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転職支援 英会話教室コミュの20.A−14 欧米ビジネスの攻めのテクニックを身につける 核心は「ふっかけ」

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 今日はビジネスにおける攻めのテクニックをお教えします。「英米人とのビジネス交渉に勝つ」でお話ししたのは、相手の攻撃をかわす守りのテクニックでした。この2つを合わせれば鬼に金棒となります。

MBAが教える攻めのテクニック「ふっかけ」

 「英米人とのビジネス交渉に勝つ」においては、「相手からの3重のWHY質問に答え抜けば相手の信頼を勝ちとれる」と申し上げました。これは守りのテクニックとしては最高のものですが、相手を攻めるものではありません。これに対して、今日は攻めの交渉術を伝授いたします。

 ぼくはこの技術をMBAで学びました。ぼくがMBAコースで得たものの中で最も大きいノウハウでした。その授業風景をみなさんにご紹介します。

 学生50人が2人ずつ25組に分かれます。教室の中で行うのですから、本物の中古車が目の前にあるわけではありませんが、5年もののカローラを売買すると仮定します。ひとりが中古車の買い手、もうひとりが売り手になります。2人で交渉をして中古車の売買価格を決めます。

 25組居るのですから、売買価格は25通りできます。

 買い手としてはできるだけ安く買った人が勝ちです。売り手はできるだけ高く売った人が勝ちになります。当たり前の話ですが、買い手として一番だった人の相棒は売り手の中では最悪の成績になるわけです。

 学生たちは大学院に来てどうしてこんなに単純なゲームをさせられるのか疑問でした。でも教授の指示だから熱を入れて交渉に入りました。

 30分後、全員が売買交渉を成立させました。教授が黒板にその価格を書いていきました。学生たちは騒然とし始めたのです。なぜなら、黒板に表れた最も高い価格が100万円だったのに対し、最も安いのは1万円だったからです。車の仕様や条件は同じであるはずなのに、なぜ、交渉の仕方によってここまで大きな差が出てしまうのか、学生たちは興味津々でした。

 その理由について、教授は学生たちに徹底的に議論させました。1時間後全員はひとつの理解にたどり着いたのです。

 「最初の提示価格が高かった方が最終価格が高くなる」

 というシンプルなものでした。交渉の要点は「中を2つで割る」ことです。「俺も泣く、お前も泣け。だからここで折り合おう」という考え方です。だとしたら、最初の価格が高いほどその中値が高くなるのは自明です。

 教授は授業の最後に、「交渉はふっかけだよ」で締めくくりました。それを聞いていた学生たちの間にはどよめきが起こりました。MBAでは高度な理屈を駆使した手法が紹介されると思っていたところ、交渉の本質は「こんな簡単な原理」だったのです。学生たちは目からウロコが落ちた状態でした。一瞬ですが、みな席を立ち上がれませんでした。それほどまでに衝撃的だったのでしょう。

ふっかけ交渉に英語力は重要ではない

 市場価格が100円くらいに見える商品を90円前後で売るなら、価格が魅力になりますから、販売交渉は簡単です。100円前後で売るのだったら、価格は他社製品と同じですから、自社品の強みをある程度語る必要があります。でも厳しい質問にさらされることはないでしょう。

 しかし、100円のものを300円として交渉に臨むには理論武装が重要になってきます。その製品のどこがどのように良いのか事細かに述べて買い手の心をとらえなければなりません。3倍の価値があるような物語をつくる必要があります。人一倍Whyの質問に答えるようにしておかなくてはなりません。

 ふっかけを行うときは態度もふっかけです。医者が死病に取りつかれた患者に、「たいしたことないよ。風邪がこじれたようなもんだよ」と言うときのように、堂々とやらなくてはいけりません。

 みなさんは驚かれるかもしれませんが、こうした交渉に英語力はあまり関係ありません。ぼくは交渉術のクラスを受講したとき、先生に相談しました。

2011年1月28日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110120/218058/

 「ぼくは留学生で人一倍英語が苦手です。交渉になると、相手の英語を聞き取り、自分の主張をしないていけません。ぼくにできるでしょうか」

 先生はぼくの話を真に受けていないといった感じでした。

 「全然、大丈夫。考えてみろよ。相手は君と交渉しなくてはいけないんだ。自分の言っていることが分かってもらえなかったり、君の主張が分からなかったりしたら、交渉にならない。向こうは勝つために君の論理を徹底的に聞いてくるぜ。隙があったら攻めようとしてくる」と言いました。

 ぼくがまだ納得できないでいると、先生は続けて、
 「英語なんて心配ないさ。それより勝てる理屈を展開することだ。その方がずっと大事だよ」
 と締めくくりました。

 結果は先生が言った通り。英語力は関係なく、ぼくはクラスでトップレベルの成績となりました。
ぼくは交渉中に何度も、「お前には腹が立つ」と言われました。決して譲らないからです。でも一度も、「お前の英語は分からないよ」とは言われませんでした。銅メダル英語でも何の問題もなかったのです。

ふっかけには事前の周到な準備が必要

 交渉でもうひとつ重要なのが準備です。ぼくは、アラビアで絨毯を買ったときにこのことを痛感しました。

 絨毯市場ではすべてが交渉で決まります。相手は10万円という価格を最初に提示しきました。ぼくは「それは高い」と言いました。「いくらならいいんだ」と言うので、ぼくは「100円だ」と言ったのです。

