ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

Think About 2030コミュのVol.9 『あってはならないもの』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
以前、「ない」と「いらない」の話をしましたが、「あってはならない」ものもあるはずです。
真っ先に思い浮かぶのは拳銃や麻薬などの非合法なものですが、
もっと日常的で文明の利器とも言えそうなもの。
例えば、子供のゲームは禁止という家庭もあります。
この場合、親は、ゲームは子供にいい影響を与えない、
つまり「あってはならない」と考えているわけです。
子供に携帯電話を持たせない家もあります。TVを見せない家もあります。
これは「ゲームのいらない家」「TVのいらない家庭」とは少し違いますよね。

以前、KJ法の開発で有名な川喜田二郎先生の本『創造と伝統』(祥伝社)を読んで、
次のことが非常に印象に残りました。
先生は登山家でもありましたが、ヒマラヤの奥地に学術調査に行った時のことです。
滞在した集落へ、お礼の意味も込めての技術協力ということで、
裏山から集落までワイヤーロープを張ることを提案したそうです。
山で採った草とか薪などの生活物資をロープに吊るしたカゴで運ぶという仕組みです。
地元の人たちが強い関心と情熱を示す中で、村長だけは断固反対したらしい。
村長の意見を要約すれば、
そのロープの導入によって村人の生活スタイルはがらっと変わる。
経済的にプラスどころか村が潰れてしまう、という理由です。

本にはそれだけのことしか書いてなくその集落がどうなったかも知らないのですが、
私なりに村長の思いを想像してみます。

村人にとって裏山はかけがえのない財産。しかし、毒ヘビもいれば熊もいる。
どこに沢が流れ、どこが崩れやすく、どこに獣道があり、
どこにどんな草や木が生えているのかすべてを知っておかなければならない。
そのために村人は子供たち全員を連れて一日中、山中を歩き回る。
それが彼らの仕事でした。
その間、村に残った女性たちは洗濯やら食事の支度、
機織りや裁縫などの日常的仕事を片付ける。
確かに山からの草や薪ではお金にならず、自給自足が精一杯。
貧しいには違いないが、そういう暮らしを何百年も続けてきたはずです。

しかし、ワイヤーロープが設置されたとします。
作業は数十倍にもはかどります。山のいたるところにワイヤーロープが張られる。
そして、余った草や薪を町に売りにいく。木材、薬草、動物までもがお金になります。
それらの金でエンジンを買い、モーター式ワイヤーへと進化、さらに生産性が上がります。
・・・そして生態系が乱れ、数年後に山は荒れ始める。いわゆる過剰搾取です。

一方、男たちの稼いだお金で女性は洗濯機やミシンやガスレンジを買う。
時間が余るので内職を始める。
子供たちは山で学ぶ機会もなくなり、成長すると町へ働きに出る。
山が荒れて稼ぎがなくなると、男たちは町へ働きに出る。
そうして徐々に村の人口は減り続け、遂に集落は・・・。
おそらく村長はそうした村の姿が眼に浮かんだのではないでしょうか。

この場合、ワイヤーロープは村にとって「あってはならない」ものになるはずです。
一見文明的で経済的にプラスになると思えるものが、
何百年と続いてきた村をわずか数年で潰してしまう。
「貧は守り易く、富は守り難し」の文明的事例とも言えそうです。

それにしてもこの村長さん。すごい慧眼の持ち主というか、
どこの村にもよくいる保守的な頑固者というか・・・。

さて、皆さんはどう評価します?


-------------------------------------
そう思う、そうは思わない、わからない
その理由や自由なご意見・ご感想をお待ちしてます!

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

Think About 2030 更新情報

Think About 2030のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング