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コメント(88)
>> 野口さん
憲法の「 根拠 」を問題としないのは、繰り返しますが議論ができなくなってしまうからです。
【 多数の同意 】を「 根拠 」とした憲法であったとしても、
【 全体の意思 】を「 根拠 」としているわけでありません。
そして憲法は【 全体 】に効力を発揮します。
どの様な「 根拠 」を用意しても、憲法は【 同意していない人間 】にまで効力を発揮します。
例えば、憲法制定の後に生まれた人は、手続きとして憲法に同意していません。
しかし、これでは話が一歩も先に進まないので、「 根拠 」はとりあえず置いておくのです。
民主的な手続きによる【 多数の同意 】が正当な「 根拠 」とされるのは、
他の方法と比較すれば “ マシ ” だからです。
繰り返しますが、【 多数の同意 】ですら、「 根拠 」としては正当ではないんです。
もし、「 根拠 」を問題とした場合は、すべての憲法が不当な「 根拠 」で成立したものになってしまいます。
そして、憲法という【 最高法規 】が不当となった場合、
その憲法を「 根拠 」に立法権を与えられている国会による立法もすべて不当となり、
この世界に存在するすべての【 法 】が無効となります。
その様なカオスを避けるためにも、憲法は「 根拠 」を問題としないのです。
それでもご納得いただけないのでしたら、
野口さんの考える「 神勅を根拠としたためにおこった問題 」をすべてイギリスと比較してください。
イギリスの基本法も、「 根拠 」は「 神より授けられた王権 」ですから、
大日本帝国憲法と同様の問題がおこっているはずです。
憲法の「 根拠 」を問題としないのは、繰り返しますが議論ができなくなってしまうからです。
【 多数の同意 】を「 根拠 」とした憲法であったとしても、
【 全体の意思 】を「 根拠 」としているわけでありません。
そして憲法は【 全体 】に効力を発揮します。
どの様な「 根拠 」を用意しても、憲法は【 同意していない人間 】にまで効力を発揮します。
例えば、憲法制定の後に生まれた人は、手続きとして憲法に同意していません。
しかし、これでは話が一歩も先に進まないので、「 根拠 」はとりあえず置いておくのです。
民主的な手続きによる【 多数の同意 】が正当な「 根拠 」とされるのは、
他の方法と比較すれば “ マシ ” だからです。
繰り返しますが、【 多数の同意 】ですら、「 根拠 」としては正当ではないんです。
もし、「 根拠 」を問題とした場合は、すべての憲法が不当な「 根拠 」で成立したものになってしまいます。
そして、憲法という【 最高法規 】が不当となった場合、
その憲法を「 根拠 」に立法権を与えられている国会による立法もすべて不当となり、
この世界に存在するすべての【 法 】が無効となります。
その様なカオスを避けるためにも、憲法は「 根拠 」を問題としないのです。
それでもご納得いただけないのでしたら、
野口さんの考える「 神勅を根拠としたためにおこった問題 」をすべてイギリスと比較してください。
イギリスの基本法も、「 根拠 」は「 神より授けられた王権 」ですから、
大日本帝国憲法と同様の問題がおこっているはずです。
憲法ではない余談です。
立花隆「天皇と東大」に、
昭和の戦前に、「社会的に最も大きな影響力をふるった東京帝大教授（歴史学者）」として、平泉澄氏のことが書かれています。
「戦史研究室」コミュ 「杉本五郎著「大義」についての検討」の＃１１０で紹介しました。
要点を下記に書きます。
＞平泉史学の真骨頂は、勝つ見込みが全くない絶望的な戦いに於て、天皇のためにすすんで命を捧げる忠義の死の賞揚、『散華（忠義死）の美学』にあった。
平泉にいわせれば、大義（天皇＝祖国）のために命をささげ、桜の花が散る様に死んでいくことこそ、日本人の理想の生き方なのである。
＞「臣民ことごとく天皇の為に生命を捧げる」ことが、日本人の最高の道徳だというのだ。
特攻隊と玉砕戦法とは、この道徳の最もピュアな表現である。それは、大義を守るためには、死滅、全滅もよしとする考えである。
立花隆「天皇と東大」に、
昭和の戦前に、「社会的に最も大きな影響力をふるった東京帝大教授（歴史学者）」として、平泉澄氏のことが書かれています。
