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高次脳機能障害を治し隊コミュの遂行機能障害を改善する取組・方法等

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遂行機能障害を改善・カバーする取組・方法等をシェアするトピックです。

あなたが知っている事、行っている事などを何でも書いてくださいるんるん

コメント(26)

この障害を負うとマルチタスクが苦手という方が多いのではないでしょうか?

私は遂行機能障害があり、やる順番がわからなくなったり、当初はできていてもやる事が増えてくるとどれから手をつければいいのかわからなくなりがちでした。

その対策として手帳を使うようにしています。使っている手帳はバーティカルという1日のスケジュールが時間軸で書けるタイプのものでするんるん

まずはやるべきTo doをすべて手帳に書き出します。(見える化)その各To doのタスクにプライオリティ番号をつけて番号が若い順に取組み、終わった物は横線を引いて消し、冒頭に○を付けてます。頭で考えようとするからパニックになるので、全部見える化することがポイントだと思います。

手帳は常に広いておき、一日が終わる頃には全部を見返して漏れがないかを確認します。完了したタスクの横に○をつけているのは、一日いくつ○をとれたのか達成感を感じられるようにするためです。

あとは作業によって予定時間を算出し、作業ごとにカウントダウンタイマーのソフト(例:60分⇒0分)をデスクトップに表示して集中力を高めています。
私は遂行能力障害が原因で10日で会社をクビになったり、契約期間を1年間で20分の1に短縮されたりしました。

私自身は自信喪失して自分に匙を投げてしまい、よっしーさんのように手帳を使うという自分で方法をあみだしていったのではなく、他人に助けを求めました。

つまり、「ジョブコーチ」を会社に頼み込んで導入してもらいました。

当時勤めていた会社が私のような障害者、つまりただの身障と思って雇ったら限りなく人間からかけ離れていましたという障碍者を雇った経験がなかったので、会社のほうもどう接していいかわからず、お互いに右往左往してお互いが揺れ動いていました。どちらも決定打を掴むことができなかったので、こういう時には専門家の意見を入れてやってもらったほうがうまく事が運ぶのではないかとまずはかかりつけ医に相談しました。そうするとたまたま当時の私の住まいの地区を担当している福祉センターに高次脳に造詣があるジョブコーチがいると教えてもらいました。

そこで会社にジョブコーチの話をして自分の障害に合った仕事を専門家がみればわかるから、しばらくジョブコーチを会社内に派遣してもらうことを許可してほしい。もちろんしごとの機密をジョブコーチが外部に漏らすことはないので安心してほしい。相手も企業が念書を望むのであれば念書の提出も辞さないといってます。ということを伝えました。また制度を活用しても料金が会社にも私にもかからないことを伝えました。

会社側はとにかくそういう制度があるならやってみようかということになりました。

それで今度は私が福祉事務所にジョブコーチ面接で訪問し、ジョブコーチに自分が同時に2つ以上に仕事ができない、仕事の段取りが優先順位を自分でつけられないため組むことができないなど色々と具体的に自分の馬鹿さ加減を伝えていきました。どこまでこの人が馬鹿なのかということが具体的に懇切丁寧にジョブコーチに伝えることで、ジョブコーチ側もこのひとがどのあたりの馬鹿なのかという見当がつきますし、どういうところが馬鹿でどういうところは健常なのかということも懇切丁寧に相手に伝えることで理解してもらえます。

希望者本人が面接を受けた後で、今度はジョブコーチが会社に連絡して、ジョブコーチが可能かどうかを問い合わせます。

会社は簡単にOKをだしました。

それでジョブコーチが会社を訪問して、ジョブコーチの説明をします。

この人にあった仕事を見極めるために週何回合計何回ほど会社を訪問し、だいたい何か月後かに結論を出すといってくれます。

会社の了承を得て私の場合は3か月間で18回訪問してくれました。最初のうちはほぼ毎日ジョブコーチが訪問して現在の私の仕事の仕方を黙ってみているだけです。中間期あたりから、積極的に仕事のやり方についてアドバイスが出るようになると同時、ジョブコーチ側でこの人の適性をつかみ、仕事の振り分けを会社の担当者に提言してくれるようになってきます。