 相手は目を丸くして驚いていたようで、とっさには言葉が出て来ませんでした。店側には「そんな無茶なことを言うならもう帰ってくれ」と言う手もあったかもしれません。しかし、市場には絨毯屋が数十軒も並んでいるのですから、他の店に客を取られてしまうだけと判断したようです。

店主:「少し安くしておく。8万円ではどうだ」
ぼく:「300円なら買う」

 と言ってぼくは若干ずつ値段を上げていきました。その結果2万円で折り合いました。その際に店主は「俺も貧乏。お前も貧乏。これで勘弁してくれ」と言いました。
“I poor, you poor. Please.”
 と懇願するような声が聞こえました。

 8割の値引きを実現した裏には周到な情報収集がありました。

 ぼくたち外国に暮らす者同士のつながりは強く、ぼられないために「いくらなら妥当か」という価格情報をふだんから共有しています。

 欧米人も絨毯市場で絨毯を買っています。最も安く買った人は当初価格の5割台でした。その人の口ぶりからすると、厳しい交渉をりをしていないのが分かりました。英米人がみな交渉上手なのではありません。アラビアに住むお雇い外国人たちの中で、エンジニアとか英語教師といった人たちは手荒な交渉はしません。

 ぼくは相手側にまだ「余裕」があると判断しました。8割引きくらいはいけると判断したのです。考えられる限りのみすぼらしい格好をして行くことにしました。

 絨毯の購入ならこの程度の準備でいいでしょう。しかし、本格的なビジネス交渉では周到な用意が必要です。

「ふっかけ」の本質は収奪

 日本人は正直で裏表のない人たちが多いですから、こういう交渉は苦手でしょう。

 ぼくが今でも思い出す「ふっかけ」の代表的な事例は日本のある企業の資金調達です。その企業は景気の悪化を受けて経営が厳しくなり、資金繰りが悪化しました。株価も100円を割りました。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110120/218058/?P=2

 企業としては資金が欲しいので新株を発行して投資家から資金を集めようとしました。しかし、投資家としては危ない会社には投資したくはありません。そこで、米国系の証券会社が資金調達を任されました。

 結果、500億円を機関投資家から調達しました。手数料としてその3割150億円を証券会社が手にしたと新聞報道がなされていました。つまり、企業側の手取りは350億円です。この証券会社は通常の10倍の手数料を手にしたわけです。

 「当社に任せれば必要額を調達してあげる。投資家を説得する。その代わり、3割の手数料を寄こせ」とふっかけたのでしょう。資金調達の仕組みは簡単でした。株価が半分にならなければ投資家に損が出ないような仕組みをつくり、投資家に説明に回ったのです。

 一般に株式は株価が日々上下し、買った日から損得が明確になります。これに対して、株価が半分にならなければ損が出ないなんて、そんな虫のいい投資案件を見たことはありません。ぼくはファンドマネージャとして即購入を決めました。500億円は機関投資家からすぐに集まりました。

 経済はゼロサムゲームですから、新規の投資家が得をするということは既存の投資家が損をするということです。米国系証券会社は既存投資家や企業経営者の足元を見て、大金を手にしました。倒産の可能性も示唆される会社から150億円も取るのは普通の人の感覚からすればやりすぎです。ふっかけとはどこまでも奪い取ってやるという姿勢から生まれた哲学です。

「目には目を、歯には歯を」が交渉の基本

 日本は経済は一流、外交は二流と言われてきました。

 それでも日本は輸出大国を築いたわけですから、その間当然外国人とビジネスの交渉を行ってきたはずです。日本人は交渉下手だと言われながらもよく健闘していると言えるでしょう。

 ではなぜ、外交については輸出と同様の及第点をつけることができないのでしょうか。その理由は簡単です。輸出をする場合はその製品が目の前にあります。売り手も買い手もプロ同士ですから、製品の質は言葉を交わさなくてもわかります。英米人が言葉巧みに日本製品をこきおろしたとしても、製品そのものに優位性があればこちらの勝ち目は高いです。

 これに対して、外交では優位性を示す製品がありません。Whyと聞かれてBecauseと答えれば、負けない答弁はできますが、勝てるとは限りません。外交ではふっかけの精神が欠けているのかもしれません。

 ふっかけの本質は収奪ですが、相手側がこのようなやり方で来る以上、自分も同じ方法を取らざるを得ません。国際社会では相手が英語で来るため、こちらも話さざるをえないのと同じです。

 交渉を担当するのは英米でもエリートだけです。交渉の極意を身に付けた人だけが冷徹な作戦に出ます。そして、最初の提示が「ふっかけ」として出て来ます。それを正当化するまことしやかな理屈と押しの強さでせまってくるのです。

 こちらも同じ手を取らざるを得ません。そのうち相手側も、「こいつは交渉術を知っているんだな」と分かります。すると、無茶は時間の無駄だと分かり、態度が軟化してきます。それでも簡単に妥協してはいけません。このコツがつかめれば、外国人との交渉は難しくはありません。

*  *  *

今日のポイント
・ 英米人の交渉では最初の提示価格が「ふかっけ」で出てくる。それを正当化するまことしやかな理屈と押しの強さでせまってくるのです。こちらも同じ手法で臨まなくてはならない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110120/218058/?P=3

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