真理から視聴者の目を絶対そむけさせてくれないのが仕業人ですよね〜。

女は、出会った男によって菩薩にもされれば夜叉にもされてしまう。
図書のような男に嫁いてしまったのが、雪の最大の不幸でしょう。

その図書ですが、不能であるのか、
それとも妻が穢されることでしか興奮できない
特殊な性癖の持ち主であるだけなのか、
作中でははっきり語られていません。
前者であるが故に抱えたコンプレックスが肥大していき、
いつしか彼を後者にしていた、という感じでしょうか?
そういった意味では、彼もまた哀れ。

直助は、純情ゆえに突っ走りやすく、少々空気を読めないタイプ。
そんな性格の彼がたまたま間部家の中間になったことが、めぐり合わせの不運だった。

仙次郎に至ってはただのセコい小悪党で、とばっちりで殺されたようなもの。

殺す側も殺される側も、一様に不運で救いがない。
そんな闇の間で暗躍するのが、これまたどん底で蠢く仕業人共。
まさに仕業人テイスト全開な話で、かなり好きな回と仰られるのもわかります。
ぼくも大好きです。


>>どくたや又衛門さん
>仕業人的にはただ殺すだけ。

これですよねー。これが仕業人だと思います。
仕掛人とも仕置人とも明らかにスタンスが違う。
「必殺ってのは、つきつめればこういうもんなんだよ。違うか?!」というのを
まさに視聴者に突きつけてくるかのような……。
>>162でペンギンさんが引用されてるやいとやのセリフも、それを象徴してる気がします。
シリーズが安定しつつあったからこそやれた、
いや、やらねばならなかった先鋭的な作品という印象ですね。
>165ごろーさん、どうも。
仕置人の熱さとも違う。仕留人の(幕末ならではの)後がない感じとも違う。仕置屋の時にはおこうという(多少いいかげんだが、女性の視点での仕事の依頼を受けてくる)窓口がいた。

それらに比べれば仕業人では営業活動が積極的。金になればとりあえず仕事をうけてきてしまいます、それもかなりがめつく....。

リアルで見ていたわしにとっては主水シリーズが連続して放映されるってことにまず驚き、前作仕置屋とのテイストの違いにまた驚き、といった1年でした。
この回は「悪事」が存在せず、全てが人と人との「綾」で転がっていくのも大きな見ものですね。

雪と直助のなれ初めである「たんこぶ」をこしらえた中間頭の鉄拳はお家の秘密を守る責任感ゆえだし、直助を筆おろしに連れて行った中間部屋の連中も、さらに初めての相手に上玉のお絹(雪)をあてがってやった岡場所の女将も、全て直助への好意でしたこと。
小悪魔的に直助をその気にさせてしまった雪の思わせぶりな「誘い」は罪かもしれませんが、ごろーさんが仰るように長年の寂しさから身についてしまった無意識の行動のようにも思えます。

殺された直助にしても、本来なら一生縁がなかった夢のような思いをした挙句なのだから、ドライに見るならプラマイゼロとさえ言えるかもしれません。
ただし仕業人的には、捨三が目撃した「矢で射殺された直助」という事実でしかないから、問題なく仕事をしてしまう(「ついで」で仙次郎も)・・・

しかし・・・「純白の内掛けに夫婦となった証を記して仲人に届ける」とか普通に台詞で出てくるあたり、他に類を見ないアダルトな回です。


>ペンギンさん
「ここに五両の金がある。悪い男が一人いる〜」の間違いでした。金が先(笑)さすが仕業人・・・
>金が先(笑)さすが仕業人・・・
最終回、頼み人が仕置料を値切るってのも仕業人ならではでしょうか。
やいとやの「どうせなら山吹色の…」と剣之介の「贅沢言うな。これだって一両だ。」も二人の性格を表してますね。

第26話 「あんたこの心眼をどう思う」


「うらごろし」に通じるようなオカルト色の感じられる回。
ユリ・ゲラーが日本のメディアで取り上げられ始めたのがちょうどこの頃らしいので、
ある種の時事ネタでしょうか。
当時大ブームを巻き起こした「超能力」を取り上げつつも、
そんな能力は決して人間を幸せにはしない、という切り口になるあたりに仕業人らしさを感じます。