私は電話業務が負担になっているようだったので、一切電話に出なくていいという指示を会社から受けました。一方で入力作業は得意分野とみられてデータの入力作業などに応援で行くようになりました。

仕事の段取りの組み方なども都度都度アドバイスしていただけます。

仕事にはおかげですぐに慣れました。もしジョブコーチを導入していなければ苦手な仕事が足を引っ張って結果的には全体が総崩れという最悪の状態になっていたかもしれません。

自分で改善策を見つけられない時はジョブコーチを頼むと便利ですよ。ただしジョブコーチもピンキリで高次脳に造詣の深い人物に頼まないと時間をドブに捨てることになります。
それともうひとつ、これは行動障害・注意障害・記憶障害もちろん遂行能力障害にも効果的なのが、馬鹿丁寧に日記をつけることです。
そしてその日行動してどんな障害トラブルがあったかということを記録していきます。これで自分がどういう点が弱点でどういうときにその障害が起きているかがすっかり判ります。

(例)
12月17日 今日は朝から鳥小屋の掃除をしました。私の家の排水溝は隣の家とつながっています。そのため私は隣の家に鳥小屋掃除で出たもみ殻その他のゴミが隣の家に流れ込まないように排水溝に衝立を設置しました。ところがその衝立があまかったことと、隣の家に水が流れないようにと自分では配慮したつもりで自分の家の奥のほうで水を流したのですが、水の水量調節をせずに一挙に水を流してしまったため、反動でものすごい激流になって隣の家めがけて排水溝を一挙に水ともみ殻を含む水に浮くゴミが全部流れて行ってしまいました。

私の家は鳥小屋掃除をして水も流したからとてもきれいになったけど、隣の家に全部ゴミが流れて行ったために、隣の家は惨憺たる結果になりました。

今度はこんなことが起きないように、もっとしっかり養生をしてから鳥小屋の掃除に取り組まないといけないと思いました。

ま、実際の話なのですが、こういう風に具体的にどういうドジをしたかということを細かく書いて、またその反省もしっかりつけておくことで、書くことによっての記憶の刺激を図って同じミスの低減が若干ながら行うことができます。
また読み返すことでどういういミスが多いかということもわかってきます。
私は「反省帳」として日記を使うことで、障害により繰り返していたトラブルをある程度減らしていくことが現在のところで来ています。

ご参考までに。
>山さん
大変役立つ情報・方法をご紹介いただき、ありがとうございまするんるん
これは参考事例として非常に良いと思います。

【手帳について】
私はリングファイル形式の手帳に「達成した事リスト」「反省リスト」を記入しています。

前者は凹んだ時に見直す事で自分を鼓舞するカンフル剤として、後者は同じ失敗を繰り返さないためです。人は元々忘れる生き物ですから、「記録」は重要だと思います。ただ反省リストばかりが増えて行くと、凹む一方なので、達成した事リストに小さなことでもいいので記入をします。小さな達成感を繰り返し味わう事で自信にもつながると思います。
>うるうるさん
紙に思いついたらすぐに書くというのが大事ですよねるんるん
私は記録に残したいので、常に手帳に記入してそれを開いています。
あと1週間、1ヶ月後にそれを見返して、あ〜あんなことあったなぁといった感じで記憶に刺激を与えていますよ。

プライオリティ付けも見える化しているのでいいと思います。
貴重な書き込みありがとうございました

☆彡アイディアを出し合うとそのアイディアを元にさらに新しいモノが出てきそうですね☆彡楽しみです。
自分には遂行機能に障害はないと思っていたのですが、皆さんの書き込みを見て自分の困難に思っていたことが遂行機能障害だったのだと思いました。

