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極短編・携帯小説を書くコミュの26日のサンタクロース

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クリスマスイブの夜に、一晩中世界を飛び回ってプレゼントを配ったサンタさんは、25日は疲れて一日中寝ていました。
26日の朝に目を覚ますと、一通の手紙が届いていました。

「誰からだろう?」

開けてみると、そこには、

『僕たちの友達がまだプレゼントを貰っていないので、届けてください。』

と、書かれていました。

プレゼントは全部配ったはず。袋の中を見てみても、プレゼントはもう残っていません。
手紙には、名前は書いていないかわりに、地図が書いてありました。
こんなところに、子供なんていたかしら?
サンタさんは行ってみることにしました。

トナカイのそりでたどり着くと、そこは温泉でした。
温泉にプレゼント?
よくわからなかったけれど、サンタさんは中に入って聞いてみました。

「プレゼントを貰っていない子供?さぁ…ここにはいないと思いますけど。」

それを聞いて首をかしげるサンタさん。

「それより、せっかくなんで、温泉に入っていってくださいよ。イブの夜は一晩中プレゼントを配っていたから、疲れているでしょう」

言われてみると、昨日は一日中寝ていたけど、まだちょっと疲れが残っているような気がしたので、サンタさんは温泉に入っていくことにしました。

ゆっくり温泉に入って出てくると、服を入れたロッカーに手紙が入っていました。

『2階の階段を上がって、すぐの部屋で待っています』

手紙を見たサンタさんは、プレゼントを貰っていない子供を待たせて、自分だけ温泉に入るなんて、これは悪いことをしたと思いました。

急いで2階に上がると、そこはマッサージ室でした。子供なのに、マッサージを受けるのかな?
サンタさんはマッサージ師さんに聞いてみました。

「プレゼントを貰っていない子供?さぁ…ここにはませんけど。」

それを聞いて、サンタさんはまた首をかしました。

「それより、せっかくなんで、マッサージしていってくださいよ。イブの夜は一晩中プレゼントを配っていたから、疲れているでしょう」

確かに、一日中寝て温泉にも入ったけど、まだちょっと疲れが残っているような気がしたので、サンタさんはマッサージしてもらうことにしました。

「サンタさん、終わりましたよ。」

マッサージ師さんの声で、ハッと目が覚めるサンタさん。昨日一日中寝ていたのに、マッサージが気持ちよくてまた眠ってしまったようです。
お礼を言って部屋を出ようとしたサンタさんに、マッサージ師さんは、ある子供から預かったという手紙を渡しました。

手紙には、

『奥の広間で待っています』

と、書かれていました。

プレゼントを待つ子供を待たせたまま、のんびりマッサージなんか受けてる場合じゃなかった。
サンタさんは、慌てて奥の広間へ行きました。
奥の広間の扉からは、賑やかな声が聞こえます。

サンタさんが扉を開けると……

「メリークリスマス!!」

広間では、沢山の子供たちと、沢山の料理がサンタを迎えてくれました。

「サンタさん、僕たちからのプレゼント、どうだった?」

「温泉はゆっくり入れた?」

「マッサージ気持ちよかった?」

「疲れはとれた?」

「ごちそう、沢山食べてね!!」


実は、温泉もマッサージも、そして広間にある料理も、毎年プレゼントをくれるサンタさんへの、子供たちからのプレゼントだったのです。

そう、まだプレゼントを貰っていない友達というのは、サンタさんのことだったのです。

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