「戦史研究室」コミュ 「杉本五郎著「大義」についての検討」の＃１１０で紹介しました。
要点を下記に書きます。
＞平泉史学の真骨頂は、勝つ見込みが全くない絶望的な戦いに於て、天皇のためにすすんで命を捧げる忠義の死の賞揚、『散華（忠義死）の美学』にあった。
平泉にいわせれば、大義（天皇＝祖国）のために命をささげ、桜の花が散る様に死んでいくことこそ、日本人の理想の生き方なのである。
＞「臣民ことごとく天皇の為に生命を捧げる」ことが、日本人の最高の道徳だというのだ。
特攻隊と玉砕戦法とは、この道徳の最もピュアな表現である。それは、大義を守るためには、死滅、全滅もよしとする考えである。
このトピをずっと中断して、当面は書き込みできませんが、止めてはいません。
週刊誌で偶然に、関連する内容を見つけたので、紹介します。
********************
週刊金曜日１０２６号の21Pの岡本雅亨氏の記事から
＞（幕末の時）維新勢力は、薩長と一部公家が政権を簒奪しようとするものとして正統性を疑われており、それに対抗し得る貭を天皇の神権的絶対性に求めたのである。
(途中省略)
尊皇攘夷派の間では最初、倒幕と天皇親政の象徴だった建武の中興の時代への復帰が唱えられた。だが、それでは鎌倉幕府や、それより前の（天皇が実権を失った）古代摂関制の時代を否定することができない。結局「王政復古は務めて度量を宏くし、規模を大にせんことを要す」という玉村操の意見を岩倉具視が受け入れ、神武天皇が橿原宮で即位し人皇第一代となったという神話と伝承の時代への復帰が定められた。
********************
上について検索すると、下記が見つかりました。
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/136543/121949/74377822
＞『岩倉公實記』には次のやうに書かれてゐる。「具視王政復古ノ基礎ヲ玉松操ニ諮問スル事、…具視以謂ク建武中興ノ制度ハ以テ模範トスルニ足ラズト。之ヲ操ニ諮問ス。操曰ク、王政復古ハ務メテ度量ヲ宏クシ、規模ヲ大ニセンコトヲ要ス。故ニ官職制度ヲ建定センニハ当ニ神武帝ノ肇基ニ原キ寰宇ノ統一ヲ図リ、萬機ノ維新ニ従フヲ規準ト為スベシ。」
>>[58]
野口さんが、明治憲法において神話を根拠にしているのが誤っていると考えている理由が定かではないのですが、上のやり取りを読む限り、
「�／析辰竜�述は歴史学的に証明できないから、証明されていない事実を前提にする明治憲法は誤っている。」
「�◆嵜析叩�神授説」と「自然権・社会契約説」なら、後者を支持する方が多数であるから、根拠としては誤っている。」
の２点でよろしいでしょうか。
この点に関しましては、上で◎ぐるっ◎ さんが適切に反論していらっしゃると思います。
すなわち、�，砲弔い董�
社会契約説もフィクションに基づいており歴史学的に証明は不可能です。
そもそも、法的概念はすべて現実に実在するものではありません（ex.所有権、権利）。
したがって、歴史学的に証明できるかどうかを問題にすること自体がおかしい、と言えます。
�△砲弔い董�
まず、少なくとも当時においては、神話より社会契約説を支持する方が多数だとは言い切れないでしょう。記紀（とりわけ日本書紀）は、奈良時代から継続的に日本の知識層の中では公的な歴史書として認められてきたものであり、それ自体が権威を有していました。
もう一点、法律論としての妥当性は、民衆の支持ではなく、論理的な説得力に求めるものだと考えられます。これは、法解釈一般に言えることだと思います。
つづく
野口さんが、明治憲法において神話を根拠にしているのが誤っていると考えている理由が定かではないのですが、上のやり取りを読む限り、
「�／析辰竜�述は歴史学的に証明できないから、証明されていない事実を前提にする明治憲法は誤っている。」
「�◆嵜析叩�神授説」と「自然権・社会契約説」なら、後者を支持する方が多数であるから、根拠としては誤っている。」
の２点でよろしいでしょうか。
この点に関しましては、上で◎ぐるっ◎ さんが適切に反論していらっしゃると思います。
すなわち、�，砲弔い董�
社会契約説もフィクションに基づいており歴史学的に証明は不可能です。