貴重な貴重なコメントありがとうございます。

入院中に日記をつけていたのですが、その日記には自分の思ったこと・考えたことを何も考えずに書きなぐっていたのですが、それが良かったのかもしれないと思いました。

なので、自分の行動を振り返るということは非常に重要なのだと思います。



自分は形式的に、きちんとメモをとるということがどうもやりにくく、思い立ったらすぐに書きたいです。それは、なんとなく、自分の頭が働く時と働かない時があり、働かないときはなにも思いつかないし、アイディアが出てこないんです。
思い立ったときにすぐに行動に移さなければ、やがて忘れてしまうんです。

しかしながら、仕事をしているとそうもいかないので相手から話があれば、次のような方法を一時期試していたことがあります。

それは、あまりメモを取る姿を相手に見られるのは失礼に思えたり、メモしている時間が相手にとって不快な時間になっているような気がするので、話の主題を絞ります。席に戻ってから主題に関連した記憶をたどる、という方法を会社員時代にやった事があります。
難点は時間がかかる、ということです。
つらいところです。

高次脳はエピソード記憶なら良いということを最近聞きましたので、時間の制約との兼ね合いで、皆様も試してみてはいかがでしょうか?
>ヒデさん
自分の行動を振り返るというのはいいと思います。それが手帳であれ、日記であれ、記憶を呼び戻すきっかけとなるものがあった方がいいでしょう。

自分の場合、入院当初から3年間ぐらいのことはあまり記憶にありませんが、記録を残して振り返りを始めてからの記憶は比較的残っていますね。

メモを取る姿が失礼になる場合は、ボイスレコーダーを使うなり、一言自分が記憶に障害がある旨を事前に一言伝えておけば、それについて咎められることはなくなるのでは?

エピソード記憶いいですね。そういう癖をつけたい。後これは記憶に関するトピに書きましたが、私が記憶に使うのはイメージとそれに伴う感情を感じながら記憶、それも非日常的なイメージと組み合わせて覚える事です。左脳だけでなく、ポテンシャルが左脳の10倍以上あるというイメージを担う右脳も使って記憶する方が忘れにくくなりましたるんるん

例えば「佐藤さん」という人に会った時は、頭の上から「砂糖」が雪崩のように落ちて来て、「佐藤さん」が生き埋めになるというイメージをしますwまたは既に知人の佐藤Bさんがいた場合は、そのBさんと合体するイメージをしてもいいかもしれません。ただ佐藤さんと覚えるよりは確実に思い出す確率は上がると思います。

>皆様
皆様も自身でやられている事があれば是非シェアをお願いします。そこからまた新しい手法やアイディアが出てくると思いますので晴れ
ひらやまさん

そういうのも遂行能力障害の一つといえます。
私の場合はたとえば電話をうけながら、パソコンで情報を入力するといった1度に2つ以上の作業をすることができず、混乱して結局何もできなくなるというような症状があります。このため複雑な業務をこなすことができないので単純作業のルーチンワークしかできません。

私の場合は買い物に行って自分が食べるだけの量とはかけ離れた量の買い物をしてしまうという遂行能力障害があり、食べ物の5分の4は廃棄処分にしているのが実情です。なんとかこれを5分の3くらいまで改善することが日記や携帯のメモ機能を使うことで克服してきています。
私も先に献立を決めて買うものの量も確定して買い物をするようにしています。
そして財布のなかもそれに見合うだけの金額しか入れていかないようにしています。余分なものが買えなくなるようにするためです。

ここまでしないと買い物ひとつ満足にできないのかと自分自身が情けなくなる時もありましたが、そういう障害なので今は割り切っています。
>ひらやまさん

自分は買いすぎるという事はないのですが、

■作るモノをイメージして頭の中で料理をする
■材料で必要な物とその量を紙に書きだしてリスト化
■リストを見ながら、冷蔵庫やストック品を照らし合わせ&あるものはリストから取り消し線で消すor量を記入
■記入した紙を持って買い物へ

これで買いすぎるという事は回避できるのではないでしょうか?
おそらくあと数年後には冷蔵庫の中身をモバイル端末から確認できるようになっていると思います。

朝レンジをして忘れてしまっても大事にはならないと思いますが、火を付けて忘れてしまうと火事になるので、私はお風呂を入れる際や料理の際は必ずタイマーを入れておきますぴかぴか(新しい)何のためのタイマー化を忘れてしまう方は、タイマーの下にメモを書いておくといいと思います。

