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転職支援 英会話教室コミュの24.A−18 ユーモアが分かると英米人に親しみがわく “日英言語の最大の違い”を理解する

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 英米人は、会話を楽しくしようと努力します。その気持ちは分かるのですが、銅メダル時代のぼくには、まじめな会話の時の方が気楽でした。彼らのユーモアが理解できなかったからです。今週は英米人のコミュニケ―ションの根底に流れるユーモアを解説します。

ユーモアは日本語に翻訳できない

「英語が話せるようになって、いちばん変わったことは何ですか?」
 とよく聞かれます。

 ジムに通い続けると体が頑丈になる。経営者は事業が成功し始めると自信にあふれた顔つきになってきます。英語ができるようになると、自分がどう変化するのでしょうか。

 実を言えば、大きな変化はほとんどありません。英語が話せるようになって、より論理的な日本語で話せるようになったということはありません。感情表現に変化が現れたということもありません。日英の両国語ができるということは、コインに例えれば、表には日本語が書いてあり、裏には英語が書いてある状態です。コインを投げたときにどちらの面が出るかの違いはあるにせよ、コインの価値(話す中身)は全く同じです。

 ところが、ユーモアだけは例外で、英語から日本語に訳しても通じません。アポロ11号が月に着陸したときの同時通訳で有名になった名通訳の西山千は、アメリカの要人の通訳をする前に、「ユーモアはやめてください。通訳できないから」と諭していたといいます。

 ぼくは、英米人的なユーモアのセンスを身に着けることができました。これは良いことなのですが、困った問題もあります。英米風ユーモアを日本語でも言ってしまうことがあるのです。ぼくのことを「面白くない洒落を言う人」と思っている人がいるかもしれません。これが英語を話すようになって起きた最大の変化です。

 なお、本論に入る前に、用語の定義をしておきます。この稿ではユーモアをジョークの一部としています。図表にあるように、「ジョーク」を「ユーモア」と「駄洒落、小話」の2つに分けます。これを「英米人にとって面白いか」と「日本人に分かるか」の2つの軸で見ることにします。

 概して、
(1) 駄洒落や小話は日本人にも分かり、英語でも面白い場合が多い。
(2) ユーモアは日本人には分かりにくいが、英語では面白い場合が多い。
(3) ただし、ユーモアには日本人に分かりにくく、英語でも面白くない場合もある。これは日本語 では皮肉になる。
 となります。
 ユーモアは日本人に分かりにくいとしましたが、笑える場合もあります。例えば、アメリカのレーガン大統領は狙撃され意識が朦朧とする中で、医師に向かって 「君は共和党員なんだろうね」 と尋ねたと言われています。ただし、このような例外を除けば日本人には理解できないユーモアの方が圧倒的に多いようです。

 今日は(2)と(3)に関する話が中心です。

2011年3月4日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110228/218652/?rt=nocnt

英語はユーモアと切り離せない

 今日のコラムでは英米人のユーモアの実例を日本語で書いていきます。これを読んでも「それほど面白くない」と思う方が大半でしょう。ここが英語文化のいちばん理解しにくいところです。しかし、英語がうまくなるにつれてユーモアが分かるようになるだけでなく、自分でも発するようになっていきます。

 銅メダルのうちはユーモアが分からなくても、なんら問題はありません。また、ネイティブも手加減するので、銅メダルの人にはユーモアを言わないようにしています。「だったら、なぜユーモアについて、銅メダルの学習者向けに書いているんだ? 我々には関係ないじゃないか」と思われるかもしれません。

 おっしゃる通りです。しかしユーモアは英語の根底にあるものであり、英語そのものと切り離せないものなのです。気が張っているときには、英米人は手加減をしてくれます。しかし、気が緩んだときにはユーモアが出てきます。だから、ある程度の理解があった方がいい、というのがぼくの考えです。

 また、英米人と自分が1対1のときは、こちらのレベルに合わせて話してくれます。でも、向こうが多勢の場合はユーモアを連発します。こんなときは「面白さが分かっている振り」をしなくてはなりませんが、これは居心地が悪いです。それでも、今日お話しするポイントが分かっていれば、ユーモアそのものは面白くないとしても、英米人がユーモアを発した際に戸惑うことはなくなるでしょう。