とはいえストーリー的には仕業人にしては若干薄味という感じもしますので、
この機会に剣之介に絞って語ってみようかと。


この回、なんと剣&歌にお座敷がかかるという、
衝撃的な(笑 場面から始まります。

剣「酔狂な野郎がいたもんだ」

全くもってそのとおりですが、自分で言うな(笑
相変わらず芸人の自覚はありません。

おひねりは、見たところ合計一両近くありそうな感じです。

剣「パアーッと使っちまおう♪」

いっつもいっつも、
刹那的過ぎです!この人達(笑

剣「金がありゃ幸せってもんでもねえんだ」

何気ないセリフですが、剣之介の人生観があらわれていて、
なかなか興味深いです。
金が欲しいのは欲しいけど、菜っ葉ばかり食いながら
みみっちく蓄えるなんてゴメンだ、といったところでしょうか。

観始めの頃は、お尋ね者のためまっとうな仕事はできないので
やむなく貧困に甘んじている、という理解で視聴していました。

ところが、やがて「根性」で人足仕事に汗を流す姿が描かれます。
こういう仕事は口入屋が斡旋していて、いちいち素性なんか確かめないんでしょう。
つまり、稼ごうと思えばチャンスがまったくないわけでもない。
しかし、マジメに働く姿が見られたのはこれっきりでした。
では芸人としてやっていくと腹をくくっているのかといえば、
その割には芸を磨くことにはたいして熱心に見えないんですよね。

観続けていくとどうもこの男、自ら望んで今のような生活をしているとしか思えないのです。

そういえば、ある回では「こんな暮らしいつまで続くのかしら」というお歌に
「このままでいいじゃねえか」と答えてました。
何が不満なんだ?とでも言いたげな口調で。

要は、何者にも属したくない、
何かに対して責任を負う立場にはなりたくない……
モラトリアムを引きずりっぱなしの、根っからの根無し草。
お尋ね者とか殺し屋以前に、それが剣之介の実像という気がします。
一番近いのは「傷だらけの天使」でのショーケンじゃないかな。
お歌=水谷豊と考えると、もうそのまんま。
(女性な分、お歌のほうが若干しっかりしてる印象はありますが、まあ大差ないです)


最後に、お歌についても少しだけ。

何かの本で、愛とは堕ちないよう支えることではなく、
ともに堕ちることだと書かれてるのを読んだことがありますが、
まるでお歌のためにあるような言葉だと思います。

ダメ男の見本のような(書いてて胸につかえる言葉だ……)剣之介ですが、
自分に相応しい伴侶を見抜く目だけは確かだったみたいですね。
ごろーさん、どうも。

剣之介にしてみればお歌と一緒にいられるだけでそれなりに幸福で、別に何もいらない。金もあれば使うが、なければ殺しで稼ぐしかない。

お歌にしてみれば金は欲しいし、剣之介との安定した暮らしができればそれに越したことはない。「五百両」で描かれたように、できれば(お尋ね者のくせに)家も買って生活が安定すればけっこう幸せなんではないかと考えている。

剣之介はどんどん稼いでお歌を幸せにしてやろうという気持は、ない。自分がお歌と一緒にいられるだけで幸せなんで、お歌もきっとそうだと思っている。

けっこう身勝手な奴じゃないか>剣之介。


「結果」で二人が死ななければこの夫婦、いずれどうなっていたか(笑)。
>> どくたや又衛門さん

いわゆる小市民的な幸せを手にすることは絶対ないんだろうなあ……
っていう匂いは、かなり初期から漂わせてますよね、この二人。

たぶん武士だった頃の森之介は、許嫁やら何やら……
武家社会でのいろんなしがらみを全部捨てちゃいたかったんだと思う。
でも、そうかといって市井で地道に生きる気にもなれない。
そういうモヤモヤを抱えてくすぶってたところに、たまたまお歌が現れた……
ということなんじゃないかとみています。
悪い言い方をすれば、お歌に逃げてしまった、とでもいうか。