突発的に入る予定はまず手帳に記入後、プライオリティ付けをして、重要度が高いモノから取り組むようにしています。そして終わったモノは取り消し線を引いて消していきます。「見える化」をすることで、突発的な予定も比較的冷静に対処できるようになりましたうれしい顔頭の中でだけで考えるのではなく、頭の外に出し視覚化するのがポイントかもしれません。

>ひらやまさん、うるうるさん
ガスは自動消火なんですか。
うちは2個のうち左側はオートで消えるのですが、右側は消えませんし、弱火でコトコトという感じだと反応してくれないようですたらーっ(汗)

お風呂も焚きっぱなし、入れっぱなしって事が起こると大変ですよねー。今はオートでやってくれるのが増えていますから、この障害を負った人には導入をおすすめしたいです。タイマーなども100円で買えますし、それによって惨事を回避できるなら安い買い物かと。

リスクは取らないに越したことはないと思うので、こういった事も障害を負った際に指導してくれればいいのでしょうね。

うるうるさんは文字からの理解が苦手なのですか。文章を見る限りでは非常にしっかりなさっているように思いますが。図や絵を使って説明できればいいんですけど、自分は絵のセンスが0ですw
ちなみに私は空間の認識がおかしいようです。席順とかを出されても理解できない事がありました。

主婦の方の悩みは主婦の方にしかわからないかもしれませんね・・・・。主婦の方をこちらのコミュに誘ってくださいませ☆彡
>ひらやまさん
お言葉ありがとうございまするんるん皆さんのお役に立てたのならうれしい限りです。

数字は言葉とイメージに置き換えて覚えると良いかもしれません。

歴史では1192年⇒『「いい国」作ろう鎌倉幕府』という言葉に変えますよね。

このように無理やり数字を仮名に当てはめたり、私は数字と仮名の変換表を作って、イメージしながら引用しています。

私も周りのすすめで病院の家族会の集まりに行ってみて同じ印象を覚えましたあせあせ(飛び散る汗)それで家族会には入りませんでしたね。重度から軽度まで障害の度合いによって必要な支援も違ってきます。そういった意味ではまだまだ現在の障害者支援の体制は不十分だと思います。(というか切り捨て?)

本来病院でもこの手の事を教えてくれればいいのですけどね。私がいた病院では前述のように「メモをとりなさい」(←Howがない)、「周りに障害を理解してもらいなさい」(←赤の他人が口頭の説明だけで障害を理解できますかね?家族すら理解できないものをあせあせこれもHow、具体的に「どのように」をセットにして指導して欲しかった)だけでした。

病院ではリハビリの期間も短縮されたようですしできる事には限りがあるでしょうけど、命は救うだけではなく、患者の障害を負った「その後の生活」をもっとサポートして欲しいと思いますね。

>ひらやまさん

「医師には、実生活と障害をすりあわせて、不便を改善する方法を見つけてください」って丸投げじゃないですかたらーっ(汗)それを他のメディカルスタッフがフォローするなどのアクションはなかったのでしょうか?

まぁ私も同じような状態でしたけど。

仮名の変換表は個人個人で変わってくると思います。数字を2ケタずつ韻を踏んでもいいですし、あ行・か行をそれぞれ変換する方法もあります。簡単な韻を踏みイメージを組み合わせる方法ですが、

例えば住所を「南青山1-29-14」と仮定すると(南青山を知っていればいいのですが、地名も知らなかった場合)、

「南国にがそびえ立った真っ青な山に登り、イチジク(1)と肉(29)を石臼(14)ですり潰して意味不明な謎の料理をしている」イメージをします。できるだけ鮮明に非日常的なイメージの方がいいと思います。食べた味も想像するなど五感をフル稼働させた方が記憶に定着しやすいです。試しにイメージを作ってみて下さい。普通に覚えるより数段記憶に定着しやすくなりませんか?

