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Think About 2030コミュのVol.1 『2台のトラック』

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太平洋に浮かぶA島は、数万人が住む農業の盛んな島です。
そこで採れた農産物はすべて船に載せられ東京の市場へ向かいます。
そしてA島の住民の食料はすべて東京の市場から取り寄せられます。
つまり、農産物を載せて東京へ向かう船と食料を積んでA島へ向かう船が
1日に1回どこかの海の上ですれ違っているのです。

これはなにも島だからというわけではありません。
九州にあるB市の農産物はほとんどがトラックに載せられ大阪の市場へ向かいます。
一方、大阪の市場からはスーパーに卸す農産物を積んだトラックがB市に向かって走ります。
どこかの高速道路で2台のトラックがすれ違っていはずです。
東北にあるC市でも同じ現象が起きているはずです。
北海道のD町、北陸のE村、四国のF村・・・、
つまり日本にある農村の数だけ、2台のトラックがすれ違っていることになるのです。

平成19年度の農業の国内生産額は約9.6兆円。
対して農業に関連した流通業の生産高は約25.0兆円。
実に2.5倍以上を流通に費やしているのです。
この国内総生産の数字には肥料や農薬、光熱費などのコストも含まれています。
それらを省いた純粋な農業総生産は4.4兆円。
対して経費を抜いた流通業の総生産は16.3兆円と4倍近くを流通業が占めています。
ちなみに皆さん方のご家族の1年分の食費が100万円だとしますと、
そのうち農家に支払われるお金はわずか10万円弱に過ぎません。
食品加工業に約30万円、飲食店に約20万円、
そして流通業に36万円も払っている計算になるのです。

A島の住民は、どこで誰がどうやって作ったかもわからない農産物を
高いお金を出してスーパーで買っています。
もし、A島の農家が島の住民のために食料を作れば、輸送費は要らなくなります。
農家は市場に渡す金額よりも高く売ることができ、
消費者はスーパーよりも安い価格で買うことができます(流通費の折半が可能)。
それに、なによりも島内の住民のための食料です。
農家は飛び切り美味しくて安全な作物を愛情込めて作るようになるのではないでしょうか。

でも、これは理屈です。
現実的にこうしたことを実現しようとすると非常に難しい。
また、誰かれが悪いというような問題でもない。
そして、単に地産地消を推進すべきだというような問題でも、おそらくはないでしょう。
それは、私たちの社会の価値観や企業活動、経済構造のようなものと深く絡んでいるはずです。

20年後の地域戦略を考える ――― 皆様のご意見、ご感想なども交えながら、
どんな地域社会を造り上げていくかを、いろいろな角度から検討してみたいと思います。
よろしくお付き合いください。

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そう思う、そうは思わない、わからない
その理由や自由なご意見・ご感想をお待ちしてます!

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