そもそも、法的概念はすべて現実に実在するものではありません（ex.所有権、権利）。
したがって、歴史学的に証明できるかどうかを問題にすること自体がおかしい、と言えます。
�△砲弔い董�
まず、少なくとも当時においては、神話より社会契約説を支持する方が多数だとは言い切れないでしょう。記紀（とりわけ日本書紀）は、奈良時代から継続的に日本の知識層の中では公的な歴史書として認められてきたものであり、それ自体が権威を有していました。
もう一点、法律論としての妥当性は、民衆の支持ではなく、論理的な説得力に求めるものだと考えられます。これは、法解釈一般に言えることだと思います。
つづく
>>[58]
引用しておられる週間金曜日の記事ですが、
岩倉が王政復古のスローガンとして「建武の中興」ではなく「神武への回帰」を選択したという趣旨のものであると思います。
これをもって、岩倉が主導的に憲法の基礎に神勅を採用したことの根拠にするのは無理があります。
というのは、「建武の中興」の時代も当然ながら天皇の正統性は神話を根拠としているからです。これは当時書かれた『神皇正統記』からも明らかです。
私は政治思想史には疎いですが、一般的には明治維新は、国学と儒教に基づくナショナリズムが思想的原動力となったと説明されているようです。
両者はともに、神話を肯定することが前提ですから、岩倉が単独で神話を採用したとは言えないでしょう。
引用しておられる週間金曜日の記事ですが、
岩倉が王政復古のスローガンとして「建武の中興」ではなく「神武への回帰」を選択したという趣旨のものであると思います。
これをもって、岩倉が主導的に憲法の基礎に神勅を採用したことの根拠にするのは無理があります。
というのは、「建武の中興」の時代も当然ながら天皇の正統性は神話を根拠としているからです。これは当時書かれた『神皇正統記』からも明らかです。
私は政治思想史には疎いですが、一般的には明治維新は、国学と儒教に基づくナショナリズムが思想的原動力となったと説明されているようです。
両者はともに、神話を肯定することが前提ですから、岩倉が単独で神話を採用したとは言えないでしょう。
>>[059] 武甕槌之僕さん
>>[062] を修正しました。
私は、武甕槌之僕さんとも、◎ぐるっ◎さんと同様に、考えは噛み合いそうにないですが、
ともかく、私の意見を書きます。
***********
私が建国神話を明治憲法の根拠としていることを肯定しない理由です。
私は現代の生物学、物理的などの自然科学は正しく自然を捉えていると、信用しています。
自分でかなり確かめることができますから。
しかし、建国神話の正しさを科学的には論じることはできないと私は考えています。
特に、建国神話の「神」と、普通の人間の違いは何であるか、説明されていません。
従って、建国神話を憲法の根拠とすることの合理性は、科学的には説明できません。
社会契約説の内容を私は理解できていませんが、
内容自体は近代の学者が考えたことだから、
不都合であるかどうかを、検討し、議論できます。
欠点があれば新たな説を提案すればいい。
>>[64]
自然科学について
「 自分でかなり確かめることができますから 」 という理由で信用されている方が、
社会契約説を
「 社会契約説の内容を私は理解できていません 」 という状態で信用するのは、
矛盾ではないでしょうか？
更に言えば、
社会契約説に基づく憲法は、18世紀のルソーの思想が淵源ですが、
神勅に基づく大日本帝国憲法は19世紀の日本の思想が淵源ですから、より “ 近代的 ” なんです。
そして、憲法制定の法的根拠については、
百年以上の討論の末、
つまり野口さんの仰る 「 不都合であるかどうかを、検討し、議論 」 した末に、
意味がない議論だという結論に達したんです。
と言うか、憲法制定の法的根拠を問題とすることは、
憲法制定の根拠に瑕疵がある場合はその憲法の存在自体が問題となり、
よって存在が問題となる憲法を遵守する必要がないという理論につながり、
憲法を遵守する必要がなくなります。
そして、結局、どの様な理論を持ってしても、
憲法制定の法的根拠は確保しえないんです。
つまり、野口さんの理屈を正しいと認めてしまうと、
この世界から憲法が消滅して法的カオスの世界になってしまいます。
武甕槌之僕さんも私も、
その事実を指摘しているだけであって、