この元となる数字⇒仮名を表にしておくと便利だと思います。

私は物探しにそこまで苦労することは無いのですが、イラストを描いて、どこに何を仕舞ったか文字で補足するというのはどうでしょう?家庭内の地図を作るわけです。それを作って見える所に貼っておくとか。

症状によってトピックを分けたのは後の人達が自身の症状から、改善方法を探す際に探しやすいようにするためです。後の人達のために、可能なら以後はそれぞれの症状の所にご記入下さい。


共稼ぎなのでたまに料理をする時は、細かい当たり前のこと 「水道の蛇口をひねる」などまで書き出してから始めます。だから頭の中で確実に料理が作れることを確認してあとは突然の電話などの予期しないことにも対応できる、ようにします。
>RRRさん
コメントありがとうございますぴかぴか(新しい)
絶対に覚える!と思ってもすぐに忘れてしまいませんか?私は忘れてしまう事が多いです。
自分の好きな事や興味が深いものは記憶に残りやすいようですよ。

>ぎんさん
コメントありがとうございまするんるん
まさに王道ですね。先に作業を「見える化」して、イメージするのがポイントになるかもしれません。
イメージをつかさどる右脳のキャパは、言語や理屈をつかさどる左脳の10倍以上のキャパがあるとか。
この辺は専門化のお話を聞きたいですね。
ソフトバンクモバイルは、知的障害者の日常生活支援を目的として、ソフトバンク・フレームワークス、アイエスエフネットハーモニー、富士ソフト企画、NPO 法人自立支援センターむくと共同で、移動時の行動をサポートする「AR(拡張現実)ナビゲーション機能」や、保護者が利用者の行動を把握できる「行動判定機能」など、スマートフォンを活用した機能のサービス化を目指している。

現在これらの機能およびサービスは試作・検証段階で、リリース日程や対応端末などの詳細は未定となっているが、3月16日に東京都中野区で行われた実地検証の場に同行させてもらったので、その様子をレポートする。スマートフォンが持つ大画面タッチパネル、GPS センサー、クラウドとの連携などの特長は、障害者のサポートにどのように役立てられるのだろうか。その可能性を探ってみたい。

なお、今回の実地検証には、実際に知的障害者とその保護者が参加。主に「AR ナビゲーション機能」と「行動判定機能」を体験してもらい、その感想や意見を今後の開発に活かすのだという。

「AR ナビゲーション機能」の実地検証の様子

■画面に映し出された矢印が行きたい場所へ利用者を誘導する「AR ナビゲーション機能」

「AR ナビゲーション機能」は、スマートフォンのカメラを通して表示させた目の前の風景に対して、事前に設定した目的地の方向を矢印で示して道案内するもの。現在位置や向いている方向の把握には GPS を活用し、カメラが向いている方向に道案内を正確に表示させている。利用者が地図を見なくても目的地までのルートを直感的に把握できる点が大きな特徴だ。

実地検証ではチーム別に目的地を設定。筆者は中野区新井のアイエスエフネットハーモニー事務所を出発地点とし、およそ 550m 離れた中野区役所に向かうチームに同行した。

そこで参加者はまず、目的地を設定するためスマートフォンの画面の機能一覧から「AR ナビ」(仮称)を選択し、事前に登録された周辺の施設情報のうち「中野区役所」を選択。するとカメラが起動し、画面上にはカメラを通して実際の風景、その上に目的地の方向を示す矢印と目的地までの距離が表示された。

画面を確認しながら目的地に向かう参加者

その後参加者は画面上で矢印の示す方向に向かって出発。途中の交差点などでは矢印が示す方向から進む方向を判断しながら歩行を進め、ほぼ迷うことなくおよ そ10分程度で目的地に到着できた。続いて中野区役所から北東へ約1.5km のところにある西武鉄道新井薬師寺前駅へも矢印に従って進み、およそ20分で到着できた。

