第９章『更に追跡中』
「あの馬鹿、感情的になって周りが全く見えてない」
寺澤が助手席で愚痴る
「うわっ！やられた！」
不意に黒シャツが叫んで車を止めた
「どうした？」
「なにカネ！？急に」
「パンクだ！
たぶん、あの外人が撃った玉が当たったんだ」
黒シャツは、二人に答えると、車を下りてボンネットを開け、スペアタイヤを出した
「あの外人、狙って当てれるようなタマじゃない
偶然か」
寺澤も下りてきて、タイヤ交換を手伝う
猪上は車に残り、モニターをチェックしていた
その間に、トラックは駐車場から飛び出し街中へ
街は、仕事帰りのまだ混雑する時間帯
トラックは、混雑する大通りは避け、住宅街を走り回った
しかし、大型トラックでは、狭い路地は速くは走れない
バックミラーにチラチラ写る結をなかなか振り切れないことに、バダックはイラついていた
ストレートで引き離したかと思うと、角を曲がるとまた近づいている
少し大きめの通りに出た
通りの信号は、連動して青になるもので、タイミングがよければかなり遠くまで一気に逃げれる
通りに出て一気に加速しようとしたバダック
しかし、その目の前に、いきなり人影が踊り出た！！
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