世界標準の英語は確かに、goodとbadの二元論になっています。しかし、みなさんにはbadは薦めません。もう少し上品な英語を話しましょう。みなさんにお薦めする英語表現は very good good not very good の3種類です。面と向かってbadを使う機会はあまりないと言っていいでしょう。
ここでnot very good について解説しておきます。これは学校では「very good ではない」ということであり、「すごく良いというほどではない」くらいに教わります。原義はその通りですが、実際に使われる場合は「かなり悪い」です。
“How are you?” 「元気にやってる?」 に対してほとんどの場合は Very good. Good. Fine. などと答えます。松葉づえをついて、見るからに辛そうに歩いてきた友人でも “fine (またはgood ).” と言うでしょう。
つまり、not very good とはなかなか言わないということです。もし、誰かがnot very goodと言った場合は、その後に「会社は首になるし、彼女には振られるし、財布は落とすしさ」といった理由がつきます。この3つのうち、1つくらいしか当てはまらないなら、not very good とは言わないでしょう。
ちなみに、この発言には英米人の自虐的なユーモアが含まれています。こんなにひどい状況なんだけど、not very good (すごく良いとは言えない) と言っている自分がおかしいのです。これを聞いている相手の人は発言者のユーモアを感じますが、同時に「相当ひどい状態だ」とも感じるわけです。
good だけで幅広い表現ができる
こう見てくると、われわれが会話で使う形容詞は very good good くらいに絞られます。not very good は「かなり悪い」ですから、その代わりに「まずまず」(英語ではOK)くらいは使うかもしれません。
英語が達人級だ。 His English is very very good. 調子がいい。 I feel good. サービスは及第点だ。 The airline’s services are good. 相手として申し分ない。 He is a good match for me. 話し上手だ。 She is a good talker. これは幸先がいい。 This is a good sign. (やめるのに)キリがいい。 This is a good place to stop. 得意客だ。 He is a good customer. 勝算がある。 We have a good chance of winning. 政治家はしっかりしろよ。 Politicians are not very good. (しっかりしろ⇒なぜか⇒政治家はかなり悪いから、という解釈です。) good以外の形容詞が使える人はもちろん使っていただいてかまいません。大事なことは、goodだけでも相当のことが言えるということです。