それがいけないわけじゃないけれど、
そうした道を選んでしまったら、やっぱり最期は破滅ですよねえ……。

一方お歌は女性である分、いろいろと夢見ますよね。
とはいえ、あくまでも夢見るだけなんですけど(笑
例えば剣之介に内緒でちょっとずつヘソクリしたりとかしないし、
(それ以前に財布を握ってる様子もない)
芸の腕を磨くよう進言したりもしないし、
(まあ、したら逆ギレされましたからね……)
芸がダメなら肉体労働でも、と提案することもない。

もっとも、そういう女だったら剣之介から惚れられることはなかったでしょうし、
惚れもしなかったでしょうけど。
皿回しの話をして逆ギレされた時点で
“ダメだ、この男”って見限りますよね(笑
「心眼」は、このトピでもまだ取り上げられていなかった回ですね。
こうして話題に挙げていただく事で新たな発見が得られますし、改めて観直す良いきっかけにもなるので非常に助かります。

ところでこの回の登場人物たち。出世欲からたやすく悪に堕ち自滅していく同心・浜田と、大商人の跡取りのストレスからの放蕩三昧で自ら命を落とす井筒屋の若旦那は、どこか似た者同士のようにも思えました。
同時に、それぞれ浜田と主水、若旦那と剣之介という対比も描かれていますね。

同じように六兵衛の脅威を前にして裏の秘密を抱えながら、疑心暗鬼に駆られてしまう浜田に対し楽天的な主水。
神仏の世界を一笑し黙々と西瓜にかぶりつくその姿には清々しささえ漂っています。仕置屋19話「業苦」冒頭で死後の裁きに怖気を震っていた頃から、また一つ闇の人間として深みに近づいたのでしょうか。

もう一方の井筒屋の若旦那と剣之介の対比に関しては、ごろーさんが既に述べられている剣之介に関する考察が示す通りだと思います。劇中でも、武士への未練を覗かせた事など全くありませんしね(笑)
(むしろお歌の方がそれを口にして引っぱたかれるパターン)
泥酔して河遊びをしている若旦那を橋の上から見て、「帰りたくないんだよ」と共感したような一言が印象的でした。

しかしこの回の剣之介の出陣シーン、火のついたままのロウソクの芯を指輪で切り落とす技を披露するのですが・・・そこまで行ったら、もはや髪の毛に拘らず渡し人の鳴滝忍のように殺せそうです。
26回の契約だった(?)大出俊が今回と『逆恨』を欠場。
ある意味“やっつけ”的な回です。
しかし内容は流石仕業人。
魅せてくれました。
必殺版貞子ってとこでしょうか?※もちろんコチラの方が古い。
「俺はただの人間だ!」六兵衛の叫びは、欲しくもない能力を身に着けてしまった者の苦悩がよく表現されています。
六兵衛の千里眼は『反則』な面もありますが、たまにはこんなのもいいでしょう(笑)
「私には見えるんです。中村さんがしてることを…」のシーンは最高です。(主水の表情の変化が最高!)
以前どこかに書いたんですが後期になると、激闘編の最終回、上役の同心の奥方の書置き「主人は知ってました。貴方様が仕事人であることを。」というストレートな表現になっちゃうんですね。
『話を持ち込んだ奴が一両よけいに取る。』決め事が復活したのは脚本家の先生が第一話を参考のために見直したからかな?
主水の「見事な自害だ…。」もいいですね。
「わかんねえだろうなぁ」のギャグもさりげなく(?)取り入れてました。
ラスト2〜3回前はこういう「消化試合」的なエピソードが多いですね。(仕置屋「一筆啓上大奥が見えた」、新仕置人「流行無用」など)無論、それなりにどこかしら見所はあるのですが・・・

>六兵衛の千里眼は『反則』な面もありますが、たまにはこんなのもいいでしょう(笑)

うらごろしが必殺らしくないと言われる理由の一つが、これ(裏取り調査の省略)ですよね。
今回も裏取りは少々いい加減なままで殺しに踏み切っていますが、ドライな仕業人だから違和感がないという面もありますね。ただ主水は殺しの直前に交わした短い会話の中で、おおよその見当は付けたという感じでした。

主水の裏稼業バレは、仕置人の鬼岩の回(流刑のかげに仕掛けあり)以来でしょうか?