 日本語でも、読めるけれども書けない漢字がたくさんあるでしょう。同じように、自分からユーモアを言えなくても、ある程度理解できるようにしておくことが必要だということです。

 ぼくの好きな語学学習番組にNHKの「リトル・チャロ2」があります。子犬が飼い主を捜して旅に出る冒険物語です。毎週木曜日はネイティブ・スピーカーの2人がその週のエピソードについて語ります。この中で、英語文化を理解してもらうためなのか、2人は必ずユーモアを入れています。

 語学番組ですから、2人はかなりゆっくり話します。ですが、面白いことに、ユーモアのときはやや早口になり、普通のスピードに近くなるのです。ユーモアは、「自分らしさ」と密接な関係にあります。自分らしさを出すと、どうしてもその人本来のスピードで話すことになるのです。

 ユーモアには4つのポイントがあります。みなさんはここで紹介する4つのポイントを押さえれば十分です。

ポイント1:些細なことでも全員参加で楽しもうとする

 ぼくは米国在住中にある雑誌を定期購読していました。2週間続けて雑誌が届かないことがあり、翌週には雑誌の代わりに封書が送られてきました。

 「お送りした雑誌が、宛先不明で当社に戻ってきてしまいました。正しい住所を連絡してください。雑誌の発送は連絡があり次第再開します」

「困ったことになった」と思いました。米国では、いったんサービスが滞ると元に戻すのが大変だからです。そこでアメリカ人の友人たちと大勢で食事をした際にどうしたらいいか聞いてみました。

 ぼくが話し終えると、皆が手をたたいて笑い、
That’s a good one. そいつはうまい!
 と言いました。これは面白いことを言った際に、その相手を誉める決まり文句です。

 ぼくはまじめに話をしたつもりでした。でも彼らはユーモアと取ったのです。宛先不明のやつに郵便を出したって到着しないに決まっている。そいつから返事をもらおうとするなんて愚の骨頂だ、ということでした。

 ぼくは、「なぜこれがユーモアなんだ。全然面白くないじゃないか。こっちは困ってるんだ」と思いましたが、暗くなっても仕方がありません。こんなことでランチが盛り上がれば楽しいではありませんか。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110228/218652/?P=2

 日常生活の中でのユーモアは、お笑い芸人がウケを狙って考えに考え抜いた芸を披露するのとは異なります。ごく普通の人が、その場を盛り上げるために放つのです。だから、どっと笑わせるようなものでなくて、みながクスッとする程度で十分です。

 日本人なら笑わないようなネタでもユーモアになり得るので、英米人の笑いの敷居は日本人より低いと言えます。いっぽう、向こうからすれば、日本人は笑わずにいつもブスッとしている、と見えます。

 我々が寄席に行くときは、「さあ、笑うぞ」と思って行くでしょう。落語家がちょっとでも面白いことを言ったら笑おうと心構えをして臨むでしょう。少し大げさかもしれませんが、英米人は普段からそういう気持ちでいると思ってください。

ポイント2:勝ちを目指して、ユーモア合戦が始まる

 ユーモアはみなが楽しむためのものですが、会話のゲームでもあります。ゲームならば勝者や敗者があります。参加者は誰でも勝ちたいものです。勝者は「すごい」と周囲から尊敬を受けるからです。

 長年米国人と接しているうちに、ぼくは彼らの会話のゲームにはルールらしいものがあることに気づきました。それは以下のようなものです。
(1) ユーモアを言った人は勝ちです。
(2) もし自分が勝ちたいならば、続けてユーモアを言うことです。ユーモア合戦が始まります。最後にユーモアを言った人が勝者です。
 2回目のユーモアは最初のユーモアに比べて難しくなります。最初の人は自分がある面白いことを思いついた時点で言えばよかったのですが、次の人は最初の人にすぐに切り返さなくてはなりません。