「 建国神話を明治憲法の根拠としていること 」 を肯定しているわけではありません。
私もここでようやく納得がいったのですが、
話が噛み合わないのは、
私が事実をお伝えしているのに対して、
野口さんは一貫して嗜好を語られているからです。
結局、野口さんが仰っていることは、徹頭徹尾 “ 明治憲法は気にくわない ” だけで、
自分の嗜好に都合の良さそうな文を拾い読みして書き込んでいるだけなんです。
諄いですが、私がここまでしつこく書き込みを続けるのは、
野口さんが>>[64]で書き込まれた意見は、立憲政治を否定する根拠となる暴論になりうるからです。
自然科学について
「 自分でかなり確かめることができますから 」 という理由で信用されている方が、
社会契約説を
「 社会契約説の内容を私は理解できていません 」 という状態で信用するのは、
矛盾ではないでしょうか？
更に言えば、
社会契約説に基づく憲法は、18世紀のルソーの思想が淵源ですが、
神勅に基づく大日本帝国憲法は19世紀の日本の思想が淵源ですから、より “ 近代的 ” なんです。
そして、憲法制定の法的根拠については、
百年以上の討論の末、
つまり野口さんの仰る 「 不都合であるかどうかを、検討し、議論 」 した末に、
意味がない議論だという結論に達したんです。
と言うか、憲法制定の法的根拠を問題とすることは、
憲法制定の根拠に瑕疵がある場合はその憲法の存在自体が問題となり、
よって存在が問題となる憲法を遵守する必要がないという理論につながり、
憲法を遵守する必要がなくなります。
そして、結局、どの様な理論を持ってしても、
憲法制定の法的根拠は確保しえないんです。
つまり、野口さんの理屈を正しいと認めてしまうと、
この世界から憲法が消滅して法的カオスの世界になってしまいます。
武甕槌之僕さんも私も、
その事実を指摘しているだけであって、
「 建国神話を明治憲法の根拠としていること 」 を肯定しているわけではありません。
私もここでようやく納得がいったのですが、
話が噛み合わないのは、
私が事実をお伝えしているのに対して、
野口さんは一貫して嗜好を語られているからです。
結局、野口さんが仰っていることは、徹頭徹尾 “ 明治憲法は気にくわない ” だけで、
自分の嗜好に都合の良さそうな文を拾い読みして書き込んでいるだけなんです。
諄いですが、私がここまでしつこく書き込みを続けるのは、
野口さんが>>[64]で書き込まれた意見は、立憲政治を否定する根拠となる暴論になりうるからです。
>>[076]
私の、「科学的説明が不可能であるから憲法の根拠に適切ではない」は、
粗雑な考えではあります。
下の、Ａ、Ｂは科学的といえないでも、現代で議論の対象となり得ると私は思います。
他の方はどうかを知りませんが、私は建国神話は議論の対象にならないと思います。
私が建国神話をマッタク好きではないだけかも知れませんが。
Ａ 「日本の憲法は、欽定憲法と民定憲法のどちらであるべきか？
欽定憲法：君主主権に基づき君主がもっぱら自己の意思によって制定した憲法、
民定憲法：国民主権原理に基づき，国民が憲法を成立せしめかつ支える最終的権威であるとの前提に立つ憲法。」
Ｂ 「全ての人が有すべき人権として、何を認めるべきか？」
私の、「科学的説明が不可能であるから憲法の根拠に適切ではない」は、
粗雑な考えではあります。
下の、Ａ、Ｂは科学的といえないでも、現代で議論の対象となり得ると私は思います。
他の方はどうかを知りませんが、私は建国神話は議論の対象にならないと思います。
私が建国神話をマッタク好きではないだけかも知れませんが。
Ａ 「日本の憲法は、欽定憲法と民定憲法のどちらであるべきか？
欽定憲法：君主主権に基づき君主がもっぱら自己の意思によって制定した憲法、
民定憲法：国民主権原理に基づき，国民が憲法を成立せしめかつ支える最終的権威であるとの前提に立つ憲法。」
Ｂ 「全ての人が有すべき人権として、何を認めるべきか？」
下は、明治憲法における天皇の権限について、他の非公開のコミュニティーに書いたコメントを少し修正したものです。
１ 明治憲法では、天皇に政治や軍事の実権があるとされていたか？
２ 天皇は、実権を行使できる状況であったか？
３ 天皇は、実権を行使しようとしたか？
私は、上の３つは別々の事柄であると考えています。