>「わかんねえだろうなぁ」

松鶴家千とせのギャグは、本放送時(S51年)は流行語になっていましたね。
仕業人の『あの娘』を観てって言わなくて良かったですね。

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=786117&media_id=20
 必殺仕置屋稼業「一筆啓上業苦が見えた」で剣の達人が、主水が剣を置いて正座した仕草で「あなたは随分たくさんの人を斬っておられる。」と看破。
 それに対して、六兵衛は中村家の前を通った時の異様な雰囲気に悪寒を感じる。家に上がりこみ仏壇でせんとりつと話をする。それだけで主水の本性まで看破。自分が死んだ時のため、娘(大関優子、今回は汚れ役ではなかった)に仕置き料を託している。

 仏師六兵衛も主水に殺された人間の怨念を感じたのだろうか。
>むらさきさん

劇中の描写などから察すると、六兵衛は中村家と以前から懇意にしていたようです。日頃から付き合いがある中で、六兵衛はいつ主水の裏の顔を知ったのかが興味深いところですね(ずっと前から知っていて知らぬふりを続けていたのだとしたら、さぞ苦しく恐ろしかった事でしょう)。

仕置屋「業苦」の全覚は表も裏もない「人斬り」としての主水の業の深さを、六兵衛は殺し屋という主水の裏の顔を、それぞれ見通したという印象があります。
>ナラクハジメさん
 解説ありがとうございました。市松が全覚を狙いながら手を出せないで退散した時に「私は殺し屋に狙われているらしい。御苦労な事だ。」と言っています。
 また、全覚は主水が山を越えて寺に現れた時「私を殺しに来たのか。」とも言っています。市松と主水が仲間だと言っているようなものです。
 
 全覚も口には出さなかったのですが、六兵衛同様に主水の裏の顔も看破したのだろうと思います。

 二人の共通点は仏に仕えた身(全覚の場合は仏にすがった)であるのが興味深いですね。
市松の「俺が殺せるのは人間だけだ。鬼は殺せねぇ。」が印象に残ってます。
全覚の弟子(?)の山伏、悪そうな奴だったけど成り行きで印玄にやられちゃったような記憶が…。
市松と主水が仲間というより、全覚は常に命を狙われていたので、誰にでもそう思ってたのではないでしょうか?
現に主水の同門は市松とは無関係ですし。

おっと仕置屋の話題はこれまで。
あらあらかしこ
さらなる脱線で失礼します。

改めて考えると、全覚はほんとうに殺されなければならない悪党だったのか、いまでも疑問が残ります。

個人的には、仕業人「結果」の土屋小十郎とともに、主水でなければ斬れなかった(というか、話が成立しなかった)キャラだと思っています。

全覚は厳しい修行の果てに弟子である若者を殺してしまっただけ(業務上過失致死か?)だし、小十郎に至っては職務忠実に剣之介を捕らえただけです。

この2つの話では主水は侍としての自分にこだわっているように思うのです。全覚の場合には「ここで降りたら侍としての俺が仕置きされるんだ」みたいな発言を、小十郎の場合には侍として仇討ちを、それぞれしているようなんです。そして両者とも悪党ではない....。

どこかに書いたような気もしますが、こういった面が主水キャラの奥深さなのかな、と。
>> どくたや又衛門さん

仰るとおりだと思います。
土屋も玄覚も、いってみれば「アナザー主水」みたいなもの。
特に玄覚のことは、侍としての己の行く末を占う存在としてみていたはず。
達人同士、体に染み付いた血の匂いがわかるし、
互いの背負っている業も見えるから、
玄覚がそれを口にしたところで、主水もさほど驚かない。
「お互い様」なのです。