 友人たちとの会話の続きを見てみましょう。
A: 馬鹿な雑誌社があるもんだね。でもまだいい方だ。うちの会社はもっとひどい。首切りを実施したんだ。
ぼく: どんな?
A: 仕事の効率を上げるための委員会をつくるから、余裕のあるやつは来るように、っていう話だった。集まったやつを切ったんだ。
 ここで話が終わればAの勝ちとなりますが、ここでBが割り込んで来ました。
B: だったら、まだいい方だよ。うちでは経理部を全員首にしたんだ。
ぼく: どうして?
B: 最新のシステムを導入すると、人手が半分で済むことが分かった。それでシステムを2つ入れたんだ。
 ここでゲームの結果を見てみましょう。勝敗はつきましたが、賞品や表彰式があるわけではありません。でも、ユーモアを最後に言ったBの勝ちですから、Bは誇らしい気持ちになっていたはずです。しかし、最初に言い出したぼくと後を継いだAも「よく健闘した」という感じです。同席した友人たちはこの3人に対して「楽しい人たちだ」と思ったでしょう。

ポイント3:英語は言外に別の意味があることが多い

 ある洋画で見たシーン。男が女の家に泊まり、朝を迎えます。2人は職場の同僚で同じ会社にこれから向かうところでした。

女: 会社ではなれなれしくしないでよ。みなに悟られないようにして。
男: 大丈夫だよ。誰も我々の間に何かあるって考えないよ。
 というものでした。
 ごくありふれた会話で、ぼくは気にも留めませんでした。

 ところが、このあとです。女はムキになって、
 「それってどういう意味?」
 と言い返したのです。女の発言は「あなたが何を言いたいかは分かってるのよ」ということです。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110228/218652/?P=3

 ぼくには、どうして女がここで色をなしたのかが分かりませんでした。

 ぼくは見ていたDVDを再生しなおして、もう一度、男の発言を聞きました。
すると、男の発言は聞きようによっては「あなたは社内ではもてない女だと思われているから、誰も色っぽい話があるとは思うはずがない」という言外のニュアンスがあるようにも受け取れました。

 英語には、本当に言いたいことをストレートには言わずに、それを言外に匂わす文化があります。それが面白い場合をユーモアと呼び、そうでないものを皮肉と呼びます。つまり、英米人はユーモアも多い代わりに皮肉も多いことになります(上記の男女のシーンは皮肉の例です)。

 この種のユーモアは日本語にもないわけではありません。例えば「役人の子はよくにぎにぎを覚え」という江戸川柳があります。「役人は賄賂を取る」と言っては面白くないので、間接的に表現するわけです。

ポイント4:ユーモアと皮肉は紙一重

 日本語による会話と英語による会話とでは、ユーモアが登場する頻度が全く違います。日本人にとっては、英語の表面的な意味を汲み取るだけでも大変。さらに、裏に別の意味が隠れているとしたら、もう理解不能になってしまいます。このため、ユーモアを面白く感じることができずに、「英米人は皮肉の多い人種だ」と思うことになります。

 以下の例は、英語ではユーモア、日本語では皮肉になってしまう例です。
 あるとき、アメリカ人の友人と東京の地下鉄に乗っていたときのことです。
 あるスーツ姿の男性が駅で降り、別のスーツ姿の男性が乗り込んできて同じ席に座りました。友人は「あの2人、似たスーツを着ているね」と言いました。

 ぼくは英語でこう言いました。
「違うよ。同じ人だよ。ネクタイを替えて来たんだ」

 ぼくはユーモアとして「日本人はスーツだけでなく、顔つきも同じだ。個性がない」と言外に言ったわけです。同じことをアメリカ人の友人が言えば、日本人批判になるので嫌味になります。ぼくが言うから許されるブラック・ユーモアです。ぼくはこうしたことを日本語でもやってしまい、「皮肉屋」と言われたことがあります。

 ユーモアは日英言語の最大の違いです。口に出すことと、心の中で思っていることが別々だなんて、考えてみればおかしな話です。それが分かるだけで、英語をより身近に感じられるようになるでしょう。

 ユーモアに比べて駄洒落や小話などのジョークは理解が容易です。次回お話しします。

*  *  *

今日のポイント
・ 英米人のユーモアが難しいのは、表現上の意味と本当の意味が違うからだ。また、日本人なら面白いと思わないような些細なことでも笑いの種にしてしまう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110228/218652/?P=4

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