明治憲法で天皇に実権があるとされていても、
実際に行使は困難だったかも知れないし、行使できても抑制したかも知れないので。
私の意見は、「明治憲法では、天皇に政治と軍事についての実権あるとされていた」です。
その根拠として、今回は下記を挙げておきます。
*****************************
大日本帝国憲法の発布勅語から
http://samrai308w.blog.fc2.com/blog-entry-395.html
＞朕カ祖宗ニ承クルノ大権ニ依リ現在及将来ノ臣民ニ対シ此ノ不磨ノ大典ヲ宣布ス
現代語訳
＞この憲法を、神武天皇から始まる我が国歴代天皇から受け継いだ大権によって、現在から将来にわたる臣民（国民）に対し広く公布する。
*********************
告文から
https://m.facebook.com/notes/sachiko-mizoguchi/大日本帝国憲法-御告文現代語訳/594855813882632/
＞玆ニ皇室典範及憲法ヲ制定ス
＞惟フニ此レ皆皇祖皇宗ノ後裔ニ貽シタマヘル統治ノ洪範ヲ紹述スルニ外ナラス
現代語訳
＞ここに皇室典範と憲法を制定する。
＞思うに、これはみな先祖が後裔に残された統治の規範を述べたものに他ならない。
******************
（上諭）から
＞國家統治ノ大權ハ朕カ之ヲ祖宗ニ承ケテ之ヲ子孫ニ傳フル所ナリ
朕及朕カ子孫ハ將來此ノ憲法ノ條章ニ循ヒ之ヲ行フコトヲ愆ラサルヘシ
******************
伊藤博文『憲法義解』から
http://nikkojuku.com/category11/entry1103.html
第一章 天皇
＞恭（つつしみ）て按ずるに、天皇の宝祚（御位）は之を祖宗に御承け遊ばして、之を御子孫に御伝えになる。
この 天皇の宝祚にこそ、国家の統治権が存するのである。
而して、憲法に殊更に、天皇の大権のことを掲げ、之を條や章に明記するのは、
今更、憲法によって新しく意味を定めて示さうとするのではなく、
我が国に建国以来『固有の国体』が、憲法に由って益々強固になるのだ、といふことを示さうとするのである。
現代語訳
＞恭んで考えるには、天皇の位は歴代天皇より承継し、
これを子孫へと伝えていくものである。
国家統治権が存在するところである。
そうして、憲法にとくに大権を掲げて条文に明記するというのは、
憲法によって新しく設けてその意味を表すことではなく、
日本固有の国体は憲法によって益々強固になることを示すものである。
***************
私見：
上の４つの資料は、天皇の統治権と、あるいはそれに包含される天皇の大権は、
神武天皇以降の天皇から承継したものとしています。
統治権(大権を含む）を、明治憲法によってなくするという文はありませんから、
当然に、天皇は統治権を有することになります。
>>[79]
御質問について、未確認ですが、下の本に解説がありそうな気がします。
「昭和天皇の軍事思想と戦略」 山田 朗著 校倉書房 2002年
***************
私は、「明治憲法時代には、天皇が政治と軍事について実権を有している」が、一般人の常識であると思っていました。
ところが、戦史について大変に詳しいメンバーが多いコミュニティーに先日質問をしたところ、
天皇には実権はなかったというレスがあって、非常に驚きました。下のトピです。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=396416&id=45937272
私が、明治憲法の時代に、天皇は政治と軍事に実権を有していたという意見は、主に下記のトピ（非公開のコミュです）に書いています。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=6216252&id=80230262
御質問について、未確認ですが、下の本に解説がありそうな気がします。
「昭和天皇の軍事思想と戦略」 山田 朗著 校倉書房 2002年
***************
私は、「明治憲法時代には、天皇が政治と軍事について実権を有している」が、一般人の常識であると思っていました。
ところが、戦史について大変に詳しいメンバーが多いコミュニティーに先日質問をしたところ、