六兵衛とのケースは、またちょっと違いますね。
血の匂いなどまるでしない六兵衛が己の裏の顔を見抜いた事実には、
相当に虚を突かれたんじゃないでしょうか。
実際には、玄覚のように経験と直感に基づいて「感じ取った」わけではなく、
単にオカルト的な力が六兵衛に「見せてしまった」だけなのですが、
神信心などハナから持ち合わせていないリアリストの主水にしたら、
そんなことは想像できる範疇を超えてるのでしょう。
二人へのリアクションの違いからも、そのあたりが読み取れますね。
>>rogosu さん

ぎゃー!!お恥ずかしい。
ご指摘ありがとうございます。
マジメに書いた書き込みも、これじゃ全部ギャグになっちゃいますね(汗


>あの人もギャグシーンではありましたが主水の正体に言及してますね(笑)

ほんとだ、確かに(笑
ケガの功名ということで、どうかひとつ(笑
>>rogosu さん

いえいえ。からんでいただけるのは何より嬉しいことですよー。
脱線とも思っていませんし。
仮に脱線としても、仕業人に関わる話題でありさえすれば、
活性化につながって良いように思うんですが、いかがでしょう管理人さま?

玄覚さん、濃さ&怪しさでは、歴代間借り人でもNo.1ですね。
そのせいか、やはり短期で退場でしたけど(笑
rogosu さん、どうも。

間借り人とは違いますが、中村家にはついに赤兎馬(せきとめ)組まで押し入ってしまいますね。

仕業人は中村家の出入りの人数の多さではダントツですね(笑)。
人どころか生首や死体まで出入りしてますからね(笑)>中村家@仕業人

脱線・トピずれなどに関してはこのコミュではあまり拘っていませんので、どんどんやっていただいても問題ありません。この流れにしても六兵衛から全覚、そして玄覚へと無理なく続いていると思いますし・・・

脱線ついでに(笑)
中村主水という人物の大きな魅力は、面倒くさい武士のしがらみを鼻で笑うかのような本音の痛快さやスマートさ、もっと言えば武士らしくない所だと思うのですが、「業苦が見えた」「この結果」では、普段馬鹿にしているはずの武士のしがらみに足を突っ込んでも逃げない。必殺III(裏か表か)の主水にも通じる、むき出しの人間・主水が見えるようなのが両作品の魅力ですね(脚本が同じ安倍徹郎氏ですから、当然なのかもしれませんが)。
>必殺III(裏か表か)の主水にも通じる、
>むき出しの人間・主水が見えるようなのが両作品の魅力ですね
>(脚本が同じ安倍徹郎氏ですから、当然なのかもしれませんが)。

すいません。
横槍ですが、『必殺?』は、
野上御大に、保利吉紀、中村勝行両氏の共同脚本です。
…というか、野上さんと、あとの両名の意見が途中で衝突して、
実質はほぼ野上さんが書き上げたようですが…。
>念仏の松さん

曖昧な書き方ですみません。rogosuさんに補足していただいた文意で読んでいただければ幸いです。

>rogosuさん

フォローありがとうございました。
第16話 「あんたこの無法をどう思う」

必殺にはしばしば「この女優さんだからこそ成立してる」
っていう回がけっこうありますが、
仕業人は、特にその種の傑作に恵まれたシリーズという印象があります。

「あの娘」のテレサ野田しかり、「女の性」の宇津宮雅代しかり、
「奥の手」の楠侑子&坂本スミ子しかり……

そうした中でも、群を抜いて印象に残るのが、
この回のゲスト、横山リエ氏です。

大島渚の映画「新宿泥棒日記」の主演などでカルト的な人気を誇る横山氏。
この回で彼女が演じるおとく(おとみ)は、義父と心中した生き残りで、
いまは世捨て人のように生きているという、仕業人ならではの濃ゆーい設定。
誰か他の人がこの役を演じた場合、
おそらく彼女の悲劇性を前面に押し出すか、
逆に自暴自棄なやさぐれた感じに仕上げるか、
インモラルな設定からドロドロ感を滲ませるか……といった感じかな。

