「雨のあとに虹」　コミュニティコミュの雨のあとに虹・Ｐａｒｔ５　その９６

「近田くん！」
増田は言った。
「はい！」
近田が言うと
「確認を頼むよ。」
増田は資料を見ながら言った。
「どうかしましたか？」
近田は言った。増田が資料を置くと近田が歩いて来た。
「自然エネルギーを研究している部署や系列会社はあるか？」
増田が言うと
「一社もありません！」
近田は言った。
「返事が早いな！」
増田は驚いたように言った。
「うちは原子力と国の予算に頼り過ぎています。」
近田が言うと
「どこか適当な会社を買収出来ないか？」
増田は言った。
「すぐに調査します。」
近田が言うと
「頼むよ！」
増田は言った。近田が資料を抱えて廊下出ると増田は大きくため息をした。

「細かい取り決めは私が進めさせていただきます。」
恵子は言った。
「弊社は中村が担当します。」
榊原が言うと
「よろしくお願い致します。」
恵子は言った。
「こちらこそお手柔らかにお願いします。」
中村は笑顔で言った。
「契約が締結されれば立花が窓口になります。」
俊之が言うと
「よろしくお願い致します。」
立花は言った。
「私たちはふたりとも同じ権限を持ちますので気軽に何でもおっしゃってください。」
榊原が言うと
「簡単に話が進みましたね！」
まどかは嬉しそうに言った。
「これからは環境破壊を減らすことを考えないと限界にきているよ。」
俊之は言った。
「化石燃料だけでは地球を破壊するだけだよ！」
榊原が言うと
「太陽光を推進してエコ化を推進するよ。」
俊之は言った。
「増田さんが悔しがるかも知れないですよ。」
立花が言うと
「増田くんも解ってくれると思うよ。」
俊之は言った。立花と恵子は嬉しそうに俊之と榊原を交互に見ていた。

「久しぶりに３人で過ごせるわね？」
詩織は笑顔で言った。
「うん！」
久美子は言った。
「久美子が結婚する日が来るのね！」
知子が言うと
「私はまだ実感がないわ！」
久美子は言った。
「そうかも知れないわね！」
知子が言うと
「結婚したら簡単に帰って来ては駄目だよ。」
詩織は冗談交じりに言った。
「解っているよ。」
久美子は言った。
「俊之さんは細かいことは気にしないわね！」
詩織が言うと
「時々は俊之さんと一緒に来なさいよ！」
知子は優しい口調で言った。
「今日は３人で鍋を囲もうよ。」
詩織は言った。
「いいよ！」
久美子が言うと
「いつの間にか鍋を囲む季節になったのね！」
知子は言った。久美子と詩織が珈琲を飲むと知子は嬉しそうに頷いた。

「俺まで緊張しそうだよ。」
矢島は水割りを飲みながら言った。
「あなたが緊張しても仕方がないわよ。」
早苗は言った。
「解っているよ。」
矢島が言うと
「高村さんが結婚なさるのが嬉しいみたいね？」
早苗は言った。
「あいつは一時期の不幸から抜け出せたのがよかった。」
矢島が言うと
「私も嬉しいわ！」
早苗は言った。
「俺が友人代表の挨拶するのも不思議な気分だよ。」
矢島が言うと
「頑張りなさいよ。」
早苗は言った。矢島は水割りを飲み干してから頷いた。早苗が窓外を見ると都心部の夜景が綺麗であった。

「これで日中の懸案事項がひとつ減りました。」
間瀬は嬉しそうに言った。
「これは高村俊之さんのお人柄に共感した結果です。」
孫は言った。
「解っています。」
間瀬が言うと
「今回の事故は中国側の過失だったことは認めます。」
孫は言った。
「漁船の船長である何隆法さんは日本で裁判にかけられることになります。」
間瀬が言うと
「止むを得ないです。」
孫は低い声で言った。
「これからは日中共同でエネルギーの採掘をしましょう！」
間瀬は言った。
「是非一緒にやりましょう！」
孫が言うと
「中国は私たちの大切な友人です。」
間瀬は笑顔で言った。孫は中国語と日本語で書かれた書類に署名をすると笑顔で間瀬に渡した。間瀬も笑顔で署名をした。
「これで全て解決しましたね！」
孫は言った。
「これで私の支持率が上がるはずです。」
間瀬が言うと
「それはよかったです。」
孫は言った。
「孫さんに会えてよかったです。」
間瀬が言うと
「私も間瀬総理と高村さんに会えてよかったです。」
孫は言った。
「高村ですか？」
間瀬は低い声で言った。
「今回は高村さんのお力が大きいですよ。」
孫が言うと
「解っていますよ。」
間瀬は言った。間瀬が俊之のような人格者ではないことを孫は素早く見抜いていた。間瀬が惚けた表情で窓外に視線を移すと
「飲み物を持って来させましょう！」
孫は笑顔で言った。

To be continued