天皇には実権はなかったというレスがあって、非常に驚きました。下のトピです。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=396416&id=45937272
私が、明治憲法の時代に、天皇は政治と軍事に実権を有していたという意見は、主に下記のトピ（非公開のコミュです）に書いています。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=6216252&id=80230262
上の本によると、国策決定の場としての御前会議とは別に、大本営会議に天皇が出席する場合があり（常にではない）、それは大本営御前会議と呼ばれた。
同書の108P から
＞ポッダム宣言受諾をめぐる１９４５年８月の御前会議以外では天皇は発言しなかったとよく言われるが、
これは、国策決定のための御前会議については、１９４１年９月６日、１９４５年８月９日、１９４５年８月１４日の会議を除いて、おおむね妥当である。
＞だが、大本営御前会議においてはそうではなく、後述するように、大元帥としての天皇は、軍事問題についてはしばしば積極的に下問をし、場合によっては対応にあたった軍人たちを叱責することもあった。
>>[83]
この点について、非公開のコミュニティーに書いた私の下のコメントが、
少しは関連があるかも知れません。
＞
昭和天皇の行動について、元老の西園寺の進言があったという。
それについての、天皇の戦後の感想、木戸、荒木貞夫、近衛の発言がある。
**************
重臣たちの昭和史 下 文春文庫 1984年 の142P から
＞西園寺は長らくフランスに留学し、フランスの歴史と民主主義政治を充分研究した結果、円満なる政務の運用と皇室の御繁栄とを併せ求めんが為には、政治形態として英国流の 君臨すれども統治せず とあるを最上のものとし、陸下に対しても常々此の事を申上げたと聞いている。
この西園寺の考え方は、牧野、斎藤、湯浅等の内大臣を経て本戸に踏襲せられ 陸下としては自分よりの指揮命令による政治は絶対になきらないで、それぞれの責任者に全てをご一任になり、その上その責任者の奏上は内容に付いてはご下問になるが、絶対に拒否せらること、距否権の行使はない...(作田高太郎『天皇と木戸」)
＞「自分が恰もファシズムを信奉するが如く思わるることが、最も耐え難きところなり、
実際余りに立憲的に処置し来たりし為にかくの如き事態（太平洋戦争と敗戦）となりたりとも云うべく、
戦争の途中に於て今少し陛下は進んで御命令ありたしとの希望は聞かざるには非ざりしも、努めて立憲的に運用したる積りなり」（天皇）
＞「陛下が若し積極的に指導されて、軍を押えつけて行かれたならばと云う人もあるが、自分はそうは思わぬ。
又、実際陛下は随分軍の態度の橋正には力を用いられた。
然し大勢は己に明治末期から醸成されて居たので、如何することも出来なかった。
若し陸下が更に突き進んだ態度をとられたならば恐らく内乱が起きたであろう。
又夫れでなくとも責任が直接陛下に及ぶ様なことになったかも知れぬ」（木戸幸一）
＞「天皇は側近に阻まれて行動が出来ざりしなり。
天皇さえ直接軍に命令されたならば、何等問題なく、天皇の意思は実現せられた筈なり。国を誤りたるは側近なり」（荒木貞夫）
＞「英国流に陛下がただ激励とか注意を与えられるというだけでは、軍事と政治外交とが協力一致して進み得ない」(近衛文麿)
**************
私見： 上の天皇、木戸、荒木、近衛の発言は、
どれも明治憲法で天皇に実権が皆無とされている考えであると思えない。
この点について、非公開のコミュニティーに書いた私の下のコメントが、
少しは関連があるかも知れません。
＞
昭和天皇の行動について、元老の西園寺の進言があったという。
それについての、天皇の戦後の感想、木戸、荒木貞夫、近衛の発言がある。
**************
重臣たちの昭和史 下 文春文庫 1984年 の142P から
＞西園寺は長らくフランスに留学し、フランスの歴史と民主主義政治を充分研究した結果、円満なる政務の運用と皇室の御繁栄とを併せ求めんが為には、政治形態として英国流の 君臨すれども統治せず とあるを最上のものとし、陸下に対しても常々此の事を申上げたと聞いている。