「AR ナビゲーション機能」画面

無事に目的地に到着し終えた参加者からは「矢印で行く先が表示され分かりやすい。初めての場所でも安心して目的地に向かえた」との感想が聞かれた。一方で、複雑な道が交差する路地裏などでの使用、継続使用によるバッテリーの大量消費などが今後の課題としてあがった。これらに対して、開発担当者らは引き続き機能の改善を図るほか、より安全に使用する方法などを模索し、今後サービスとして提供できるよう実地検証を重ねていくとしている。

■「予定」と「実際の行動」の差異から異常を察知する「行動判定機能」

次に行われたのは、「行動判定機能」の実地検証。この「行動判定機能」とは、スマートフォンにあらかじめ利用する人の「予定の行動」(「時間帯」と「エリア」)を設定しておくことで、「実際の行動」と比較し、異常があった場合に保護者などが事前に登録したメールアドレスなどに通知する機能だ。スマートフォン=利用者の歩くリズムや動くスピードなどから「停止」「歩行」「車」「電車」の4つの状態を推測し、予定されている行動との比較で違いを判断。利用者が道に迷ってしまった、電車を乗り過ごしてしまった、といった行動を見逃すことなく察知し、利用者に想定されるリスクを回避することが期待できる。

「行動判定機能」の利用イメージ

通知先メールアドレスや予定の行動を登録する画面

実地検証では、参加した知的障害者(=スマホ利用者)とその保護者がペアになって参加。スマホ利用者は「予定の行動」を登録したスマートフォンを片手に外出し、保護者はインターネットにアクセスできる環境で待機してその機能の実効性を検証した。

なお今回は2パターンのシチュエーションで検証を実施。ケース1は「電車に乗って移動しているはずのスマホ利用者が電車に乗っていない場合」、ケース2は「電車を降りているはずのスマホ利用者が電車を乗り過ごした場合」となる。

ケース1では、スマホ利用者が15時50分に中野駅から新宿駅に電車で移動する予定を登録。実際には登録した時間帯に電車に乗らず、中野駅付近を歩いて過ごし予定外の行動を取ることで、保護者に通知が届くかという検証を実施した。

その結果、スマホ所有者が中野駅付近で歩行中、15時53分の時点で、保護者が登録したメールアドレスにスマホ所有者の「状態」(「停止」「歩行」「車」「電車」のいずれかの状態を示すアイコン)と「位置情報」が通知された。

行動履歴閲覧画面では利用者の状態(アイコン表示)と
位置情報を知ることができる

位置情報は詳細な地図で確認することもできる

また、予定外の行動を取った場合には、スマホ利用者自身にも予定の確認通知が届き、スマホ画面に確認用メッセージが表示された。なお同画面では、会社や保護者などの宛先と自分の状態を選択して連絡を行うこともできるという。

利用者のスマホにも予定の行動を確認する画面が表示される

ケース2では、中野駅から電車に乗り16時15分頃新宿駅で降りるという予定に対して、実際には新宿駅を通過し四ツ谷駅で電車を降りた。その結果、16時18分頃に四ツ谷駅を出発する際に、ケース1と同様保護者の元に通知が届き、体験者のスマートフォンにも確認画面が届いた。

これらの実地検証を通して、保護者からは「体験することで使い方のイメージが持てた。分かりやすい」との感想や「事前に(利用者の)状態を把握できるので、(利用者が)パニックになっても意思疎通がより早く行えそうだ」「(利用者)本人が自身の状況を話さなくても行動を把握できるのが良い」といった意見が聞かれた。

ソフトバンクモバイルなどでは、今後もこれまでに述べたような実地検証を重ね、利用する当事者の意見などを多く取り込み、将来のサービスリリースに向けた機能改善などを図っていくとしている。この実地検証は、あくまで基礎研究の一環として行われたものであるが、このような検証から得られた知見は、障害者の支援にとどまらず、利用者の行動支援・生活支援のためにスマートフォンが果たせる役割を模索するものとして、意義のあることだと言えよう。今後の更なる研究開発と実用化に期待したい。

http://japan.internet.com/webtech/20130410/2.html

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