横山氏はそのどれでもなく、
全てを失い、自分自身をも、失った「もの」として突き放している……
そんな女性を演じている。

そのピークが、
鳥追いをしていたおとくが、ヤクザ者たちの嫌がらせで
無理やり逆立ちさせられるシーン。
誰か他の女優なら、虐げられるおとくの悲しみを、
哀感たっぶりに表現するかもしれない。
それによって、視聴者はヤクザへの怒りを滾らせる。
まあ、必殺シリーズにはわりとよく味わえるパターンです。

ですが、ここでの横山氏が表現しているのは、
喜び・幸せはおろか、絶望すらすり抜けてしまうことを己に課した、
そういう残酷な透明さ。
そしてそれ故に、お歌に幸吉の生存を知らされたシーン……
冷たい無色のガラスに、みるみる色がさしていくさまがものすごく鮮やかなのですし、
訪れた残酷な再会は、より一層のやるせなさを喚起するのですね。

横山氏、仕置屋「一筆啓上不実が見えた」にもゲスト出演してますが、
これがまた、横山氏にしか出せない味で演じてるんですよ。
ラストシーンがとにかく強烈!併せて必見です。


今回の剣&歌

「あの人たちお金が要るじゃない」

「お、オレたちだって要るじゃねえか……!」


もう、言葉もありません……(笑


それと、

「それでも殺し屋かね」

「マジメにやってくれよ」

なんて言われて、ミソっかす扱いだったお歌が、
いつの間にか、男三人を叱り飛ばすほどになってる。
なんだかんだで仲間意識を育んできたのがわかる、
こういう描写をきっちり入れているのがいいですね。
完全に更新を見落としてしまっておりました。管理人なのに・・・
このトピックでもまだ話題に挙げられていなかった16話「無法」の感想、拝読させていただきました。

この回、そして仕置屋「不実」で見せた横山リエの虚無感は、ごろーさんの仰る通りに彼女以外の女優では醸し出す事のできない空気(演技力とは別次元のもの)ですね。
女の悲劇を、「涙」ではなく冷え切った無表情や台詞語りで表現する演技は、特に仕業人のドライな世界観にこの上なくハマっていたと思います。

かつての恋人・幸吉ともども、虚脱感の余り死ぬ気力さえ持てなかったおとくの十年・・・道端の石ころのように擦り切れた感情表現が、回想シーンなどで一切描かれていないにも関わらず、それを実感できてしまいます。
そこに描かれるのは、「絶望したままでも人は生きていけてしまう」という、とてつもなく残酷な真理・・・事実、おとみ=おとくが十年目にして自ら死を選んだのは、幸吉との再会という「希望」を味わってしまったが故でした。
サブタイトルの「無法」の言葉は、悪役として描かれる赤鞘組の暴虐以上に、二人を翻弄したこの不条理な運命に対してこそ相応しいのかもしれません。

何気ない部分でも、冒頭におとくの台詞でだけ語られる、赤鞘組に惨殺された鳥追い女の話(富くじで大金を得た直後に襲われ、金を奪わないでと哀願するが殺される)がまた、流すには余りに理不尽かつ残酷で・・・最後に幸吉が庇った船宿の女将さんだけは助かる一点の救いも、どこか印象薄く色褪せて見えます。

それでも不思議と必要以上に重苦しくならず、面白く観れてしまうのは、こと金が懸かった時の剣之介はじめ仕業人の面々が見せるバイタリティが心地いいからだと思います。

剣之介「礼金5両は堅いな」
主水「馬鹿言え、10両だ」

ただし、やいとやだけは彼のもう一つの面である無私のサービス精神で動いている感じが、また面白いですね。


今回ごろーさんのチョイスでこの回を改めて観直し、色々な発見ができました事を感謝いたします。仕業人コミュの参加者の皆様も、今後とも御参加のほど宜しくお願いします。
“中村主水”が過去という時間のみに生きる存在となった今、ファンたちが何度でも繰り返し語り継ぐ事の意義は、より増していくと思いますから・・・

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