この西園寺の考え方は、牧野、斎藤、湯浅等の内大臣を経て本戸に踏襲せられ 陸下としては自分よりの指揮命令による政治は絶対になきらないで、それぞれの責任者に全てをご一任になり、その上その責任者の奏上は内容に付いてはご下問になるが、絶対に拒否せらること、距否権の行使はない...(作田高太郎『天皇と木戸」)
＞「自分が恰もファシズムを信奉するが如く思わるることが、最も耐え難きところなり、
実際余りに立憲的に処置し来たりし為にかくの如き事態（太平洋戦争と敗戦）となりたりとも云うべく、
戦争の途中に於て今少し陛下は進んで御命令ありたしとの希望は聞かざるには非ざりしも、努めて立憲的に運用したる積りなり」（天皇）
＞「陛下が若し積極的に指導されて、軍を押えつけて行かれたならばと云う人もあるが、自分はそうは思わぬ。
又、実際陛下は随分軍の態度の橋正には力を用いられた。
然し大勢は己に明治末期から醸成されて居たので、如何することも出来なかった。
若し陸下が更に突き進んだ態度をとられたならば恐らく内乱が起きたであろう。
又夫れでなくとも責任が直接陛下に及ぶ様なことになったかも知れぬ」（木戸幸一）
＞「天皇は側近に阻まれて行動が出来ざりしなり。
天皇さえ直接軍に命令されたならば、何等問題なく、天皇の意思は実現せられた筈なり。国を誤りたるは側近なり」（荒木貞夫）
＞「英国流に陛下がただ激励とか注意を与えられるというだけでは、軍事と政治外交とが協力一致して進み得ない」(近衛文麿)
**************
私見： 上の天皇、木戸、荒木、近衛の発言は、
どれも明治憲法で天皇に実権が皆無とされている考えであると思えない。
>>[79]
こんな書評がありました。
毎日新聞の山田氏の新著の書評の一部です。
http://mainichi.jp/articles/20170226/ddm/015/070/027000c
加藤陽子・評 『昭和天皇の戦争』＝山田朗・著
毎日新聞2017年2月26日 東京朝刊
＞先の大戦における昭和天皇の干与（かんよ）をいかに評価するのか。本書の書き手は、天皇が意外にも積極的に戦争指導に干与していた史実を、最も早くから実証的に明らかにしてきた研究者である。
◎◎◎◎◎ ＞明らかにされた点を紹介しよう。国務に関する天皇の行為が、全て国務大臣の輔弼（ほひつ）によるとは憲法上の規定があった。これに従い、国家の最高意思決定の場である御前会議においては、天皇は発言しないとの慣例が、１９３８年１月１０日、政府側の要請によって作られた。制度化の最初の事例について実録は、遺漏なく記していて貴重だ。
＞いっぽう、統帥用兵の意思決定の場である大本営会議の様子は異なっていた。陸海軍の将官と天皇が臨席する大本営会議では、天皇からの発言を歓迎する旨、軍部側が要請した事実が、実録の１９３７年１１月２７日の条で明らかにされている。政府の前では沈黙し、軍部の前では発言を許された、対照的な天皇像が鮮やかに浮かんでくる。
こんな書評がありました。
毎日新聞の山田氏の新著の書評の一部です。
http://mainichi.jp/articles/20170226/ddm/015/070/027000c
加藤陽子・評 『昭和天皇の戦争』＝山田朗・著
毎日新聞2017年2月26日 東京朝刊
＞先の大戦における昭和天皇の干与（かんよ）をいかに評価するのか。本書の書き手は、天皇が意外にも積極的に戦争指導に干与していた史実を、最も早くから実証的に明らかにしてきた研究者である。
◎◎◎◎◎ ＞明らかにされた点を紹介しよう。国務に関する天皇の行為が、全て国務大臣の輔弼（ほひつ）によるとは憲法上の規定があった。これに従い、国家の最高意思決定の場である御前会議においては、天皇は発言しないとの慣例が、１９３８年１月１０日、政府側の要請によって作られた。制度化の最初の事例について実録は、遺漏なく記していて貴重だ。
＞いっぽう、統帥用兵の意思決定の場である大本営会議の様子は異なっていた。陸海軍の将官と天皇が臨席する大本営会議では、天皇からの発言を歓迎する旨、軍部側が要請した事実が、実録の１９３７年１１月２７日の条で明らかにされている。政府の前では沈黙し、軍部の前では発言を許された、対照的な天皇像が鮮やかに浮かんでくる。
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